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MotoGP、日本戦 ”だけ” が中止に

 MotoGPの2021シーズンカレンダーから日本開催が除外された。MotoGPやEWC(バイクの耐久世界選手権)、アジアロードレース選手権、アジアタレントカップなどの2021年のスケジュールについては、4/18の投稿でも書いていた。


 その時点で、2020年11月に発表されたアジア選手権の2021暫定カレンダーから、例年開催のうち日本だけが除外されていたこと、EWCの1戦である鈴鹿8耐の開催が、3月の時点で7月から11月開催延期が決まっていたこと、MotoGPも、当初4月に開催が予定されていたアメリカ戦とアルゼンチン戦について、感染状況が芳しくないことを理由に、1月の時点で無期延期となっていたことなどを踏まえ、場合によっては日本開催も昨年同様に中止になる恐れがある、と書いた。


 数週間前に、MotoGP中継でコメンテーターを務める芸人・チュートリアルの福田 充徳が、他のバイク好き芸人らとやっているYoutubeにて、日本はオリンピックもやるし開催出来るんだけど、タイやマレーシア、オーストラリアなど他のアジアラウンド開催国がまだ煮え切らなくて、ドルナ(MotoGP運営をFIMより委託されている企業)が、日本開催だけの為にアジアへ移動するのを渋ってるらしい。日本開催は他のアジアラウンド開催国次第、のようなことを言っていて、「ん???」と引っかかった。
 日本では、少なくとも今年・2021年に入って緊急事態宣言を出さざるを得ない状況になってからは、オリンピック開催の妥当性についてかなり強い疑義が示されていたし、3月からは聖火リレーを強行することの不合理もあちらこちらで指摘されていたのに、オリンピック開催するからMotoGPの日本戦も出来る、のようなことをよく平気で言えるな、という感しかなかった。
 福田の話が、番組関係者か、日本のMotoGP、若しくはバイクレース関係者からの受け売りなのか、福田自身の主観だったのか、その辺のところは定かでないが、福田の立場上、関係者が情報筋の可能性は高く、真偽は別としても、日本でMotoGPの放映権を持つ日本テレビの番組関係者の間では、そのような噂がまことしやかに囁かれていたのだろう。

 福田の話が概ね事実だったら、日本開催だけでなく、タイやマレーシア、オーストラリア、そして開催予定のレースのどれかが中止になった際の代替開催候補として発表されているインドネシアも、つまりアジアラウンド全体が、昨年同様中止されたはずだ。他のどこかが中止になることはあっても、日本だけが中止になるのは辻褄が合わない。

 だが、昨日開催中止が発表されたのは、日本戦だけだった。

 福田の話が概ね間違っていなかったら、日本開催だけが中止になることはなかっただろう。勿論、福田がそれをYoutubeで喋った当時、若しくはその直前あたりまでは、本当にMotoGP運営にそのような認識があったが、そこから昨日までの間に認識が変化した可能性も否めないが、福田を含む日本の関係者の認識がおかしかったんだろうと推測する。

MotoGP日程変更。日本GPが中止、タイGPが1週間延期、アメリカズGPは開催へ | MotoGP | autosport web

 開催中止が発表されたのは日本だけ。タイは、無期延期になっていたアメリカが直前に開催されることになった為に1週ずれた。アルゼンチンは、新型コロナウイルス感染状況が今も全般的に芳しくない南米にあり、アメリカと共に無期延期となっていたが、まだ中止は発表されていない。
 ただ、昨日新たに発表されたスケジュールはもうパンパンなので、他に新たな開催中止が出ない限り、感染状況に関わらず恐らくアルゼンチンは中止になるだろう。


 日本開催が中止になったのは、アメリカ開催がタイの直前に入ったことで、スケジュール的にアジアラウンドをどこか一つ削る必要があったから、とも考えられる。しかしもしそうだとしても、なぜアジアラウンド4戦(タイ/マレーシア/オーストラリア/日本)の中から日本が中止に選ばれたのか
 現在、世界で最もホットなバイク市場は東南アジアである。特にタイとマレーシアは、東南アジアの中でも比較的裕福な国で、バイクレースも盛んだ。感染状況が深刻でなければプロモーション的に外すことはできないと判断されるだろう。残るは日本とオーストラリアの2択である。日本は、現在MotoGPに参戦しているメーカー6社のうち3社(ホンダ/ヤマハ/スズキ)を擁する国だ。オーストラリアと日本を天秤にかけたとして、順当に考えれば、日本の方が選ばれる、というのは決して不自然な推測でない。
 つまり、オーストラリアと日本の感染状況・対応を比較して、日本への不信感が拭えないから日本開催が中止された、と考えるのが妥当だろう。世界的なスタンダードに反して、今もまだ、感染状況を厳密に把握するための積極的検査が行われていないだけでなく、ワクチン接種状況も、先進国では飛びぬけて悪く、にも関わらずオリンピック開催をゴリ押しして、安心だ安全だと、具体的な根拠もなく強引に言い張る国が、信用されず真っ先に切られるのも当然だ。


 しかも、この日本戦中止発表の直前には、オリンピックの為に来日したウガンダ人選手の感染が発覚したが、日本は濃厚接触者である他の同国選手らを隔離せずに大阪まで移動させた。更に言えば、ウガンダの選手らと同じ飛行機に似り合わせた人達も濃厚接触者と認定されていない。こんな杜撰な対応も、もしかしたらMotoGP日本戦中止決定の決定打だったのかもしれない。
 この話にはまだ続きがあって、感染が発覚したウガンダの選手2名の他にも、オリンピックの為に既に日本へ入国した選手や関係者のうち4名に感染が確認されていたのに、内閣官房や大会関係者などはその事実を伏せていた

隔離免除の特例入国 感染者さらに4人判明、計6人に 東京五輪 | 毎日新聞

 現政権下では明らかに隠蔽捏造改竄が横行しており、やっぱりやってるな、という感しかないが、これで一体何が ”安心” ”安全” なんだろう。最早安心安全なんて、何の意味もないおまじないのレベルだ。政治がおまじないをやり始めたら終わりである。
 そんな国が信用されるわけがない。バイクレースファンとして非常に残念だが、MotoGPの日本開催が中止になるのも当然だ。日本開催中止を残念に思うのなら、来年こそは開催を望むというのなら、今の政府与党をなんとかしないとならない。

 MotoGP日本ラウンドが中止になったのは、国外から信用されない対応をやる政府与党の所為

である。



 トップ画像には、拒絶するビジネスパーソン – イラストストック「時短だ」と、短パン男 – イラストストック「時短だ」を使用した。

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