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Smells Like Teen Spirit をプンプンさせている日本の首相


 人生で初めて手に入れたCDはマイケル ジャクソンのBADだった。当時MCハマーとマイケルジャクソンが学校で流行っていて、自分はマイケル派だった。多分、ガンダムやアキラなどの近未来モノが好きだったこともあって、ディズニーランドで見たキャプテンEOの印象が強かったからだと思う(キャプテンEO - Wikipedia)。マイケル ジャクソンによって海外の音楽に興味を持ち始めた。

 1991年にはBADの次のアルバム・デンジャラスがリリースされた。アルバムに先駆けて、先行シングルとして Black or White が発売された。当時、今も放送されているテレビ神奈川のビルボードトップ40を毎週欠かさずチェックしていて、ブラックオアホワイトのミュージックビデオには、当時は新技術だった、人の顔が次々と変わっていくモーフィングという技術が使われていたのをよく覚えている。


 1991年は、マイケル ジャクソンのブラックオアホワイト以外にも重要な曲がいくつかある。C+C Music Factory の Gonna Make You Sweat (Everybody Dance Now) なども印象に残っている曲だが、


 絶対に外せないのは、ニルバーナの Smells Like Teen Spirit だ。今では誰もが知るカリスマ的存在のニルバーナと、そのフロントマンでボーカル/ギターのカート コバーンだが、彼らのメジャーデビューは1991年9月に発売された、アルバム・ネバーマインドからの先行シングルであるスメルズライクティーンスピリットだった。


 シングルとしてのスメルズライクティーンスピリットは6位が最高位だったが、同曲を含むアルバム・ネバーマインドは、1991年12月2週目から4週連続1位を記録したマイケル ジャクソンのデンジャラスを抑えて、1992年1月2週目に1位を獲得した。このミュージックビデオは、何度もテレビ神奈川のビルボードトップ40やその他の音楽番組(ソニーミュージックTVなど)で流された。
 スメルズライクティーンスピリットは、自分がハード系ロックに興味を持ち始めた曲の1つだ。そう言えば、1991年は大ヒットした映画「ターミネーター2」が公開された年でもあり、その映画の主題歌が You Could Be Mine だったことで、ガンズアンドローゼスも学校でかなり流行っていた。


 スメルズライクティーンスピリットは、直訳すると「10代の香り」なのだが、同曲のWikipediaでは、
曲名は、1990年当時の友人、ビキニ・キルのキャスリーン・ハンナ(Kathleen Hanna)に、「カートはティーンスピリット(デオドラントの名前)の匂いがする(Kurt smells teen spirit)」と落書きをされ、そのデオドラントを使っている、同じくビキニ・キルのトビ・ヴェイル(Tobi Vail)と付き合っていることを揶揄されたのを気に入って使った
と紹介されている。 ざっくり言うと、10代女子向けの制汗剤(日本で言えば8×4みたいな)の匂いがする、もっと言えば、思春期丸出し/童貞感アリアリ みたいな感じだろうか。歌詞の内容は結構抽象的な感じだが、それでもところどころに典型的な10代の思考を連想させる文言があるし、ミュージックビデオにも人気者にはなれない10代学生の妄想的な印象がある。
 日本のスラング・中二病と同種と捉えてよいのかどうかは定かでないが、自分には似たようなニュアンスが感じられる(中二病 - Wikipedia)。


 狭義の中二病の定義の範疇にはないかもしれないが、テスト勉強を始めるつもりが、「まず部屋を整頓しないと…」なんて考えておもむろに部屋掃除を始め、その際中に気になる古雑誌を見つけて読みふけってしまい、結局勉強が疎かになる、なんて経験がある人も少なくないはずだ。これも中学生にありがちな行為だろう。
 部屋の掃除意外にも、「机が狭くて勉強し難い」「書きやすいペンがないから勉強できない」「お腹が減ってると集中できないのでとりあえずコンビニに行ってこよう」など、何かにつけて勉強しない口実を作り、テスト勉強が疎かになるというのも、中学生、特に学校にも慣れだした1年の後半から2年の前半あたりにありがちなことだ。

 昨日・5/3は憲法記念日だった。安倍は毎年この日に、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」なる団体にビデオメッセージを出す。今年は、新型ウイルス感染拡大を前提に、今の憲法では緊急時に対応する規定が不足しているとし、緊急事態条項について国会で議論を進めるべきだと主張した。

緊急事態下の憲法記念日 総理「条項の議論すべき」

“緊急事態条項”国会で議論を…安倍総理メッセージ


 そもそも、憲法に最も縛られるべき、国で一番の権力者・総理大臣という立場で改憲を推進すること自体が言語道断だ。以前から安倍は改憲を呼び掛ける時は「自民党総裁」の肩書を使う。都合よく立場を使い分けているつもりかもしれないが、昨年・2019年12/9には、首相としての会見で「憲法改正はたやすいことではないが、私の手で成し遂げていきたい」と述べており(2019年12/10の投稿)、最早そんなのは建前に過ぎないことは明白である。

 一体自民党が求める緊急事態条項とはどんな内容か、どれだけの人が気にしているだろうか。把握しているだろうか。これについては、憲法学者・木村 草太さんが2016年に書いた記事「緊急事態条項の実態は「内閣独裁権条項」である - 木村草太|論座 - 朝日新聞社の言論サイト」を読んでみるといいだろう。
 既に新型ウイルス感染拡大の峠を超えたと思われる状態の国は決して少なくない。だが、それらの国のうち、自民党が求めるような緊急事態条項を設けている国がどれだけあるだろうか。設けている国もあるが、そんな強権を行使した国がどれだけあるだろうか。
 最も身近な例は韓国だ。韓国 国家緊急権で検索するとその考察が多数ヒットする。だが、今回の新型ウイルス感染拡大への対応にそんなものは用いられなかった。

ロックダウンせず感染抑制の韓国 韓国人自身が考える6つの理由 | 文春オンライン

韓国は国際社会で今、世界で唯一、ロックダウンせずに感染を抑制できている国として注目を集めてもいる。なぜ抑制できているのか、その理由として真っ先に挙がるのは大規模な検査だ。日本も韓国のドライブスルー方式での検査を検討中と報じられたが、欧米では韓国の検査方法をすでに導入しているところも多い。
そして、既に状況は収束に向かっているようで、明日・5/5にも外出自粛”要請”(あくまで要請で制限ではなかった)も解除するらしい。

韓国、外出自粛要請を今月5日に解除|TBS NEWS


 すぐ隣にそんなお手本があるのに、日本の総理大臣にはそれが目に入らない。だから、

 憲法改正して緊急事態条項がないと対応できない!

なんて、まるで「机が狭くて勉強し難い」「書きやすいペンがないから勉強できない」「お腹が減ってると集中できないのでとりあえずコンビニに行ってこよう」など、勉強できない理由を無理矢理作り出して、勉強しない自分を正当化しようとする中学生と同レベルのことを平気で言ってしまう。


 感染防止効果が全然期待できない布マスク2枚すらまともに配れない、こんな中二病丸出しのオッサンにまともな政治が期待できるだろうか。できるはずがない。そんなオッサンに憲法をいじらせるなんて危険極まりないことではないだろうか。改正でなく改悪をするとしか思えない。

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