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感染を抑止する効果のない広告に税金を使った責任は?

 動物は決して嫌いじゃない。2020年1/27の投稿で触れた、Youtubeで最も多く視聴された動物として、2016年にギネス世界記録に認定された「まる」のアカウントをフォローし、欠かさず投稿動画を鑑賞している。しっかりと面倒をみる覚悟がないから自分で飼おうとは思わないが、どちらかと言えば好きな方だ。


 この数日、森永のコーヒー飲料・Mt.RAINIER の広告がYoutubeやツイッターで頻繁に表示される。同種の商品の中で老舗の存在であり、自分もノンシュガータイプをよく飲む。だから商品自体には悪い印象はないが、その広告「深い癒やしパッケージ 動物園×マウントレーニア」には良いイメージを持てない。寧ろ悪いイメージを覚える。

 内容に、何か不適切な表現があるわけではない。しかし「コロナ疲れでお前らストレス溜まってるんだろ?どうせお前らこういうので喜んぶんだろ?」と、したり顔で動物の子どもの画像/映像を見せられているように感じてしまう。
 そう見えてしまうのは、新型コロナウイルス感染拡大が一向に収まらないこと、政府や一部自治体が、オリンピックを優先して妥当な対策をせず、市民に自粛ばかり求めてくること、罰則までチラつかせて脅してくること、そのくせに「私たちはすべきことをやっている」ヅラすることによって、つまり所謂コロナ疲れでストレスが溜まっており、心が狭くなっているからかもしれない。

 また、コロナ危機以前から高まっているメディアにおける広告の質の低下によって、少なくとも自分にとって広告全般の印象が悪化していることも、この森永の広告にも嫌悪感を抱いてしまう理由かもしれない。動物の子どもを見てストレスを解消するのは単なる現実逃避でしかないし、そもそもコーヒー飲料と動物の子どもにどんな関係があるのか。だから「どうせお前らこういうので喜んぶんだろ?」と感じられてしまうという面もある。
 もう殆どテレビ自体を見なくなったが、テレビも地上波のゴールデン/プライム帯を除いて、健康や美容、老後の蓄えなどの不安を煽る詐欺まがいのCMが氾濫しているし、新聞も、近頃は最も酷かった時期よりはマシだが、ヘイト本の広告を大々的に載せていた。YoutubeでもしばしばヘイトスピーチCM、健康等の不安を煽る系CMが表示されるし、ツイッターでは米軍事産業の広告や政府のプロパガンダ広告が頻繁に表示される。これではどんな広告も怪しく感じられて当然だし、出演しているタレントや俳優にすらいいイメージを持てない。


 政府のプロパガンダ広告と言えば、首相の菅は、緊急事態宣言の延長に関する3/5の会見の中でテレビCMやSNS、動画を使って、「若者をはじめ幅広い層に対して、宣伝をコマーシャルを従来より倍増ぐらい徹底する」と述べた。

菅首相、コロナ対策の切り札?「コマーシャルを倍増」 新たな対策は乏しく :東京新聞 TOKYO Web

 その言葉の通り、先月から今月初めにかけて、Youtubeやツイッターで頻繁に政府のプロパガンダ広告が表示されていた。果たしてその広告にどれ程効果があったか。結果は誰もが今実感している通りで、感染者数の増加は防げないどころか今も悪化の一途を辿っており、聖火リレーの開始に合わせて先月下旬に解除した緊急事態宣言を、再び出すような状況である。つまり、広告に感染を抑止する効果はなかったということだ。単に「我々はすべきことをやっている」という印象を醸す為の、現政府と与党の選挙対策、プロパガンダ広告だったとしか思えない。
 かなり頻繁にプロパガンダ広告が表示されていたが、それに一体どれ程の予算が割かれたのか、懇意の広告代理店にどれだけの税金を流したのか。感染を抑止する効果のない広告に金をつぎ込んだ責任は一体誰がとるのか。誰も責任など取らない。責任なんて誰も果たさないのが、前首相の安倍から続く今の自民政権の悪しき伝統になっている。


 責任を取らないということは、失敗を見つめ直さないのと同じであり、だから何度も何度も同じ失敗が繰り返され、同じところをぐるぐると回ることになる。そんな政治を許してきたのは日本の有権者だが、そろそろ目を覚まさないと、眠りから覚めた頃には身ぐるみ全部剥がされているなんてことにもなりかねない。4/25の投稿でも書いたが、尻に火がついて初めて何か始めるようでは手遅れだ。


 トップ画像には、super-mapioによるPixabayからの画像 を使用した。

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