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クーポン券利権を維持したい自公政権

 岸田政権が検討している、新型コロナウイルス対応のための大型経済対策としての、18歳以下への現金・クーポン給付については、なぜ18歳以下限定なのか、という点に注目して、11/10の投稿でも既に取り上げたが、この投稿ではクーポン券の是非を論点にする。

 10万円を給付するのに、5万円を現金で、もう5万円はクーポン券で、という方式については、それが報じられた当初から、なぜ配布などに手間がかかり、現金よりも使える範囲の狭いクーポン券での給付なのか、という批判が呈され続けている。
 クーポン券で給付をすると、現金で給付するよりも900億も余計に軽費がかかる、ということが既に明らかになっているのだが、自民公明関係者は、それは決して無駄ではない、というイメージ作りに躍起になっている。

国会ウォッチャ - Twitter

 彼らがクーポン券による給付を正当化する根拠は「確実に使われるという意味でクーポンを提案してたわけですから」という公明党 山口の発言がそれを示していて、つまり現金では貯蓄に回される恐れがあるからクーポン券で給付すべき、という話だ。
 しかし、給付を18歳以下の子どもがいる世帯に限定した理由は、必要な人に給付するという話だったはずだ。しかも世帯主の年収によっても制限も給付対象を制限していてる。必要な人へ給付するのだから、給付された人は、現金給付であっても貯蓄に回さずに適切にそれを使うだろう。つまり現金給付よりも余計な経費をかけてクーポン券で給付する必要があるとは言えない。

10万円給付で967億円の経費 「やむを得ない」公明・山口代表 - YouTube

 山口は「現金給付でないやり方をすればですね、一定の経費が現金給付よりはかさむっていうことは、当然、やむを得ないところだと思います」とも言っているが、前述のとおりやむを得ないという話は妥当でない。更に「(野党には)反対のための反対ではなくて、建設的な議論をお互いに行っていきたい」という、反対の為の反対が行われている、という印象操作、レッテル貼り、中傷も平気でやり、論点をすり替えて強引に話を正当化しようとしている。とても醜悪だ。
 貯蓄に回されることがないように、という話なのに、なぜ現金5万+クーポン券5万なのか。それを懸念するなら全額クーポン券で給付という話になるだろう。そんな点でも説得力に欠ける。しかし日本のメディアはどこもそんなふうにつっこまない。それもまた異様だ。

 山口以外にも複数の自公関係者がクーポン券による給付と、それによって余計にかかる経費を正当化している。

 自民党総務会長 福田 達夫は、967億の経費は市中に流れることになるから経済対策になる、と正当化する。しかし、967億を事務経費に使った場合、潤うのは一部の関連業者だけだ。そしてアベ自民政権移行、企業の内部留保は過去最大なのに、一向に賃金も上がらず景気も上向かない、という状況にある。なぜ一般市民が貯蓄に回すことは警戒するのに、企業が内部留保として蓄えることは警戒しないのか
 また、967億を事務経費に使わずにその分を給付しても同じ額が市中に流れることになる。つまり事務経費は経済対策云々なんてのは、単に特定の業者に美味しい思いをさせたいだけなんだろう。

 岸田内閣の財務大臣である鈴木 俊一は、事務費が高いという指摘があるが、過去の類似事業と比較して過大な水準ではない、として正当化しようとしている。これは恣意的な発想にほかならない。類似の事業が同じ規模で行われてきたのだとしても、当該事業に同水準の予算をさくべき妥当性があるかどうかは別問題だし、過去の同水準の事業でも無駄遣いが行われてきた恐れも確実にある。
 前例に倣えばそれで問題ない、というのはまやかしでしかない。重要なのは、前例、そして当該事案の事業の性質的な妥当性・かかる予算の妥当性だ。それをすっ飛ばすのは詭弁だ。


 多くの人が同じように考えているのか、クーポン券による給付を強行しようとする自公政権の姿勢はすこぶる評判が悪い。その所為か、昨日・12/7にとうとう、自治体判断で現金のみで給付することも可能にする、と言い始めた。

10万円給付、全額現金も可能 政府:時事ドットコム

 しかし、これも全く高評価できない。自治体判断で現金のみによる給付も可とした裏にあるであろう、政府と自公の思惑を指摘したのが、今日のトップ画像に使った、こち亀を用いたコラージュだ。
 クーポン券による給付の評判が悪いから、自治体判断で現金も可、を後付けしてきたことは誰の目にもあきらかだ。しかしクーポン券による給付を撤回したわけではないので、自分達の間違いを認めなくて済むし、現金給付も可にしても、クーポン券の為の制度やシステム構築はしないといけないので、関係業者に仕事は流せる。そして更に、現金給付しない責任は「自治体による判断の結果」として各自治体に押し付けられる
 そう指摘しても、当然彼らはそれを認めはしないだろうが、この推測を強く否定できる材料が何かあるだろうか。何かあるなら是非教えて欲しい。そもそも、現金5万+クーポン券5万だって、クーポン券で全額10万だって、どちらにせよシステム構築は必要で、違いは印刷代くらいだろうから、クーポン券の為の経費は大して違わないはずだ。つまり、自公は何とか利権化できるクーポン券給付をやりたい、やりたくて仕方がないんだろう。しかし全額クーポン券だとイメージが悪すぎるから現金5万+クーポン券5万という案を出し、それでも悪いイメージが先行しているから、今度は自治体判断で云々などと言い出したんだろう。


 こんな醜悪な政治を許す限り、日本の未来は暗いままだ。


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