「この町で俺にかなうものはいない。俺は王様だ。さからうものは死けい! アハハ。いい気持ちだ」はドラえもんのガキ大将キャラ ジャイアンの強引・横暴さを象徴するセリフである。その手のセリフの中では「おれのものはおれのもの おまえのものも おれのもの」が特に有名で、そのような強引・横暴な姿勢は、彼の名に因んで「ジャイアニズム」と言ったりもする。
昨日(5/21)、東京五輪・パラリンピック組織委員会などとの合同会議終了後の記者会見で、緊急事態宣言下でも大会を開催するか問われたIOC副会長のコーツはYESと答えた。
IOCコーツ氏、緊急事態宣言下でも五輪「答えはイエス」:東京新聞 TOKYO Web
コーツがこのようなことを言うのは決してこれが初めてではない。少なくとも昨年・2020年9月の時点で、「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)にかかわらず来夏に開催される」と言っていた。
コロナにかかわらず来夏開催 東京五輪でIOCコーツ氏:時事ドットコム
2020年9月、AFP通信の電話インタビューの中で、コーツは「コロナがあろうとなかろうと開催される。来年7月23日に始まる」と述べたと報じられている。これらの発言は所謂ジャイアニズム以外のなにものでもない。
4/15、都知事が感染拡大を理由に「東京に来ないで」と言っていたが、それから状況は殆ど変わっていない。日本全体で見ればむしろ悪くなっている。そして2か月後に劇的に状況が好転するとも思えないし、多少好転したところで対応を軟化させれば、昨年と再び同じことが繰り返されることは、小学生でも予想できることだ。
更に、あちらこちらの医療機関が既にキャパシティーを超えていて、行政やメディアが自宅療養と称する、実質的な診療放棄が既に多発しており、複数の医療関係者から五輪は無理・止めてという声が上がっているのに、なぜIOCから「緊急事態宣言下でも大会を開催する」という話が出ても、組織委も都知事も首相も担当大臣も、誰も異論を呈さないのか。ハッキリ言って狂っているとしか言いようがない。
今年の1/2に、東京五輪は、復興五輪でも、ウイルスに打ち勝った証でも、世界の団結の象徴でもなく、単に「何が何でもやりたかったことの証」にしかならないという趣旨の投稿を書いたが、まさに何が何でもやると言っているに過ぎない。
そんな人でなし五輪に一体誰が希望や喜びなど感じるか。オリンピックのイメージを決定的に悪化させる結果にしかなるはずがない。