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李下に冠を正さず

 安倍首相は加計学園問題についての野党らの追及を受けて、「 私の知り合いだから頼むといったことは一度もない 」と便宜を図ったのではないかという疑惑を否定した。森友学園問題にしろ、加計学園の件にしろ首相・政府与党は一貫して便宜を図った事実はないとしている。一方で、森友学園問題では籠池氏が「 神風が吹いた 」、加計学園問題では前川氏が首相補佐官から「 総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う 」と言われたと、共に首相・政府若しくは行政などによる影響力が働いたことを示唆する発言をしている。  首相や政府は自分達が圧力を直接行使し便宜を図ったことも、官僚が自発的に首相らの意向に配慮して結果的に便宜を図った事実もないというスタンスを貫いているが、1件だけならともかく、2件も似たような疑惑が噴出し、しかも加計学園の件については官房長官などは単なるほら吹き扱いをしているが、辞めた経緯はどうであろうと文科省の事務次官だった人物が政府見解と異なる主張をしているのだから、単なるほら吹き扱いで片付けられるような程度の話ではなく、否定するにしたってそれ相応の説得力のある説明が必要であろう。国会への招致や再調査に消極的なようでは問題が終息しないのも当然だ。森友問題にしたって他の問題が次から次へと出てきているので有耶無耶になっているが、実際は話の途中で頓挫しているに過ぎない。

マイノリティレポート

 6/3の土曜日に フジテレビが映画・マイノリティリポートを放送する 。個人的にこの映画はトムクルーズ主演作品の中で最も重要な作品の一つだと強く思っている。映画の舞台は2050年代。犯罪予防局という、予知能力を利用して凶悪犯罪が起こる前に犯人を逮捕する捜査機関がある世界。トムクルーズが演じるのは犯罪予防局のチーフ捜査官。ある日彼が殺人を犯すという予言が行われ、取り締まる側だった彼が追われる立場に、という映画だ。単なる近未来SF作品としても楽しめるが、原作の小説やこの映画には、発表・公開当時から懸念されていた政府機関による監視強化を暗に批判しているという、政治的なメッセージが込められているという見解や側面がある作品でもある。

ネット記事のアンケートやコメント欄

 BuzzFeed Newsが所謂「加計学園問題」における前川・前事務次官の発言を受けて、毎日・朝日・日経・読売・産経の5紙がどのようなスタンスで報じているかを比較するという記事を「 「加計学園」主要5紙はどう報じたか 立ち位置くっきり、社説を比べてみた 」という見出しで掲載している。自分は各紙の紙面を直接読んだわけではないので、あくまでもBuzzFeed Newsの記事を読んだだけでの感想なのだが、記事の見出しにあるような” 立ち位置くっきり ”という印象は全くなかった。しかしくっきりではないにしろ各紙のスタンスに違いがあることは確実だと思う。  BuzzFeed Newsのこの記事の最後には「一番良いと思うのはどこの社説?」というアンケートが付いている。自分はこの手のアンケートは記事の内容に関係なく、ただ単に贔屓の新聞社に投票する人がいる恐れが低いとも言えないし、複数投票する人がいる恐れもあるだろうから大した意味は感じられないし、正常な結果が得られない見込みも低くないのだから、絶対するべきではないと強く否定する程ではないにしても、変に読み手の感情を煽るだけになる恐れが強いので実施するべきでないとさえ思えてしまう。と思いつつも恐る恐る投票結果を見てみると、その時点では奇しくも自分の意見と一致して産経新聞が最上位になっていた。

ネット上の中学生男子たち

 ネット上で必要以上に強気なコメントをしている人を見ると、中学生男子のような思考丸出しで恥ずかしくないのかと思えてしまう。まず大多数の健全で品行方正な中学生男子によろしくないイメージの例として使ってしまったことを謝りたい。そして強気な彼らに対してこんな批判をしている自分も、彼らと大差ないのかもしれないとも感じる。しかしBuzzFeed Newsの「 大阪府警「ひざ蹴り3発動画」がネット上に やりすぎなのか波紋広がる 」という記事のコメント欄がヒドいので反論したくなってしまった。大阪市内の路上で客引きの顔を殴った疑いがある外国籍の男性を警察官が3人がかりで押さえつける様子を、現場に居合わせた人が撮影した動画が公開されたようだ。男性は酔っており警察官に噛み付こうとしたということなのだが、押さえつけた際に警察官の1人が3回にわたってひざ蹴りしている様子が映っている。これがやりすぎなのか、正当な制圧行為なのかということがネット上で波紋を呼んでいると言う記事だ。

懸念があるならあきらめた方が、

 「 拾得者はお礼を辞退されていますが、お礼の電話を希望されていますので、すみやかに連絡を取り、お礼の言葉を伝えてください。拾得者から、あなたからの連絡が無い等の理由で、お礼の言葉を受けていないと連絡を受けた場合、あなたの氏名、電話番号を拾得者にお伝えすることになります 」 最近ツイッターを中心に話題になっている、申請していた落し物が警察に届けられ、それを引き取る際に警察から一緒に渡される用紙の文言だ。この話題の元になったのは京都府警での話だが、関東在住の自分も「あなたの氏名、電話番号を拾得者にお伝えすることになります」とまで書かれていたかどうかは良く覚えていないが、似たようなものを受け取った記憶がある。何が問題なのかと言えば、 この制度を利用して落とし主が女性だった場合などに拾い主が不必要に会おうとしたりする、極端に言えばストーカー的な行為に及ぶ恐れを、警察が住所などの情報を提供し助長している場合があるのではないか 、ということだ。この話題の元になったツイートも鍵を落とした女性によるもので、彼女は「連絡したところ『どんな人か会いたかった』と言われ怖かった」という趣旨のツイートをしている。落としたものが鍵であることや、拾い主が届ける前に合鍵を作製しているかもしれない恐れなどを考慮すれば女性の懸念にも理解できる点は大いにある。

官房長官の姿勢

 最近の菅官房長官には冷静さが足りないのではないだろうか。元々キッパリと物を言うタイプであるとは思っていたが、昨今国連特別報告者に対して単なる一個人的な物言いをしてみたり、加計学園の問題について示している強硬な見解などを見ていると、まるでトランプ政権の報道官のようだと思える。どうも心の中心に「自分達は間違えない」とか、もっと厳しく言わせてもらえば「自分達の主張することだけが正しいことだ」とかいうような思い上がりのような気持ちがあるように見える。  加計学園の問題については、本質的に問題があるのかどうかについては、自分もまだどちらとも言えないように感じている。それとは別に、前川・前文科相事務次官の会見を受けて、菅氏は「( 前川氏は)当初は責任者として辞意も示さず地位に恋々としがみついていた 」という発言をしていた。恐らく菅氏は前川氏が天下り問題で引責辞任したことや、読売新聞が報じた前川氏のスキャンダル的な記事などを前提に、 彼は信用に足らない人物であると印象付けたかったのだろう が、自身が総理と共にリーダーシップを執っている内閣にも、記者に対して逆上し被災者への配慮を欠いた発言で謝罪したものの、職務にまい進するとしてその座に留まったが、舌の根の乾かぬうちに同様の失言を繰り返して辞任した復興相が居たことを忘れているのだろうか。また、森友問題の交渉記録を財務省が破棄したとすることや、この加計学園問題で明るみになった文書、菅氏が怪文書と表現し、文科相が調査の結果存在が確認できなかったとしたが、前川氏は存在すると証言した所謂”総理のご意向”文書のことだが、それらの官公庁・官僚が文書が無いとする主張の信憑性を極めて下げている原因には南スーダン日報問題がある。そういう意味では内閣全体や官公庁の信頼性を保つ為には防衛相が責任を取るべきだったと自分は考えるが、当の防衛相は今もその席に座ったままだ。付け加えれば、彼女は森友学園問題でも虚偽と言われても仕方がないような答弁をし、1日で撤回・謝罪するというオマケも付いている。彼女についても個人的には「 責任者として辞意も示さず地位に恋々としがみついている 」と言えるのではないかと思う。

法による支配とは

 今週の何曜日だったか正確な日付は失念してしまったのだが、MXテレビ・ モーニングCROSS で共謀罪についての放送を行っている際に、コメンテーターらが条文に含まれる ”物品の手配、関係場所の下見その他の計画”という文言の”その他” について恣意的な解釈が可能で、不適切な運用に繋がる恐れがあるという指摘を行なっていた。それに対する視聴者の「 その他という文言を入れておかなければ、条文の隙間をついた犯罪を取り締まれないから、その他という文は妥当 」という趣旨のツイートを、MCの堀氏が「こんな意見がきましたよ」と紹介していた。堀氏は明確にその主張が不適切だとか、間違っているとかいうような指摘はしなかったが、自分にはその主張は法による支配ということを全く無視しているとしか思えない。