20ドル紙幣などに倣って、2000年に新たに二千円札が設定された。今も発行されてはいるものの、自販機などが対応しなかったことで不便、最近はキャッシュレス化が進んでいる、などの理由から、お札のデザインとして使用されている守礼門がある沖縄以外では殆ど見かけることがない。
なので、最近の若い人には二千円札の存在自体を認識していない人も少なくないそうだ。ならば五百円札なんて今の20代以下は殆ど知らないんだろう。
五百円硬貨が設定されたのは1982年だそうで、自分が物心ついた頃は既に五百円硬貨があった。五百円札の発行は1985年まで行われていたそうで、幼い頃にお年玉を五百円札でくれる人がいた記憶がある。幼いながらに硬貨よりも紙幣の方が価値が高いという認識はあって、五百円玉を貰うよりも五百円札の方が
”お金を貰った”感があったのを覚えている。
更に古くは百円札もあって、1972年まで発行されていたそうだが、1957年には百円硬貨の発行が始まっている。自分は流石に百円札が市中で流通しているのは見た記憶がない。
日本銀行がこんなツイ―トをしていて、ふざけてるな、と思った。これは2024年に流通が始まる予定の新紙幣デザインを紹介するツイートだ。2019年4/12の投稿でも触れたが、前天皇の退位による元号の変更に合わせ、前回紙幣デザイン変更時の2年3ヶ月前の発表、前々回の3年4ヶ月前の発表よりも大幅に早い、5年も前にこの新紙幣についての発表があったことなど、安倍自民政権が新紙幣を政治的に利用した印象がとても強い為、この新紙幣には全く良いイメージがない。
「紙幣デザイン刷新 どう変わるの なぜ変わるの」(くらし☆解説) | くらし☆解説 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室
- 今回の紙幣刷新は、麻生財務大臣が主導
- 財務省は水面下で、肖像の候補を絞り込み、複数の案を提示。最終的に、3月下旬から4月初めに、麻生大臣と安倍総理大臣の二人で決めた
- 新紙幣の公表時期というのは、元号と同様、やはり政治決断
- 来月1日の新元号「令和」のスタートを前に、紙幣のデザイン刷新を発表することで、国民の気分を一新し、新しい時代を盛り上げる政治的効果を狙った側面もあるのではないか
そして安倍政権発足当初掲げた物価上昇率2年で2%の公約は、達成できずに何度も達成時期延期を繰り返し、ついには有耶無耶にして現在に至るが、当時から日銀総裁である黒田は責任を負うこともなく今も日銀総裁に居座っている。その所為もあって「じゃーん!」が余計にふざけているように感じられた。
日本は戦後これまでおよそ20年毎に紙幣を新しくしてきたそうだ。前回の変更は2004年、前々回は1984年だったので、今回の変更もその流れを汲むものであり妥当なんだろう。しかしそう思う反面、キャッシュレス化を進めると言っている一方で、深刻な偽造問題があるわけでもないのに、新紙幣発行に予算を割く必要があるのか、という気もする。しかし、キャッシュレス化が今後進んだとしても、災害などによって電力や通信が不安定な状況になれば、キャッシュレス決済が出来ない状況になる恐れもある。そうなるとやはり現金は必要だし、今偽造問題がなくても、問題が起きてから対応するようでは後手後手であり、やはり定期的な紙幣デザイン変更は必要なのかもしれない。
批判すべきは、安倍政権が紙幣デザイン変更を政治利用した、ということで、紙幣デザイン変更や新紙幣は悪ではない。但しそろそろ日本の紙幣も、プロパガンダに利用される恐れのある近代以降の人物肖像のデザイン使用は止めて、動植物などをデザインとして使った方がよい、とも感じる。
果たして20年という紙幣デザイン変更サイクルは妥当なのか、という疑問から、他の紙幣のデザイン変更について調べてみた。現在流通している米・100ドル札は2013年に発行が始まったもので、その前の変更は1996年、1990年、1969年、1966年…だったようだ。
- 1800年代から現在までのアメリカ合衆国100ドル札のデザインの移り変わり - GIGAZINE
- Landmark Cash ™ | Evolution of the $100 Dollar Bill
- United States one-hundred-dollar bill - Wikipedia
Wikipediaによると、さらに細かい変更はもっと頻繁にあるようだが、デザインの変更、という意味では、米ドルの変更周期はだいたい20年周期と言えるだろう。
英ポンドはもっと短い。1990年代以前は約20年周期でデザイン変更していたようだが、1990年以降はおよそ10-15年毎にポンド紙幣を新しくしているようだ。
2002年にEUの共通通貨として設定されたユーロの紙幣は、2002年に最初の紙幣が発行され、2013年に5ユーロ紙幣が現在も使用されている第2シリーズに変わっている。10ユーロ紙幣以上もその後徐々に第2シリーズへ置き換えられ、2019年に100/200ユーロ紙幣が第2シリーズに移行したことで、全ての紙幣が第2シリーズに置き換えられた。つまりユーロ紙幣の変更周期はおよそ10-20年である。
世界の主要な紙幣と比べてみると、日本円紙幣の20年というデザイン変更周期は寧ろ長いようである。