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芸能界の闇、日本の闇。

 朝、ツイッターを眺めていたら、ダチョウ倶楽部の上島 竜兵が自殺した、という話が目に飛び込んできた。ブラウザ版ツイッターの右カラムには、ツイッターが提示する現在のトレンドや広告フレーズなどが表示されるが、そこには ”芸能界の闇” という文字があって、それは当然上島の自殺にからめて使われていた表現だった。


 今日のトップ画像は、昭和後期の金鳥蚊取り線香のTVCMからのスクリーンショットである。この、金鳥の夏、日本の夏。は、かなり昭和感の高いフレーズだが、金鳥は今でもこのフレーズをコマーシャルに使っている。

金鳥の渦巻「竜也の部屋」篇 | CM情報 | KINCHO 大日本除虫菊株式会社


 上島 竜兵の自殺と ”金鳥の夏、日本の夏。” というフレーズにどんな関連性があるのか。それを説明するにはもう一つ要素が必要だ。数日前に、タイムラインにこんなツイートが流れてきた。

 ツイートにある、あとは投資でなんとか、の背景にあるのは、昨年2021年9月に自民党総裁になって、その直後の衆院選の際に「所得倍増」などと言っていた岸田が、衆院選が終わった途端に「倍増とは2倍になるという意味ではない」なんて言っていたのに、今度は「資産所得倍増」などとして、貯蓄から投資へ誘導するなんて言い出したことだろう。

岸田首相、「資産所得倍増プラン」を表明 貯蓄から投資へ誘導 | 毎日新聞


 また、こんな話も話題になっていた。

 これは2015年7月の朝日新聞読者投稿欄に掲載されたもののようだが、このツイートなど、前述のツイートと同様にこのゴールデンウィーク中に話題になっていた。7年も前の読者投稿なのに、ここに書かれている不安や不満は何一つ解消されていないし、解消されていないどころか寧ろ悪化しているとすら言える状況になってしまっている。

 1つめのツイートにしろ、2つめのツイート・朝日新聞2015年の読者投稿にしろ、日本社会への絶望感が示されていて、それは荒唐無稽な話だなんて口が裂けても言えない。バブル崩壊直後の最初の就職氷河期と阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件などがあった1990年代、そしてリーマンショックとそれから立ち直る前に東日本大震災と福島原発事故が起きたおよそ10-15年前頃も、戦後の日本の中で屈指の暗い時代であったが、明るい未来の見えなさ加減で言えば、現在はそれを軽くしのぐお先真っ暗加減だとも思う。
 自分もこの10年で何度も、これからよいことは殆どないどころか、日本社会の状況はどんどん悪くなっていくだろうから、もういつ死んでもいいと何度も思ったし、時には、不合理を訴える為に官邸か国会前かで焼身自殺してやろうか、なんて思うことすらあった。

 だから今朝、上島 竜兵の自殺に関連した ”芸能界の闇” という表現を目にした瞬間に、「いやいや芸能界の闇じゃなくて日本の闇だろ」という思いがすぐに湧いてきた。なのでトップ画像に ”金鳥の夏、日本の夏。”というフレーズを用いた。なぜなら、金鳥の夏、日本の夏ならぬ、芸能界の闇、日本の闇。だと思ったからだ。


 でも、この日本の闇はある意味では自業自得なのだ。1つめのツイートを見て、自分はすかさずこのように引用リツイートした。

今、日本の将来に全く期待が持てないこと、お先真っ暗な感じしかないこと、それは明らかに政治の怠慢、いや政治家が私利私欲の為に行き当たりばったりで、今だけ自分達だけでその優位性を使ってきた結果なのだが、しかし日本は一応民主的な方法でそんな政治家・政権を選んでいる。つまり、そんな政治を選んできたのは日本の有権者だ。日本の有権者が、自らそんな暗い社会を選んでいる、寧ろそうなることを望んできた、と言っても決して過言ではない。昨年の衆院選でもまたそんな政治をやる政権を再任したのだから、それは絶対に間違いない。

 5/10にGigazineがこんな記事を掲載した。

Gigazineは相関関係と因果関係を区別せずに、因果が確実でない場合でも断定的な見出しをつける傾向がある。だからこの記事の話も手放しで信用するわけにはいかないが、この記事に関しては、信ぴょう性を感じさせる研究内容が示されていて、断定的に煽りすぎな感はあるものの、全くのデタラメとも思えない。
 もしこの話が事実であるならば、日本の有権者はまさにその典型的な例と言えるのではないだろうか。税と社会保障の一体改革を掲げて成立したにも関わらず、消費税増税という不公平な増税をやり、しかもその増額分は全て社会保障に当てるとしていたのに、それを「お約束と異なる新しい判断」などと言って反故にして、社会保障には当てず、それどころか社会保障はどんどん後退させるような政治を選び続けているのだから。

 つまり、厳しく言えば、日本人の大半は平等よりも格差社会を望むクズで、だから社会が将来性のない暗い状態になっており、だから絶望して自ら命を断つ人が出ている、とも言えるのではないか。
 芸能界の闇に限らず、〇〇の闇は全て日本社会の闇であり、その闇を広げているのは日本社会に属する有権者一人ひとりだ。


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