正月のテレビは年末に撮り貯めた特番ばかりでお節料理みたい、正月特番・特別編成はお節料理同様に正月感には欠かせないが、お節料理が取り立てて美味しいと思えない(あくまで個人の感想)のと同様に、正月番組も取り立てて面白くない(あくまで…)、などの話を1/4の投稿で書いた。それは地上波・BSに限らずCSチャンネル・ネット放送でも同じで、というかCSチャンネルや、大晦日を除いたネット放送局・AbemaTVの年末年始の一週間はほぼ再放送オンリーになる。キー局系のサブチャンネルなどは年中再放送だけだが、映画・海外ドラマ系、ドキュメンタリー系チャンネルなど、日頃新作・日本初放送番組を放送する局も再放送以外の番組が見当たらなくなる。これも1/4の投稿で書いたが、正月番組がつまらなかったり、再放送・総集編だったりするのは、テレビ業界の人達が休む為には仕方のない事で、ある意味では健全であり寧ろ地上波でも「再放送・総集編一色になるのが年末年始の風物詩」という傾向がもっと進んでもいいように思う。
AbemaTVで放送している「Wの悲喜劇」という番組がある。
さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聞き出します。という番組で、興味をそそられるテーマの回も多い。サイトの番組紹介にもあるように、番組は「男子は見なくて結構!」というキャッチコピーを掲げており、番組CMでもシェリーさんがこの台詞を言うカットが使用されている。恐らく「(難癖を付けてくるような)男は見なくていい」のようなニュアンスなのだろうが、過剰に男性を敵視しているようなイメージを感じてしまう為自分は良い印象を持てず、その所為で番組を積極的に見る気になれない。ただ前述のように年末年始の特番にはそれ程興味を持てず、手持無沙汰だった時にたまたまWの悲喜劇の再放送をしていたので何となく見始めた。
番組を見ていて、ふと「シェリーさんは、確かTV番組制作ディレクターと結婚したはずだが、誰、というかどんな人?」と思い、”シェリー 配偶者”でGoogle検索してみた。1/4の時点での検索結果のスクリーンショットがこれだ。
検索をしたくらいだから、自分は相田 貴史さんという人を詳しくしらない。結婚した頃にそれをネタにした番組に出演していたのは覚えているので、顔を見た事はあるかもしれないがどんな顔だったかまでは覚えていない。しかし、Googleが提示した写真が相田 貴史さんでないことだけはハッキリと分かる。何故なら、この写真は間違いなくキャイ~ン・天野 ひろゆきさんだからだ。
画像検索に切り替えると、何故こんなことになっているのかが見えてくる。
シェリーさんの結婚をネタにした番組で、「相田さんはキャイ~ンの天野さん似」と紹介されたのがその原因のようだ。
伝言ゲームで「シェリーさんはキャイ~ンの天野さん似の男性と結婚した」という話を伝えたら、どこかで誰かが勘違いして「シェリーさんはキャイ~ンの天野さんと結婚した」となるかもしれない。また、前者のような見出しをチラ見しただけで、誰かに後者の内容で伝える等の場合も勘違いが起こる。天下のGoogleがそれと似たり寄ったりの検索結果を表示しているのを見ると、「人間味があるな」なんて思えた。
これは明らかに間違いだと分かるし、誰かが直ちに深刻な不利益を被るわけでもなさそうなので、「人間味があるな」と呑気に思っていられるんだろうが、これが大きな犯罪を起こした犯人の写真だったら到底そう言っていられない筈だ。TV局のディレクターという中途半端な有名さ加減と、ヒトラー程有名ではない犯罪者の写真が万が一組み合され、Googleという多くの人が信頼を寄せるメディアによって提示されたら、「シェリーさんは犯罪者と結婚した」なんて、ありもしない話が独り歩きを始める恐れもある。シェリーさん程の知名度があれば彼女の結婚相手の事を覚えている人も少なくないだろうから、そんな状況に陥る恐れは高くないかもしれないが、彼女が一発屋と言われるようなタイプのタレントだったら、もしくは今後第一線を退いた後であれば、そんなことは起こらないとも言い切れないだろう。現に、お笑い芸人のスマイリーキクチさんが殺人事件の犯人というレッテルをネットで貼られ、長い間誹謗中傷に晒されるという事件が過去に起きている(Wikipedia)。
Wikipediaへのリンクを貼ったが、Wikipediaは不特定多数によって編集されており、掲載されている情報に間違いがあることもしばしばある。更にこの記事で紹介したようにGoogleでさえ間違った情報を掲載することはある。
世の中には、新聞やテレビなど既存メディアを一括りにしてマスゴミなどと揶揄し、ネットにこそ真実があるかのように論じる人が少なからずいる。だが、彼らがネットには真実しか書かれていないと無条件に思っているならそれは大きな間違いだ。ネットには真実もあるだろうが嘘もたくさんある。勿論既存メディアが誤報・嘘を報じることもあるし、正しい事を書くこともある。つまり、メディアの種類だけを理由に手放しで書かれている・報じている内容を信用するのは大きな間違いだ。勿論メディアの種類だけを理由に内容を否定するのも大きな間違いである。
どんなに信用度が高そうなメディア・組織・人が発信する情報であっても、一度自分の頭で整合性に欠けていないか、充分な裏付けが行われているか等を判断する必要がある。特にネットで情報を発している個人の中には、もっともらしい言葉で表現することで、大した根拠もない話をそれらしく主張する人が少なからずいる。自分の頭でよく考えずに妄信してしまうのは、カルト宗教の信者になるのと似たようなものだ。多くのカルト宗教は信者の救済ではなく教団の利益や教祖や幹部の私利私欲を優先する。私利私欲は金銭的な利益の場合もあるし自尊心を満たすなどの場合もある。