スキップしてメイン コンテンツに移動
 

Trick or Vote / 投票しないと好き勝手やるぞ

 2021年10/31は、例年のようにハロウィーンであり、そして49回目の衆院選投開票日でもある。英語圏におけるハロウィーンは、子どもがおばけに扮して、お菓子をよこせ、さもなくばいたずらするぞ、と隣近所を回るイベントだ。日本ではその内のおばけに扮するという部分が強調されている。

 英語圏の、子どもたちがお菓子を貰う為に…というのも、厳密言えば、アイルランド・ケルト人にとってのお盆のような元来の意味合いとは異なるものであり、10/25の投稿でも書いたように、日本で仮装の部分だけが抽出されていることに苦言を呈するつもりはさらさらない。

 日本人があらゆる外来文化を自分達なりに解釈して、本来の姿とは別のものにしてしまうのは、なにもハロウィーンに限ったことではない。クリスマスだって英語圏じゃ主に家族と過ごす日なのに、日本では恋人と過ごす日みたいになっているし、バレンタインデーも日本的にアレンジされている。また、イタリアにはないパスタ料理・ナポリタン、中国では一般的でない焼き餃子も日本独自のアレンジだし、オムライス、ドリアなども日本人が欧米の料理を独自にアレンジしたメニューだ。多くの日本人が和食と信じて疑わない天ぷらだって、ポルトガル経由で伝わったと思われるフリットを日本流にアレンジした料理、だと言われている。
 外来文化を自分達なりにアレンジするのは何も日本人に限ったことではなく、伝わった先で独自の進化を遂げた文化は世界中に無数に存在する。そうやって文化は広がりを見せるものだ。


 英語圏のハロウィーンでは、「お菓子をよこせ、さもなくばいたずらするぞ」の意を込めて、子どもたちが ”Trick or Treat” と言って隣近所を回る。Treat が、自分達をもてなせ・(お菓子を)施せ、に当たり、Trick が、悪さをする、という意味になっていて、つまり、お菓子をよこすか、悪さをされるか、みたいな構造になっている表現だ。
 冒頭でも書いたように、日本では2021年の10/31は衆院選の投開票日でもあり、Trick or Treat ならぬ Trick or Vote だな、と思って今日のトップ画像を作った。投票率が低いと政治家は有権者を無視して好き勝手やり始める傾向があり、悪さ、と言うと少し極端だが、「投票しないと好き勝手やるぞ」みたいなニュアンスだ。

 画像を作り終えた後に、もしかしたら英語圏では他のニュアンスで Trick or Vote という表現が使われているかもしれない…と心配になって調べてみたところ、実際に Trick  or Vote という文言で投票を呼び掛けることが少なくないようで、仮装して投票に行こう、投票を楽しもうみたいなキャンペーンを行うケースもあるようで安堵した。

Trick or vote - Google 検索

 少しでも投票率を上げたいなら、日本でもこのような試みをやればいいのに、とも思ったが、投票日の2日前になってそれに気づいた自分も大して変わらないから、人のことを言えるような立場でもないな、と思った。


 自分は昨日、期日前投票を済ませてきた。このブログの他の記事を読んでもらえば分かるだろうが、自民政権に強い不信感と不満を持っているので、当然それと対立する側に投票してきた。ただ、自民党の公約に全く目を通さずに判断を下すのも公平ではない、と思い、投票前に自民党のサイトにも目を通してみた。

政権公約|「新しい時代を皆さんと ともに。」 2021年 第49回衆議院総選挙|自由民主党

 自民党の公約を見て、強く感じるのは、8年間も政権の座にいるのに一体何をしてきたの?ということだ。今回の公約も前回・2017衆院選の公約と比べてもあまり代わり映えしない(2019年5/12の投稿)。自民党が野党で、積極的に政策を実行できる立場にないなら、前回とあまり変わらない公約を掲げていてもそんなにおかしくない。しかし、政権の座にあって主導的に政治を動かせるのに、前回と代わり映えしない公約を掲げているのなら、その間何をやっていたのか、ということになる。新型ウイルスに関する公約は前回にはなかったものだが、それにも、今更?今まで何を?という感を強く覚える。

 自民党関係者の演説なども少し見てみたが、みな言っていることがフワフワしていて、自民党に投票すると有権者にどんな具体的なメリットがあるのかが全然伝わってこない。わずかに出てくる具体的な話も、前述のように、政権の座にあるのに何でこれまでやってこなかたの、なぜ実現させられていないの?という感しかない。
 自民党に投票するとどんなメリットがあるのか、具体的に説明できる人、というのが誰かいるんだろうか。少なくとも自分には、自民党所属政治家、その支持者、政治に関わる報道の中にそれを見つけることができなかった。



 トップ画像には、イラストストック「時短だ」 – 時短に役立つ素材サイト の素材を使用した。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。