スキップしてメイン コンテンツに移動
 

官僚主導から政治主導へ変わり、余計に増えた捏造や隠蔽

 伏魔殿とは悪魔の殿堂という意味だ。殿堂とは立派な建物という意味で、簡単に言えばお屋敷だ。また、ある分野において中心的・象徴的な存在である建物の意もある。悪魔のお屋敷、悪魔の中心的な建物、が伏魔殿のニュアンスで、悪魔によって陰謀、悪事などが絶えず企てられている所が伏魔殿である。

 前首相の安倍が、自身の公選法違反を疑われた桜を見る会問題に関して、国会で100回以上も虚偽の答弁を繰り返した挙句、それがばれると秘書の所為にして言い逃れ、検察も不起訴とした。それ以外にも現自民党政権下では頻繁に隠蔽・捏造事案が起きていて、まさに官邸は政界の伏魔殿、いや日本の伏魔殿と言っても過言ではない状況だ。


 そんな官邸や政府、そして権力者に甘い警察や検察を見ていて思った。三億円事件とかグリコ森永事件、世田谷一家殺害事件などが、あれ程いろいろ手がかりがあるのに未解決なのは、誰か権力者に近しい者が犯人で、隠蔽されているからなのでは?と。 不信というのはそういう疑心暗鬼も生む。

 Wikipediaには未解決事件がリスト化されている。海外の事件も混じっているが、昭和以降は日本の未解決事件を中心にまとめられている。その全てが前述の疑惑に該当するかと言えばそんなことはないが、他にもそうなんじゃないか?と疑いたくなる事件はある。
 例えば、赤報隊事件は、赤報隊を名乗る犯人が、朝日新聞社や江副浩正リクルート会長宅、愛知韓国人会館を襲った事件だ。中曽根康弘・竹下登両元首相脅迫事件も同一犯とされているが、その件だけ実害がない。首相脅迫はカモフラージュと考えると、与党か政府に近しい者の犯行、直接的関係はなくても、与党や政府に与する犯行だった為、未解決事件にされた、とも疑いたくなる。


 現自民党政権下で捏造・隠蔽事件が多発しているから、という理由だけでは、過去の自民党政権下でも捏造や隠蔽が行われていたは言えないのでは? と考える人もいるだろうが、幾多の公害・薬害問題などで、過去の自民党政権下でも責任を逃れる為の隠蔽や捏造は行わてきた。9/19の投稿で書いたように、1955年以降、自民党以外の政権は、1994年4月から1995年8月と、2009年9月から12年12月までの民主党政権だけ、つまりたった4年強だけである。戦後日本で起きた捏造・隠蔽事案のほぼ全てが自民党政権下で起きていると言える。

 自民党政権だから捏造・隠蔽が起きたのか、それとも日本の政治機構自体が捏造・隠蔽体質で、いや日本が全般的に捏造・隠蔽体質な国民性なのか、それは何とも言えないが、しかしこれまでの自民党政権下で複数の捏造や隠蔽が発生している、ということは間違いない。時の政権はその時の行政に責任を負う立場であり、たとえ官僚主導で捏造や隠蔽が行われてきたのだとしても、それは管理ができていないということであり、責任は免れない。
 これまでは、殆どの隠蔽が官僚主導で行われた、という可能性もあったが、現自民党政権は政治を官僚主導から政治(政権)主導に変える、変えた自負しており、人事権を掌握した上でこれまで以上に捏造や隠蔽が横行しているわけだから、これまでの捏造や隠蔽も、官僚主導ではなく時の政権が強く介入して行われていた恐れを危惧するのは、決して不自然なものの考え方ではないだろう。


 政治は誰がやっても同じ、だから消極的に自民を選ぶという人に未だに出会う。だが変化を求めなければ同じ現実が続き、伏魔殿はいつまでもそこにあり続ける。現野党が自民と結果的に同じなら、その時また首を挿げ替えればいい。


このブログの人気の投稿

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになる

 攻殻機動隊、特に押井 守監督の映画2本が好きで、これまでにも何度かこのブログでは台詞などを引用したり紹介したりしている( 攻殻機動隊 - 独見と偏談 )。今日触れるのはトップ画像の通り、「 戦闘単位としてどんなに優秀でも同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。組織も人も特殊化の果てにあるものは緩やかな死 」という台詞だ。

フランス人権宣言から230年、未だに続く搾取

 これは「 Karikatur Das Verhältnis Arbeiter Unternehmer 」、1896年ドイツの、 資本家が労働者を搾取する様子を描いた風刺画 である。労働者から搾り取った金を貯める容器には、Sammel becken des Kapitalismus / 資本主義の収集用盆 と書かれている。1700年代後半に英国で産業革命が起こり、それ以降労働者は低賃金/長時間労働を強いられることになる。1890年代は8時間労働制を求める動きが欧米で活発だった頃だ。因みに日本で初めて8時間労働制が導入されたのは1919年のことである( 八時間労働制 - Wikipedia )。

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

馬鹿に鋏は持たせるな

 日本語には「馬鹿と鋏は使いよう」という慣用表現がある。 その意味は、  切れない鋏でも、使い方によっては切れるように、愚かな者でも、仕事の与え方によっては役に立つ( コトバンク/大辞林 ) で、言い換えれば、能力のある人は、一見利用価値がないと切り捨てた方が良さそうなものや人でも上手く使いこなす、のようなニュアンスだ。「馬鹿と鋏は使いよう」ほど流通している表現ではないが、似たような慣用表現に「 馬鹿に鋏は持たせるな 」がある。これは「気違いに刃物」( コトバンク/大辞林 :非常に危険なことのたとえ)と同義なのだが、昨今「気違い」は差別表現に当たると指摘されることが多く、それを避ける為に「馬鹿と鋏は使いよう」をもじって使われ始めたのではないか?、と個人的に想像している。あくまで個人的な推測であって、その発祥等の詳細は分からない。