立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、旧民進党系の無所属議員による衆院会派「有志の会」の国対委員長代理らが、2/14に衆院議員会館で会談したそうだ。昨年の衆院選前までは、立民、国民、共産、社民各党の枠組みで国対委員長会談を定期的に開催し、維新は孤立していたが、昨日の会談では、共産党が外され維新が加わるという変化があった。
この件について、メディア各社は共産党外し、共産党が反発、というニュアンスで記事を書いている。
確かに、共産党の志位 和夫や小池 晃などは、ツイッターに不快感とも取れる投稿をしており、共産党が反発、共産党外し、というニュアンスは間違っていないのかもしれない。
2019年参院選、昨年・2021年衆院選と、立憲民主党は共産党と選挙協力をしてきた。与党自公に選挙で対抗する為には、野党がバラバラで票が割れては対抗することが出来ない、というのがその理由で、多くの選挙区で候補者の1本化が行われ、共産党が立憲民主党に立候補を譲ることが多かった。しかしそれでも、2021年衆院選で立憲民主党は議席を伸ばせず、その責任をとって、2017年の党創設以来代表を務めてき枝野が辞任した。その後 泉 健太が新代表になって以降、立憲民主党は共産党との選挙協力を白紙化に向けた動きを強めている。
今回の動きもその一環とも考えられる為、大手メディアが報じたニュアンスは概ね妥当なのかもしれない。但し「今回の会談はあくまで事務連絡/情報伝達の場であり、出来れば各党参加でやりたかったが、国民民主が共産の参加を嫌がった為に、立憲民主、維新、国民民主、旧民進党系の無所属議員による会派での国対会談というかたちになった。共産党とは事前に、個別で話をしている」という趣旨の発言を、立憲民主党の国対委員長代理 奥野 総一郎が2/14午前にしているので、この発言を重視すると、共産党が反発、共産党外し、というニュアンスは正確とは言えないかもしれない。もしそうなら、これまでも頻繁に行われてきたように、メディア各社が大袈裟に「野党は烏合の衆、野合でしかない」と言わんばかりのプロパガンダをやっている、という恐れもある。
2022年2月14日 奥野国対委員長代理ぶら下がり - YouTube
しかし、立憲民主 奥野の言い分が実態に即したものであれば、共産党との協力関係を白紙化したいとしか思えない動きを見せている立憲民主党からは特にアクションがなかったとしても、共産党の側からは、今回の会談に共産党は参加しなかったがそれに特に問題はない、という見解が示されているだろう。だが実際には、共産党側は不快感とも言える受け取めを示しており、しかも今日の昼頃、共産党の穀田 恵二 国対委員長が会見し「立民と維新、国民などによる共産党を除いた国対委員長代理による協議の場について、立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長から謝罪と撤回があった」と言っていて、それを志位もツイートしている。つまり、今立憲民主が共産外しを画策していることはほぼ間違いがない、と言っていいだろう。
当該事案が報じられてから、ツイッター上では #維新と組むなら立民は金輪際応援しません 、 #立憲民主党は維新と組むな などのハッシュタグによるツイートが多く見られる。つまり、共産外しよりも維新との協力関係構築に対する違和感の方が多く示されている。しかし、それらのタグを用いたツイートには、共産党との候補一本化によって主に恩恵を受けた側の立憲民主が、選挙が終わった途端に一方的に協力を白紙化するなんて筋が通らない、のような見解も多い。本来は共産党支持だったが候補一本化によって立憲民主の候補に票を入れたのに…という話も少なくない。更に言えば、なのに選挙が終わった途端共産を切って維新と協力だなんておかしいにも程がある、ということも含んだ、当該ハッシュタグによるツイートもかなり多い。
前述のように共産党によれば、立憲民主の国対から謝罪があったとのことだが、立憲民主の側から今回の件に関する見解は今のところ何も発信がないようで、それはつまり、立憲民主の謝罪とやらは、姿勢を改める考えの表れというよりも、小さくない反発が生じたことへの場当たり的な対応であって、恐らくこれからもシレっと維新や国民民主との協力を、共産党との協力よりも重視していくのだろう。
このままでは、希望と前原がかき混ぜまくって自民が漁夫の利を得た、2017年の衆院選の二の舞になることは確定的だ。戦前を美化して回帰しようとする姿勢や、原発事故に学ばず再稼働させようとする姿勢、新型コロナウイルス対応でも失敗を認めずに失敗を繰り返すなど、与党自公が過去の失敗に学ばないのは最早説明の必要がない程だが、今回の立憲民主の動きを見れば、野党も野党で過去の失敗に学ばない人たちでしかない、ということだろう。共産外して維新と協力なんて、政治なんて誰がやっても同じ、を自ら証明するだけだ。2017衆院選の直前に民進党代表だった前原が、党ごと希望に合流しようとしたことでどんな失敗が起きたかを忘れているとしか言えない。それが野党第一党なのだから、つまり、ニホンジンとは過去の失敗に学ばずに同じ失敗を繰り返す人たちということなんだろう。
つまり、この国は沈むべくして沈んでいく国ということだ。今日のトップ画像は、バカに効く薬をイメージしたパロディだが、ことわざにもあるように、バカに効く薬なんてのは存在しない。ことわざの馬鹿に付ける薬はないは、ばかをなおす方法はないとか、ばかな者は救いようがないということを意味する。まさに今の日本にピッタリの言葉だ。