スキップしてメイン コンテンツに移動
 

検査数を超えて感染者が検出されることはありえない

 人と同じは嫌だ、という気質の人間なので、クルマを選ぶ際には人気のあまりない車種を選びがちである。それで以前プジョーに乗っていたことがあった。プジョーと言えば、2000年前後に206というコンパクトカーが日本でも大ヒットした(輸入車として)。しかしその後は徐々に元のニッチな存在に戻り、決して人気が高いとは言い難い状況になっている。

 フランスではプジョーもシトロエンもルノーも国産車であり、当然それらが大量に走っているものの、日本で外国車と言えば、フォルクスワーゲン/メルセデスベンツ/BMW/アウディなどドイツ車の人気が高く、その他の国のクルマはニッチな存在である。
 人と同じは嫌だ、という気質の人間なので、クルマを買ったまま、所謂どノーマル状態で乗るのはありえない。何かしらどこかしら手を加えたくなる。クルマのカスタムの第一歩と言えば、まずはホイールを社外品に交換することだ。大抵クルマを買うときは、少なくともホイール交換、そして車高を下げることを同時にやる。
 プジョーを買うと決めて、それと同時にホイール選びも始めたのだが、プジョーに合うホイールの選択肢の少なさに愕然とした。クルマのホイールを交換する際には、ホイールをクルマに固定する為のハブボルトの数と、それぞれのハブボルトを結んだ円の直系・P.C.D.値(日本語ではナット座ピッチ直径)のあったものを選ぶ必要がある。

 ハブボルトの数やP.C.D.値などが合致しないホイールを装着する方法はいくつか存在するが、コストが余計にかかるし、方法によっては強度的な問題が生じることもある為、P.C.D.値が合致したホイールを選ぶことが望ましい。

 日本の乗用車のP.C.D.値は軽/小型車では4穴/100mmが多く、ミドルクラス普通車以上なら5穴/114.3mmが一般的だ。一部に5穴/100mm、4穴/114.3mmという車種もあるが、つまりほとんどが4穴/5穴、100mm/114.3mmの組み合わせである。しかし外国車にはこれとは異なるP.C.D.値のメーカーや車種も結構あって、プジョーやシトロエン、ルノーなどでは、4穴/5穴×108mmが多い。
 この108mmを採用しているのはボルボやランドローバーなどヨーロッパ車の一部だ。だが日本で人気があるドイツ車ではほとんど採用例がないために、日本ではその種のホイールがあまり出回っていない。だからフランス車は、日本では交換用ホイールの選択肢がすこぶる少ないのだ。プジョーを買う際に、最後までフォルクスワーゲンの車種とどちらを買うか悩んだのだが、フォルクスワーゲンは日本でも輸入車売上トップを常に争う存在で、その為にホイールの選択肢は国産車並みに多い。

 ホイールに限らず、クルマのアフターパーツの選択肢の多さは、その車種の人気に比例する。人気車種用のパーツは多いが、人気の薄い車種のパーツは少ない。クルマのパーツは、市場に出回っているその車種の個体数以上に売れることはない為、そうなるのは当然だ。これは分母と分子の関係で、フランス車の個体数の多いフランスでは、それ用のホイールの選択肢も多いのだろうが、日本では個体数が少ないので、比例してホイールの選択肢も少ない。


 現在、日本でもオミクロン株が大流行しており、最早昨夏以上の感染爆発状態にある。新規感染者数は毎日のように過去最高だと報じられている。海外では日本よりも一足早くオミクロン株の大流行が起きていて、フランスでは1/18に46万人の新規感染者が出たそうだ。

フランスで1日46万人感染、欧州数カ国で記録更新 WHOが警戒呼びかけ - BBCニュース

 一方で日本の新規感染者数は、現在うなぎ登りの状態で更に増えそうではあるが、1/18の時点で約3万2000、1/20でも4万6000人だ。フランスに比べておよそ1/10程度である。

新型コロナウイルス 日本国内の感染者数・死者数・重症者数データ|NHK特設サイト

 しかし、この日本で発表される新規感染者数は果たして信憑性があるだろうか。時事通信の記事によると、日本の検査数は、2022年1/19時点の7日移動平均で14万2742人だ。検査数を超えて新規感染者が検出されることはありえないので、つまり、どうやってもそれ以上は検出されない。というか出来ない。
 1/19時点の7日移動平均感染者数と検査数で単純計算した検査陽性率は18.71%だった。人口1億2000万人なので、最悪を考えると、人口全員検査すると単純計算で2000万以上の感染者がいるかもしれない。それは大袈裟な推測かもしれないが、日本で発表される数字の10倍程度新規感染者がいても何も不思議ではない状況だ。

チャートで見る日本の感染状況 新型コロナウイルス:日本経済新聞

 時事通信の記事によれば、フランスは1/4の時点で、1週間で約800万件の検査が行われ、陽性率は15%だったそうだ。つまり、数百万件単位で検査を行っているから40万を超える新規感染が検出される状況である。

だが、日本では10万件台の検査しか行われていないので、感染は絶対にそれ以下しか検出されない。これもまた分母と分子の関係である。言い方を変えれば、極端に検査数の少ない日本の実際の感染拡大状況は誰にも分からない状態である。


 在日米軍は日本へ入国する際に検査を行っていなかった、ということについては1/6の投稿でも書いた。1/14にこの件についての続報があって、沖縄タイムスが、在日米軍が米国などから日本に入国する前に新型コロナウイルス感染症の検査をしていなかった時期、日本から米国への出国の際は感染検査をしていた、と報じた。

この違いってなに…?  米軍、日本出国時はコロナ検査していた | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

 この記事を見て、まずこんなことが頭に浮かんだ。

 日本は全然検査もしてないんだし、俺ら米軍だけやっても仕方ないだろ? でもそんだけ危険な国なんだから、出る時はちゃんと検査しとけよ?

と、米軍は思っているんだろうな、と。自分が在日米軍首脳だったとしてもそう考えるだろう。日本は全然検査してないんだから、市中でどれくらい感染が広がっているかも定かでなく、検査して陰性を証明して入国したところで、日本のどこで感染するか分からない。だったら自分達だけ検査してもほとんど意味はないし、逆に日本を出る際に検査するのが合理的だ、と。

 そして昨日こんなことが報じられたが、これを見て在日米軍首脳は、自分達の考え、やったことは大きく間違っていなかった、と思っていることだろう。新型コロナウイルスの感染拡大からもう2年が経過しているのに、日本では未だに大量検査環境を整えず、ただでさえ他国に比べて検査数が少ないのに、逆に検査抑制をやろうとしているのだから。

「若い世代は検査せず症状のみで診断を」医療ひっ迫に備え専門家検討案|TBS NEWS



 トップ画像には、ボディキット 車 車の壁紙 - Pixabayの無料写真 を使用した。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。