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差別や蔑視、排外主義の象徴

 (ツイッターの)アイコンに付いている日の丸、どうにかならないの? まるで馬鹿の象徴みたいになっているじゃない。というツイートがあったが、全くその通りだ。本来は日本全般として象徴するもののはずだが、排外主義者や差別主義者が日の丸や旭日旗を好んで使う為、それらは馬鹿の象徴みたいになってしまっている。

 トップ画像のような、日本における差別主義者のデモを見れば、韓国や中国を始めとした東アジア/東南アジア諸国で、特に旭日旗が嫌悪されるのは仕方がない。旭日旗は大日本帝国陸海軍の軍旗でそれらの地域では侵略の象徴であり、今は日本における排外主義・差別主義、そして東アジア/東南アジア蔑視の象徴になってしまっているのだから。

 イギリスのファッションブランド フレッドペリーは、白人至上主義者らが同社のポロシャツをユニフォームのように着用し始めた時、明確にそれを拒否した。白人至上主義者がユニフォームのようにフレッドペリーのポロシャツを着るのを止めるまで、アメリカとカナダでそのポロシャツを販売をしない、という方法で。

フレッドペリーのポロシャツ、極右集団にユニフォームにされる⇒販売停止 「私たちとは真逆の存在」と声明 | ハフポスト WORLD

 フレッドペリーは公式に「フレッドペリーはプラウドボーイズを支援しておらず、また、プラウドボーイズとは一切関係がありません。 このグループが私たちのブラック/イエロー/イエローのツインチップシャツを流用し、ローレルリース(のイメージ)を自分たちの目的のために破壊したことは、信じられないほど苛立たしいことです」という声明を発表し、自社商品と商標が人種差別の象徴にされることを拒んだ。

 フレッドペリーと同様に、ヴァージニア州のキルト販売会社・Verillas も、白人至上主義者が同社の商品を揃えて着用していたことに対して、明確な拒否を示した。白人至上主義者がユニフォームのように着用したイエローの商品の販売を止め、同じ色を購入した人に対して別の色に無料で交換する、という方法で。


 前述の白人至上主義者らはトランプ支持者だった。トランプに集会で楽曲を使用されたアーティストの多くが、トランプ本人、トランプ支持の象徴にされることを拒み、自分達の楽曲を使用するなと明確に声をあげている

「自分たちの楽曲を使わないで」トランプ大統領に要求した20組のアーティストたち | Business Insider Japan

 差別や蔑視、排外主義の象徴にされることを許せるのは、差別や蔑視、排外主義をやっている当時者くらいではないだろうか。いや、それが他人に誇れることではないと分かってやっていたら、たとえ差別や蔑視、排外主義をやっている当時者でも、象徴にされることは嫌がるだろう。つまり、象徴にされるのを厭わないのは、その種の人たちの中でも最もタチの悪い人たち、もしくは最も馬鹿な人たち、ということになるだろう。


 日の丸は日本の国旗だし、旭日旗も自衛隊旗だが、日本政府も自衛隊も、日の丸や旭日旗が排外主義や差別の象徴にされていることに対して、フレッドペリーやヴァージニア州のキルト販売会社・Verillas、そしてトランプに集会で楽曲をBGMに使用されたアーティストとは違い、それについて明確な拒否を示さない。少なくとも自分はこの10年間、日本政府や自衛隊が、日の丸や旭日旗を排外主義や差別や蔑視の象徴にするな、と言っているところは見た記憶がない
 このように書くと、日の丸は日本の国旗なので日本人なら誰でも自由に使えて当然だ、のような反論をする人がいそうだが、自由とは自分勝手に何をしても責任を問われない、ということではないから、憲法が保障する基本的人権を侵すようなことに使ってもよい、と言いたいなら、自由の何たるかを理解できていない。そのような使われ方に対して政府や自衛隊が牽制をするのは、憲法を尊重する、という意味ではなにもおかしなことではない。でも日本政府(というか自民政府)も自衛隊もそれをしない。
 ○○(個人や団体)と名指しして、日の丸や旭日旗を使うな、とは言えなくとも、排外主義や差別や蔑視の象徴にするな、象徴にしてはいけない、とは言えるはずだ。でも、日本政府も自衛隊もそう言わない。

 日の丸や旭日旗が排外主義や差別や蔑視の象徴のように使われることを明確に拒否/否定しないのだから、日本政府(というか自民政府)も自衛隊も同類なのではないか?と疑われても仕方がない。特に現与党には、排外主義や差別・蔑視を厭わない政治家が複数いるのだから、そう思われるのも当然だ。


 トップ画像には、Demonstration by zaitokukai in Tokyo 2 - 日本のヘイトスピーチ - Wikipedia を使用した。

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