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24時間年中無休でエイプリルフールな日本

 24/7 : twenty-four/seven という表現がある。24は24時間。7は1週間毎日を意味し、24時間毎日ずっと を表現している。コンビニエンスストアのような24時間年中無休営業を指す時にも使われるし、日本語で言う「四六時中」を示す場合にも使われる表現だ。


 4/1は言わずもがなエイプリルフールで、嘘を吐くことが許される日だ。エイプリルフール - Wikipedia によれば、その起源は諸説あり、詳しくはよくわからないのだそうだ。日本には大正期に欧米のエイプリルフールが伝わったとされているが、江戸時代に中国から伝わったという説もある。そもそも嘘が許されるという風習なので、その起源についてもいい加減なことを言って人を欺こうとする人が多くいて、だから事実が有耶無耶になってしまったのかもしれない。


 2019年4/2は「4/1だけでなく年中エイプリルフールの国になっている日本」というタイトルだった。当時の安倍自民党政権は、現首相で当時は官房長官だった菅も含めて、既に嘘まみれだった。だからそんなタイトルの投稿を書いた。
 それから2年、その状況に拍車がかかってしまっている。安倍は政権を投げ出したが、本人は持病悪化を理由にしているものの、2019年臨時国会/2020年通常国会で118回以上も繰り返した、桜を見る会問題に関する虚偽答弁が明るみになる前に逃げたのだろう。そして後釜にその嘘まみれ政権の官房長官だった者が就いたのだから、状況が悪化するのも当然だ。その嘘まみれ政権を基本的に踏襲すると明言していたのに、そんな者を党代表/首相に選ぶ党もどうかしている。
 但し、エイプリルフールで許されるのは、人に(深刻な)迷惑をかけない嘘に限られるので、厳密に言うと、自民政権下の日本は「年中エイプリルフール」とは異なるだろう。当然ながら、エイプリルフールなら虚偽答弁が許される、なんてことはないし、欺瞞に満ちた政策でもエイプリルフールに発表/実施したら許される、なんてこともない


 首相の菅は、コロナ対策の特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を一部自治体に適用する方針を示した。数日前に、人口で劣るにも関わらず、大阪が新規感染者数で東京都を抜いた。府知事の吉村はその原因を「緊急事態宣言の解除」だとしたが、大阪府の早期解除を要請したのは吉村で、解除したのは菅である。で、その吉村が「まん延防止等重点措置」適用を政府に求め、菅がそれを決定した(厳密には本日・4/1に正式決定する)という話だ。
 まん延防止重点措置とはなんなのか。「「まん延防止」1日決定、菅首相が表明 大阪に初適用、宮城・兵庫も調整:時事ドットコム」には、

緊急事態宣言に準じた対応が可能となるまん延防止措置の適用は初めて。政府は関係府県と協力して感染封じ込めを目指す。

とある。つまり、まん延防止等重点措置とは大雑把に言えば緊急事態宣言なのだ。菅が緊急事態宣言を全面的に解除したのは3/21のことだ。それからまだ2週間も経っていないのに、もう次の緊急事態宣言が必要になっている。そもそも3/21の時点で、新規感染者数は既に増加に転じていたのに、なぜ緊急事態宣言を解除したのか。聖火リレーの開始に対する批判を避ける目的、やってもOKというお墨付きを与え、メディアに宣伝させる為だったとしか思えない。
 菅は緊急事態宣言を解除すると決めた理由について、

目安とした基準を安定して満たしており、本日、解除の判断をした

と述べていたが(菅首相、宣言全面解除を判断「基準を安定して満たした」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル)、解除から2週間も経たずに同様の措置が必要になるということは、解除の目安がそもそも不適当だったとしか言いようがない。菅は、感染拡大に繋がるという批判を無視して安倍政権時に始めたGotoキャンペーンを、自身が首相になっても継続し、その結果昨年末の感染拡大を招き、そして1月に緊急事態宣言を出した。つまりこれで、菅政権のコロナ対応に関するあまりにも明白な失策は2度目ということになる。

 緊急事態宣言と大差ない対応を、まん延防止重点措置と呼称していることには大きな嘘がある。まず、内容は大差ないのに呼称を変えることで、何か新しい対応をしているかのような嘘、そして、もう既に蔓延状態にあるのに、まん延防止と呼称することで、あたかも感染症の蔓延がまだ起きていないかのように見せかけ、これまで蔓延を防いできたと印象付ける為の嘘だ。それを自作自演と言われないように懇意の大阪府知事と連携し、あくまで要請に応えるという形式をとっているのも、嘘の類だろう。

 
 「それだけじゃ自民政権は年がら年中嘘まみれとはいえないじゃないか」という声も聞こえてきそうだが、例えば、自民政権が掲げる女性活躍という看板が如何に羊頭狗肉か、も実状が物語っている。
 自民政権の女性活躍という看板は少なくとも2013年には既に掲げられていた。しかし、2018年6月に「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」所謂 候補者男女均等法が成立したにも関わらず、罰則や義務のない理念法であることにつけこみ、成立後初の国政選挙から、自民党はそれを無視し続けている。

いつまで「検討」を続けるのか?衆院選、女性候補の擁立目標を全政党に聞いた【ジェンダーギャップと政治】 | ハフポスト

 24時間年中無休でエイプリルフールな、息をするように嘘を吐く政治家や党に政権を預けるということは、日本の有権者、つまり日本人は、嘘容認する民族性・国民性だと認めることだ。そんな状況が続けば、政府だけでなく国民も、日本人というだけで嘘吐きで卑怯で姑息というレッテルを貼られることになりかねない。勿論日本人であるというだけでそんなレッテル貼りをすることも不適切であることに違いはないが、自らレッテル貼りされる原因をつくる必要もない。

 

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