スキップしてメイン コンテンツに移動
 

中共化する日本の政治と社会


 子どもの頃、日本は民主主義・自由主義の国で中国やソ連とは全く違う国だと思っていたし、敗戦経験があるので、再び戦前の日本が現実になることなど到底あり得ない、と信じて疑わなかった。つい10年前までその認識が変わることは全くなかったが、現在果たしてそう言えるかと言えば、例えば一昨日の投稿昨日の投稿で書いた、表現の自由が権力を持った人達によって蔑ろにされていることや、武田  邦彦氏そのまんま東氏のように、民族差別・偏見を平気で口にする人達がテレビに出演していること等を目の当たりにすると、自分が子どもの頃の日本とは大きく変質してしまった、日本は徐々に中国化、日本政府は中国共産党政権化していると思わざるを得ない。
 現政権の積極的な支持者には、嫌中・反共を主張する者が少なくない。何故彼らはこの状況を、つまり今の日本政府を積極的に批判しないのか不思議でならない。



  日本が、厳密に言えば、現在の政府と与党・自民党が、民主主義/自由主義を軽視し、徐々に中国化・中国共産党化していると感じる事案は他にもある。BuzzFeed Japanが昨日掲載した記事「「自分は何の容疑で捜査を受けたのか」不起訴になった男性が検察の対応を巡り人権救済を申立」の件もその1つだし、シリアで3年4ヶ月間拘束され2018年10月に開放された、ジャーナリストの安田純平さんが実質的な出国禁止処分にされていることも同様だ(東京新聞:安田純平さん、旅券が異例の5カ月「審査中」 家族旅行なのに「出国禁止状態」)。
 口利き疑惑が報じられた上野 宏史厚労政務官が適切な説明すらせずに、「政務官の立場にあることで誤解を招きかねない」などとして辞任したこと(口利き疑惑の上野宏史厚労政務官 辞任は「誤解招かぬため」 | ハフポスト)、更に、そんな不可解な説明であるにもかかわらず、上野氏が所属する自民党などで構成されている現政府の官房長官が、政府として積極的に責任を問う姿勢を見せていないこと(上野政務官辞任 政府は調査せず 官房長官:北海道新聞 どうしん電子版)も、現政権と与党が中国共産党化しているように感じる要因の一つだ。


 「上野厚労政務官が辞任 在留資格で口利き疑惑報道:日本経済新聞」によると、上野氏は「体調を崩し役所に出ることがままならない」とも説明しているそう。「戦争しないとどうしようもなくないですか?」という発言をして各方面から批判された丸山 穂高議員(5/16の投稿)も、批判された途端に適応障害だと言い出して逃げ回ったし、2016年に、上野氏同様に口利き疑惑が報じられた自民党の甘利 明・現選対委員長も、追及が始まった途端に睡眠障害だと言い始めて入院して逃れた(甘利氏、「睡眠障害」で1カ月休養 辞任以降、国会出ず:朝日新聞デジタル)。他にも似たようなことをする議員はいるのだが、国会議員というのは、都合が悪いことが起きると、都合よく体調が悪くなるような習性のある生き物なのだろうか。そして現在の政府や与党はそういうことを平気で許してしまう体質なのだろうか。なのだろうか?と疑問形で書いたが、「である」と断定しても問題ないだろう。
 因みに甘利氏は、復帰後も口利き疑惑について具体的な説明をしてもいないのに、党の選挙対策委員会という要職に就いている。更に、説明もしないでこんなツイートを連発している彼の態度は、党も一緒になって有権者を馬鹿にしているとしか思えない。有権者を馬鹿にしているのは甘利氏や政府・自民党だけではない。復帰後追及しないメディアも、その役割を果たしているとは到底言えず、同様に視聴者や読者を馬鹿にしているようにも見える。


 上野氏は辞任の理由を「誤解を招きかねない」としたが、「報道は誤解に基づくもので、その誤解を解消したい」と彼が考えているのならば、会見の場を設けるなどして誤解を解く為の説明をするのが一般的な対応だろう。誤解を招きかねないという理由で辞任すれば、「急にタイミングよく体調が悪くなったと言って辞任したのだから、余計に怪しい」と思われても仕方がない。辞任は更なる誤解を生じさせる。そんなことは小学校低学年の児童でも理解できるだろう。
 報道が事実と大きく異ならないのであれば、それは誤解ではなく正しい認識である。兎にも角にも、以下のような音声まで公表されているのだから「誤解だ」という説明自体が苦しい。そんな苦しい説明にもかからわず、積極的に責任を追及しないのだから、政府や自民党もグルだということだろう。つまり、政府や自民党は小学校低学年の児童でも分かることが分からない程度の判断力・認知力しかないということになりそうだ。
 自民党のそのような体質が表面化したのは決してこの件からではなく、彼らが都合の悪いことを有耶無耶にすることは、少なくとも自衛隊の度重なる日報隠蔽が発覚した頃から、財務省内での公文書改竄、厚労省の複数のデータ捏造・隠蔽など、7月の参院選前から明らかだったにもかかわらず、日本の有権者の多くは自民党に再び投票した、若しくは投票を棄権して実質的に自民党政権を信任した。ということは、多くの日本人が小学校低学年の児童と同程度がそれ以下の判断力・認知力しかない党・政権を信任したということでもあり、つまり日本の有権者の多くも小学校低学年の児童と同等かそれ以下の判断力・認知力しかないことになりそうだ。


 日本では一応民主的な普通選挙が行われいる。民主的な普通選挙で選ばれた政府は、有権者の写し鏡でもある。この投稿の冒頭で、この約10年間、徐々に日本の政治や社会が中国化しており、政府と与党が中国共産党化していると書いたが、何故そんなことになっているのかと言えば、勿論その直接的な原因は、都合の悪いことは有耶無耶にし、様々なことを強引に推し進める政府と、それと一体化した与党・自民党にあるのだろうが、民主的な普通選挙でその党が幾度も信任され続けているということを勘案すれば、日本の有権者の大半がそれを望んでいるとも言えそうだ。
 つまり、日本の政治や社会が中国化・中国共産党化している原因は、有権者にも確実にあるということだ。このままでは日本の政治や社会が中国のそれそのものになるかもしれない。もしかしたら更に悪く、北朝鮮のような政治や社会状況にだってなりかねに。また、民族差別や偏見を平気で撒き散らす人達や、それを制しようともしない政府のことを考慮すれば、ナチス政権化のドイツのような社会や政治が現実のものになってしまう恐れも、決してないとは言えないだろう。


 トップ画像は、ChickenonlineによるPixabayからの画像1画像2 を加工して使用した。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。