暇つぶしにスパイダーソリティアのアプリで遊んでいたら、「完全無料、初期費用一切必要ナシ、ほったらかしで9ケタ資産の投資プログラム!」みたいな内容の動画広告が表示された。絶対に儲かる、とは言ってはいないものの、明らかにいかがわしい。
なんでいかがわしいのか、と言えば、初期投資ゼロ・完全自動で億単位の資産が稼げるような投資プログラムを実際に開発したのであれば、わざわざお金をかけてそれを宣伝して儲ける必要はない。何もせずに億単位のカネを稼げる、そんなプログラムを開発したなら、誰にも教えずに独り占めして密かに運用すればいいだけだ。元手ゼロでOKということなので、初期投資費用を募る必要もないし。誰かに教えて共有するにしたって、ごく親しい者にだけというのが自然な思考だろう。なぜなら、同じ方法でそんな儲けを出す人が多数現れたら、その方法をふさがれかねない、という懸念が生じるからだ。
そんなことから推測すれば、この広告イメージ通りの投資プログラムは十中八九存在せず、詐欺師がカモを釣り上げようとしているだけだろう。この投稿を書くにあたり、一応当該広告がヒットするかどうか検索してみた。「完全無料、初期費用一切必要ナシ、ほったらかしで9ケタ資産の投資プログラム!」の中から、確実に使われていた単語、ほったらかし、9ケタ、資産、投資、プログラム、の全部、またはそのうちのいくつかで検索してみたが、当該広告動画には辿り着かなかった。検索にヒットしないのだからいかがわしい広告だったと見て間違いないだろうし、出資等に関する規制や法に抵触する恐れもありそうだから、寧ろ広告主は出稿先を限定しているのかもしれない。あんまりにも大々的にやれば、簡単に足がついてしまうだろうから。
そんなわけでトップ画像は、記憶を頼りに当該広告のワンカットを再現した画像である。
というわけで検索しても、自分がアプリでみたいかがわしい動画広告には辿り着かなかったわけだが、しかし前述のいくつかの単語で動画検索すると、怪しそうな動画が色々とヒットした。
この画像にある動画全てが怪しいとは言わない。しかしサムネイルの時点で既に怪しさ満点なものも決して少なくない。このような手法でコンテンツを売る、広告収入で儲ける、それ自体を売ることや広告収入で儲けることを目論むというのは、今みたいにYoutubeが隆盛して以降だけの話ではなくて、Youtubeが今のような状況になる以前はブログ+情報商材だったり、更にそれよりも前は怪しい出版社の書籍だったり、3流雑誌の広告だったり、昔から変わらない手法と言っても過言ではない。
そのような怪しいYoutube動画や、同種のコンテンツを見たり読んだりする人が、ツッコミを入れつつ消費するもの、ある種のフィクションだと分かっているなら、そこには何も問題は生じないのだろうが、実際はそうではないんだろう。だから、いつまでも出資を募る投資詐欺事件はなくならないし、それを防止するための法律もあるんだろう。
投資と言えば、首相の岸田は、新しい資本主義の柱は株式や投資信託などの保有者が税優遇を受けられる「資産所得倍増プラン」だと言っているが、一体それのどこが新しい資本主義なんだろうか。
唐突な「資産所得倍増」計画、実現は53年後? 岸田首相の「新しい資本主義」の恩恵は富裕層へ集中か:東京新聞 TOKYO Web
2021年の総務省統計局 家計調査報告によると、2人以上の世帯の約30%は貯蓄額500万以下だ。1000万以下だと約45%だ。しかもこの額は、リスクを伴う投資に回せる額ではなく、あくまでも貯蓄の総額である。
岸田の言っていることは、いかがわしい動画広告や怪しいYoutubeコンテンツなどには及ばないが、それでも、新しくもないものを新しい資本主義と呼び、低所得者層ではなく富裕層を優遇しようというのだから、詐欺的と言っても過言ではない。