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1月, 2019の投稿を表示しています
 

正しい認識がなければ議論は成り立たない

 警察庁は、 現在試験的に110km/hの速度制限を実施している東北自動車道と新東名高速道の2つの区間について、3/1から制限を120km/hとする と発表した( 東京新聞の記事 )。あくまでも1年間の予定での試行だそうだが、110km/hでも大きな問題は発生しておらず、同様に問題が起きなければそのまま継続、別の区間でも制限速度の引き上げの検討を行う予定のようだ。  この事を今朝のMXテレビ・ モーニングCROSS でも取り上げていた。それに対する視聴者ツイートが画面にいくつか表示されていたが、適切にこの件を理解していない人も多くいるように感じられた。現在の基本的な100km/h制限同様、120km/hに速度制限が緩和されても120km/hで走る事を強いられるわけではない。渋滞等を除いた場合の最低速度50km/h以上であれば、80km/hでも100km/hで走っても構わない。というか、東京新聞の記事にもあるように、大型貨物車の制限速度は従来通り80km/hである。つまり120km/h区間でも80km/hで走るクルマが確実に存在する。

実態を伴わない景気回復を「戦後最長」と誇る政府とNHK

 NHKは「 景気回復「戦後最長」の可能性高まる 」と1/29の午前に報じた。この報道は、1/29に政府が「景気は緩やかに回復している」という見解を示した事が根拠になっている。今年・ 2019年元旦の投稿 でも書いたように、個人的にNHKの報道に対して不信感を抱いている。今回のこの報道でも「NHKは報道機関ではなく最早政府広報機関に成り下がった」という認識を再確認した。何故そう思うのかと言えば、過去の代表的な好景気と比べれば一目瞭然だ。 これは、1965年から1970年のいざなぎ景気、1986年から1991年のバブル景気時のGDP成長率を、NHKが「戦後最長」と報じる今回の景気回復・2012年以降のそれと比較したグラブだ。いざなぎ景気の頃は高度経済成長期にあり、元となる日本経済が成熟していたとは言えず、成長率が現在よりも高いのは当然と言えば当然だ。しかし安定成長期の最終盤だったバブル景気と比べても明らかに伸び率は低調で、こんな状況なのに「最長」ばかりを強調されると「 NHKは政府に忖度し、アベノミクス効果を演出したいんだな 」としか思えない。

日本は言う程狂ってない?

 メキシコ国境に壁を作るというトランプ米大統領。その建設費用を盛り込んだ予算案は、昨年の中間選挙で民主党が勝利した為に議会で承認されず、その結果5週間に渡る史上最長の政府機関閉鎖が起きた。現在はつなぎ予算に関する法案に大統領が署名したので閉鎖は一旦解除されている( TBSニュースの記事 )が、あくまでも暫定的な措置の為、来月には再び閉鎖が起きる恐れがある。政府機関の閉鎖とは、例えば観光施設や空港が使えなくなる場合もあるし、どうしても閉鎖できない機関・施設では職員がタダ働き状態になるという事だ。  この件に関して、今朝のMXテレビ・ モーニングCROSS でも、コメンテーターの一人だった パトリック ハーラン さん(パックン)が自身のオピニオンとして取り上げ、如何に壁建設、トランプ氏の予算請求が馬鹿げているかを、 閉鎖で給与停止した政府署員が 80万 人 休暇を余儀なくされた契約職員が 120万 人 全体 15 の内閉鎖した省が 9 つ トランプ氏が現在要求している壁建設予算57億ドルで出来る壁の長さは 160km アメリカとメキシコ国境の総延長は 3200km 正機関閉鎖による経済的損失が 60億ドル にのぼる など、いくつもの数字を示して論じていた。

コンビニセルフコーヒー悪用事件から考えるバランス感覚の欠如

 商品に応じたカップを購入し、設置された機械で指定のコーヒーを自分で注ぐ形式の所謂コンビニコーヒーの利用に際して、100円のカップを購入したにも関わらず150円の商品を注いだとして男性が逮捕された、というニュースが先週報じられた。報道によれば、男性はこれまでにも同様の行為を行っていたようで、常習性を勘案して逮捕という措置がなされたのだろう。  SNS上で、MサイズのカップでもLサイズ分の量が収まる、という検証を行った投稿などを自分も見かけた事がある。つまりMサイズの料金でLサイズのボタンを押して注いでも収まるのでLサイズのカップを購入する必要はない、と暗に示唆する投稿だ。そんな投稿がある程度の注目を集めているということは、逮捕された男性と同様の行為を行っていた者も相応にいたのだろう。そんな風潮を牽制する為にこの男性は逮捕され、そしてメディアも報道したのかもしれない。いいか悪いかは別として所謂見せしめ的な側面が少なからずあったように思える。

勤労統計不正の深刻さ

 賃金、労働時間、雇用の変動などを把握する目的で厚労省が行う「毎月勤労統計調査」に関する不正が初めて報じられたのは昨年・2018年末のことだった。実際はもっと前から報道があったかもしれないが、自分がこの件に関する報道を初めて目にしたのは、2018年12/29の共同通信の「 厚労省の勤労統計、ずさんな調査 」で、そこには  賃金や労働時間などの動向を調べ、厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査」について、従業員500人以上の事業所は全数を調査するルールだったにもかかわらず、一部のみ抽出するずさんなケースがあることが28日、分かった。 とあり、恐らくこのタイミングの報道が初報だったのだろう。ただ当時は既に年末年始の休みに突入していた事もあって、この件が大きく取り沙汰・注目されたのは年明け、正月ムードも終わりかけた1/8頃以降だった。

女子用スラックスの高評価に感じる違和感

  福岡市の中学校で女子の制服にもスラックスが来春以降加えられる 、という話を朝日新聞が記事化している。朝日新聞では「 セーラー服よりスラックス、福岡女子に好評「全然違う」 」と見出しを付けているが、同じ記事を転載したハフポストでは「 福岡の女子中学生、制服でスラックスも選択可能に。気温対策に加え、性的少数者に配慮 」と見出しを変えている。ハフポストは朝日新聞の転載記事に、しばしば元記事と違う見出しを掲げる。全く同じ記事なのに、転載する際に見出しを変える事にはやや違和感を感じるが、両者が注目するポイントが微妙に異なっていることが分かり興味深くもある。  福岡市が女子用スラックスの検討を始めた理由には、ハフポストが見出しで掲げるように、暑さ寒さへの対応、性的少数者への配慮などが挙げられているが、少し前に制服メーカーが作った「 短いスカートによって性犯罪を誘発してしまいます 」というポスターに、賛否両論の声が上がったこと( 朝日新聞の記事 )等を勘案すれば、性犯罪抑止という目論見もあるのかもしれない。また寒さ対策とも関連するが、最近冬によく見かけるスカートの下にジャージを履いている子達のそれを止めさせたい、そんなことをするならスラックスを履かせた方がマシ、のような思いも込められているかもしれないと想像する。

考える事を怠たった、或いは止めた先には何があるのか

 日本での麻疹の流行、妊婦が感染すると胎児に深刻な影響が出る恐れがある、という報道を昨年・2018年は本当によく見かけた。他国では妊婦の日本への渡航に注意を促している場合もあるようだが、当然国内にも妊婦は多く存在しており、流行を防ぐ為にはワクチン接種が重要だという報道も多かった。日経新聞の「 はしか「空白の世代」に流行の危険国立感染症研究所 多屋馨子室長に聞く 」によると、日本人の18-40歳ぐらいに関しては子どもの頃の予防接種が充分でないそうだ。多くの医師・医療関係者らが、発症を防ぐ・軽症化するには予防接種が最も効果的とし、妊娠してからでは予防接種を受ける事は出来ない為、あらかじめ予防接種を受ける事を勧めている。また流行を防ぐ為に、妊娠の可能性がない男性も予防接種を受ける必要があるとしている。  しかし日本でも一部に、ワクチンに対する不信感を持ち、声高にそれを主張する人達がいる。例えば、この5-6年しばしば話題になる子宮頸ワクチンとその副作用、インフルエンザワクチンとその副作用などの話がある。同じ様に麻疹の予防接種に拒否感を示す人も相応に存在し、そのような傾向のある宗教団体の研修会に参加した人達の間で麻疹の集団感染が発生し、更に2次感染も広がっている事が、中日新聞の記事「 はしか拡大止まらず 研修参加者以外にも感染 」など多くのメディアで報じられている。

コンビニがエロ本取り扱い中止にする理由について

 セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ3強が、1/21-22にかけて相次いで 成人向け雑誌の販売を今年・2019年8月末で取り止める と発表した。コンビニでの成人向け雑誌、所謂エロ本の取り扱いに関しては数年前から話題になっており、大手3社以外ではミニストップが2017年11月に千葉市内の店舗での取り扱い中止を発表し、その際に2018年1/1から全国で取り扱い中止すると発表していた( ITmediaの記事 )。他にも地域的な動きや、各店舗の判断による動きはこれまでにもあったが、大手3社が全国的に取り扱いを中止するということは、今後は概ねどのコンビニからもエロ本は無くなる事になりそうだ。

Tポイントカード・個人情報提供問題の深刻さ

 誰かが警察に逮捕されたとしても、その時点では犯人とは報道されない。 犯人とは罪を「犯した人」 であり、逮捕されただけでは罪を犯した事は確定しておらず、犯人と断定することが出来ない。断定的に犯人と報じると、万が一冤罪だった際に大きな不利益を与えかねないからだ。だから 報道では逮捕されただけの人の事を容疑者と呼称 する。本来の法律用語では被疑者なのだそうだが、被害を受けた側「被害者」と呼称する為、被害を与えた疑いをかけられた者「被疑者」の音とよく似ており、聞き間違える恐れがあるという観点から、放送業界では容疑者という表現を用いるのが一般化したそうだ。  ただその呼称だけで充分な配慮がなされた報道とは言い切れない。全体的に見れば相応の配慮がされた報道の方が多いが、中には容疑者という言葉を使っているものの、起訴すらされていない状況にもかかわらず、あからさまに対象を犯人扱いしているとしか言いようがないような報道をしばしば見かける。特に所謂ニュース番組でないワイドショー的な番組にその傾向があるように思える。

食品ロスは恵方巻以外でも起きている

  自分が小学生だった頃は、節分と言えば専ら豆まきで、恵方巻の「え」の字すら聞いたことがなかった 。 Wikipedia の恵方巻のページによると、その発祥は大阪なのだそうだが、絶対的に有力な説もないようで、現在の流行?ブーム?の起源はセブンイレブンだという話すらある。バレンタインデーを女性が男性にチョコレートを贈るイベント化したのは菓子会社だという話や、正月に初詣をするようになったのも、鉄道会社が鉄道の利用目的としてキャンペーンを行った為という話もあり、節分の恵方巻も同じなのかもしれない。土用の丑の日にウナギを食べるという風習も、江戸時代に商売の為に行われたキャンペーンが定着したものという話もあり、始まりが商業的な理由だから風習としての価値が低いとも言い難い。ただ恵方巻については、全国的な風習としてはまだまだ歴史が浅く、主に商売の為に、あたかも歴史ある風習であるかのように装っているようで違和感を覚える人もいるのだろう。そういう自分もその一人で、これまでに一度も恵方巻なるものを買ったり食べたりしたことはない。

学校教育を見直す事の必要性

 国連の子どもの権利条約委員会が、日本の学校で行われている組体操の危険性を審査の対象にした、と1/12に 共同通信 などが報じていた。組体操という表現がされているが、組体操にもいくつかの種類があり、近年危険性が主に指摘されているのは、生徒らが階段状に折り重なって作る所謂人間ピラミッドだ。自分が学生の頃は小学生で3段、高校生でも5段程度、しかも奥行きのないピラミッド状の壁を作る演目だったが、この10年くらいの間に行われていたのは、段数も更に多く奥行きもある、規模がエスカレートした立体的なもののようだ。  自分達の頃だって顔と肘やひざがぶつかって鼻血を出している者もいたし、最下段の者は主さのあまり地面の石が食い込んで、足を切って血を出すなんてことはあったが、自分の知る限りでは骨折等深刻な怪我をしたという話は聞いたことがなかった。勿論自分の周りになかっただけ、報道されていなかっただけで当時から深刻な怪我があったのかもしれない。当時の規模は良くて今の規模はダメという話ではないが、例えば10段で立体的なピラミッドを作ったら、最下段の中央の者には想像以上に負荷がかかり、最後に一斉に崩す際には怪我をしかねない・死を予感する程の圧力がかかるだろうなと推測できる。

合理性に欠ける「立憲・枝野氏」批判

 今朝、ツイッターのおすすめトレンドワードに「 立憲・枝野氏 」が挙げられていた。おすすめトレンドワードは、フォローしている人やフォロワーなどの傾向によって、人それぞれ表示されるものが変わるので、表示されていた人もいなかった人もいるだろう。ただ自分のアカウントでは、今日朝の時点のおすすめトレンドワードの上から4番目ぐらいに表示されていた。  「何かやらかしたのか?」と思ってしまったのは、与野党問わず政治に不信感を感じているからかもしれない。そんな風に思いつつとりあえずクリックしてみた。「立憲・枝野氏」がトレンドワードに挙げられていた主な理由は、朝日新聞の記事「 レーダー照射問題「我が方に理がある」 立憲・枝野氏 」、厳密に言えば、その記事を転載した Yahooニュースの記事 だった。

自民党議員は何故怒らないの?

 現在の安倍内閣「 適材適所 」「 全員野球内閣 」というスローガンを掲げて2018年10/2に発足した( 2018年10/3の投稿 )。個人的に、「全員野球内閣」というネーミングを聞いて、相変わらずのネーミングセンスのなさとマンネリ感を覚えた。彼は以前にも内閣人事を刷新した際に結果本意の「 仕事人内閣 」と称したことがあった。どちらのネーミングも適材適所の人選である事を強調したかったのだろうが、内閣だろうが別の何かだろうが、人選が適材適所で行われるのは基本的に当然で、これを強調するという事は、逆に言えば他に誇れる事がないことの裏返しだろう。若しくは単に話題作りをしたいに過ぎない。どちらのネーミングも揶揄という形ではあるが話題にはなったので、ある意味では上手く機能したネーミングだと言えるかもしれない。勿論皮肉である。

他人の権利主張を短絡的に否定すると…

 誰もが知っているように、現在日本では同性同士の婚姻は認められていない。国外では既に同性同士の婚姻を認めている地域は決して少なくない。G7参加国に限れば、法制度が何もないのは日本だけなのだそうだ。確かに、同性同士の婚姻が認められ始めてからまだ日は浅く、それが社会にどんな影響を及ぼすのか、厳密にはまだまだ分かっていない。しかし、自分の知る限り現状深刻な影響を及ぼすという研究結果・統計の調査結果もない。なのに何故か必要以上の懸念を理由に、否定的な主張をする人はまだまだ少なくない。少なくとも日本では。だから日本では今も同性同士の婚姻が認められていないのだろう。  2017.11月に、自民党の竹下議員が宮中晩餐会に関連して同性愛者を蔑視・軽視するような発言をして批判を浴びた( 2017年11/24の投稿 )。ハフポストはこれに関連して「 同性婚を認めたらどうなる? 世界で賞賛された国会議員のスピーチ 」という記事を掲載した。記事は、ニュージーランドで同性婚を認める法律ができた2013年に、モーリス ウィリアムソン議員が議会で行ったスピーチを紹介している。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」では状況は悪化するだけ

 新聞に掲載された、音楽イベントへの在日朝鮮人中学生のコメントを基に、彼の本名や当該新聞記事共に「日本国内に『生息』している在日」「おまエラ不逞朝鮮人」「チョーセン・ヒトモドキ」などの差別的な主張を、「在日という悪性外来寄生生物種」という見出しを掲げてブログへ投稿していた66歳の男性が侮辱罪で略式命令を受けた。  自分はこれをBuzzFeed Japanの記事「 中学生を匿名ブログで中傷 66歳男性に侮辱罪で略式命令 」で知ったが、その他多くのメディアでも同じ件を扱っている。しかし、昨日横綱・稀勢の里の引退会見があった事などもあり、テレビなど大手メディアではこの件の扱いは決して大きくない。稀勢の里の引退は重要ではないなどと言うつもりはないが、東名高速のあおり運転事件はあれ程大きく扱っていたのに、この誹謗中傷事件の扱いが小さいのはとても残念だ。東名の事件は2人も死亡者が出ているのに対して、この件は物理的な損害はなく処分も科料9000円で、目に見える被害は少ないかもしれないが、差別や偏見に基づいて成人男性が未成年に精神的な暴力を不当に行使したことを考えれば、こういう事こそメディアによる問題提起・喚起が必要なのではないだろうか。

笑われたのか、笑わせたのか

 フリーライターの雨宮紫苑さんが「 外国人の片言日本語を「おもしろい」と笑うべきではない 」という見出しのブログ投稿をしている。自分はこれを ハフポストが転載した記事 で読んだ。彼女の意図を自分がしっかりと汲めているのかは分からないが、とても乱暴にザックリと要約すれば、  母国語でない言葉を片言で話す外国人のそれは、ネイティブにとって時に面白く思えるかもしれないが、本人はいたって真面目なので笑ってはいけない。笑われた事がトラウマになる場合もあり得る という話だ。彼女が指摘する「笑い」とは、馬鹿にする意図が明確にある笑いに限定されておらず、たとえ悪意がなかったとしても笑うべきでない、というのが彼女の持論のようだ。

スケートボードの五輪種目化、同性婚の法制化の類似点

 ハフポストの記事「 亭主関白の父にカミングアウト。返ってきた言葉は…。レズビアンのふたりが結婚するまで 」を読んでいて、こんな思いが湧いてきた。  法律で認められていない同性婚は、オリンピック競技に選ばれる前のスケートボードのような状態だ 自分は、あるスポーツ競技がオリンピック種目に選ばれると、その途端にテレビや新聞でも急に取り上げられるようになる世の中の仕組みに疑問を抱いている。少し前まで不良の遊びみたいな扱いだったスケートボードなどがそれに当たる。  オリンピック種目に選ばれる数年前から、10数年前の扱いに比べれば状況の改善の兆しはあったし、10数年前のスケーターの中にはマナーや素行の悪い者が一定数いた事は自分も知っている。しかし、20年前の長野オリンピックで一足先にオリンピック種目になったスノーボードだってさほど状況に差はなかった。というかスノーボードの例を見ても、「媚びへつらって(やや語弊があることは分かっている)オリンピック種目化することで、その競技を取り巻く環境が変わる」という歪んだ構造が確実にあるように思えてしまう。

嘘・大袈裟・紛らわしい

 決して昨年新たに浮かび上がった話ではないが、昨年・2018年は、日本でもフェイクニュースを拡散するサイトへの指摘が高まった。また、フェイクとは言えないまでも、煽情的な・実状を逸脱する過激な見出しを意図的に用いてPVを稼ごうとする手法についても、疑問の声は上がり始めている。しかし一方で、テレビや新聞等の大手メディアや、そのようなサイトを指摘しているWebメディアも、五十歩百歩の見出しを全く用いないとは言い切れず、それではそれらのメディアによるフェイクへの指摘の説得力も相対的に低下してしまいかねない。  一時期よりは減ったかもしれないが、ネット広告にも煽情的・大袈裟なコピーを掲げてクリックさせようとする傾向が確実にある。中には明らかな嘘を掲げている場合もあったりする。訪れたサイトにその手の広告が掲載されていると、内容が如何に素晴らしくても見る気をそがれる。パソコンで見た際はそんなことはなかったのに、スマートフォン等で閲覧するとその手の広告が表示されるサイトなんてのもある。必ずしもサイト運営者が選んでその手の広告を掲載しているわけではないかもしれないが、狡い広告が表示されていると、途端にそのサイトの好感度は低下する。

著作権は何の為のもの?

 「 自分の曲の利用許諾「拒まれた」 JASRACを提訴 」朝日新聞が1/11に掲載した記事の見出しだ。アーティストが自身の楽曲の利用許諾をJASRACに求めたが拒否され、拒否の理由は演奏する場所がJASRACと著作権使用料の支払いについて係争中のライブハウスだからというのはおかしい、という理由でアーティストらがJASRACの対応の不合理を訴えたという話だ。事実関係はこれから明らかにされるだろうから、今のところアーティスト側の主張が全て正しいとは言い切れないが、これ以外にも似たような案件をしばしば耳にする。  専門家ではないので著作権についてとても詳しいわけではないが、 権利者が権利の管理を委託した者に利用許諾を求めなければいけない仕組み というのは、一体何の為の仕組みなのだろう。管理委託先に使用報告する必要はあるかもしれないが、委託された者が使用を拒否できることに合理性を感じられない。つまり、権利者自身が権利を有する著作物を自由に使用できない仕組みのようだが、これは文化の発展や維持に果たして貢献しているのだろうか。

働き方改革?何それおいしいの?

 厚労省、というか政府全体がブラック体質で、日本全体がブラック企業ならぬブラック国家なんじゃないのか? 働き方改革が聞いて呆れるという話を 昨日の投稿 で書いた。近々注目されている、厚労省の勤労統計不正がその主な理由だが、厚労省は障害者雇用水増しにも手を染め、裁量労働制に関する労働時間の統計でも不正が発覚しており、労働・福祉問題を所管する省庁の厚労省がこの有様ではそう思われても仕方ない、絶望感に苛まれるという話だ。また、厚労省以外でも複数の不正・捏造・隠蔽が発覚しているにも関わらず、その多くで責任者と言われる人達はことごとく責任逃れに走り、場合によっては現場の者にツケが回され、財務省では自殺者まで出ているのが「政府全体」と感じられる理由である。

ニッポンは国全体がブラック企業体質のブラック国家

 「 働き方改革 」という言葉は、民間では2013年頃既に使われていたようだが、首相や政府がこのワードを用い始めたのは2015年頃で、2016年8月に働き方改革担当大臣、9月に働き方改革実現会議が設置されている。首相は 「働き方改革」を「一億総活躍社会」実現の為の重要な柱 としており、働き方改革というスローガンを必ずしも労働環境改善にのみ用いるわけではないが、このワードが使われ始めた背景には、労働に関する種々の法規を逸脱して被雇用者を不当に扱う、所謂ブラック企業の深刻な社会問題化や、過労死・過労自殺・過重労働による肉体的・精神的な健康被害を被る者が後を絶たない状況などが確実にあり、 元来働き方改革の主眼は労働環境改善に置かれていた 筈だ。

SNSのブロック機能の副作用

 SNSには、攻撃的な投稿や誹謗中傷に晒される事のストレス軽減・自己防衛の為に、特定の人物の投稿を遮断する機能が大抵備わっている。ツイッターで言えばブロックやミュートがそれに該当する。この機能の必要性は確実にあるだろうが、一方で趣旨とは異なる用いられ方もされていると思う。  どんな場合にそう感じるのかというと、攻撃的な投稿、誹謗中傷の懸念が強い投稿に対して反論した際に、そのアカウントからブロックされた場合だ。このような場合に自分には、攻撃的な人が他人を誹謗中傷する機会を、SNSの運営者が用意した反論をブロックできる機能によって、余計に増やしているように見えてしまう。誹謗中傷の対象が有名人などの場合、本人のアカウントをブロックすることで反論できない状態にして、誹謗中傷し放題な状況になってしまう(勿論やり過ぎれば他のアカウントからの報告によって最悪BANされるので、厳密には「し放題」ではない)。  サブアカウントを利用すれば、ブロックされてもその後も当該アカウントの投稿を閲覧することは出来るし、そちらでそのような投稿を悪意のあるツイートとして運営に報告もできるが、それでもブロック機能には悪用の懸念があることに変わりはない。

他の文化への理解・寛容さの必要性

うわっ、何怖い こんな売り方してるスーパー初めて見た pic.twitter.com/KioHaS1G78 — ハシスタント (@hassystants) 2019年1月7日  というツイートが話題になっている。ツイートが削除された場合に備えて添付されている画像の説明しておくと、真空パックされた丸焼き用の子豚がスーパーマーケットの肉売り場に並べられている画像が添付されている。確かに日本本土の、日本人を主な商売相手にするスーパーマーケットや肉屋で、丸焼き用の豚が商品として並べられているのを目にすることは滅多にない。しかし、豚の丸焼きやお頭焼きがお祝い料理として欠かせない地域出身の外国人向けの店ではこの限りでなく、外国人労働者が多い地域の店等では丸焼き用の子豚や豚のお頭を売っているのを見かける。また沖縄にもそのような風習があり、外国人向けでなく沖縄の人、つまり日本人向けにその手の食材を売っているのをしばしば見かける。

蔓延る嘘、嘘のトリクルダウン

 宝島社が1/7に、読売新聞と日刊ゲンダイ、朝日新聞に掲載した意見広告が話題になっている( BuzzFeed Japanの記事 )。読売とゲンダイに掲載された広告は同じ内容だが、朝日新聞に掲載された広告は内容が異なる。しかし共に「 嘘は社会に悪影響を与える 」という事がテーマになっている。  「嘘」とは一体なんだろうか。「嘘」だけで考えれば「事実ではないこと」だろうが、「嘘をつく」だと「 人間をだますために言う、事実とは異なる言葉」で、騙す意思がない場合は事実と異なる内容の話でも「嘘」には該当せず、単なる間違い・勘違いに当たるというのが一般的な認識かもしれない。刑事・民事に関わらず訴訟の中では 「騙す意思があったか否か」は重要な判断材料の1つとして扱われる 場合が多い。

天皇・皇族の権威の政治利用

 「 【おしらせ】2019年、天皇誕生日はありません 」。BuzzFeed Japanが2018年の大晦日に掲載した記事の見出しだ。自分が子供の頃、つまり昭和年間の天皇誕生日は4/29だった。平成以降の天皇誕生日は誰もが知るように12/23である。記事は、昭和の天皇誕生日は平成以降も当初はみどりの日、2007年以降は昭和の日として祝日のまま残っているが、平成が終わる来年以降、平成の天皇誕生日は祝日ではなくなるという事を伝える内容だ。  因みに戦前は天皇誕生日を天長節と呼んでいたようで、明治天皇の誕生日・天長節(大正以降は明治節)だった11/3は、今も文化の日として祝日になっている(一応文化の日の由来は明治天皇の誕生日でなく、1946年に日本国憲法が公布されたことによる)。大正天皇の誕生日・天長節、8/31は現在平日である。

ネット情報の信頼性について

 正月のテレビは年末に撮り貯めた特番ばかりでお節料理みたい、正月特番・特別編成はお節料理同様に正月感には欠かせないが、お節料理が取り立てて美味しいと思えない(あくまで個人の感想)のと同様に、正月番組も取り立てて面白くない(あくまで…)、などの話を 1/4の投稿 で書いた。それは地上波・BSに限らずCSチャンネル・ネット放送でも同じで、というかCSチャンネルや、大晦日を除いたネット放送局・AbemaTVの年末年始の一週間はほぼ再放送オンリーになる。キー局系のサブチャンネルなどは年中再放送だけだが、映画・海外ドラマ系、ドキュメンタリー系チャンネルなど、日頃新作・日本初放送番組を放送する局も再放送以外の番組が見当たらなくなる。これも1/4の投稿で書いたが、正月番組がつまらなかったり、再放送・総集編だったりするのは、テレビ業界の人達が休む為には仕方のない事で、ある意味では健全であり寧ろ地上波でも「再放送・総集編一色になるのが年末年始の風物詩」という傾向がもっと進んでもいいように思う。

平成も終わろうというのに尚続く昭和の悪い部分

 「平成最後の」という枕詞が、年末年始ということもあって昨今これまで以上に飛び交っているという話は、 12/31の投稿 と 1/1の投稿 で既に書いた。平成も残すところ後4か月で、昭和から平成への改元を経験している自分の感覚だと、元号が変われば何か新しい時代が始まるかのような気分になるのだろうと思う。その頃の自分はまだ10代だったし父親は公務員だったこともあり、その恩恵を強く感じていたわけではないが平成元年はまだバブル景気の中にあり、昭和から平成に元号が変わると素晴らしい時代がやってくるかのように思えた。  近代以前の日本には一世一元の決まりはなく、災害や不吉な出来事の悪影響を絶ちたいという思惑や、何かの区切りとして改元が行われることもしばしばあったそうで、昭和から平成への改元に限らず、 「何か新しいことが始まる感」を多くの人が元号が変わる事・変える事に感じていた ようだ。ただ、決して平成が最低最悪だったわけではないが、実際の平成はその頃の自分の想像とは大きく違い、全面的に素晴らしいと言えるような30年ではなかった。

2019年の正月三賀日を終えて

  正月三賀日も終わり、今日から仕事始めというところも少なくない 。ただ、2019年の1月は今日・4日を挟んで再び土日となる為、仕事始めは週明けの7日というところも割合多そうだ。しかし、相変わらず小売店やサービス業等元旦から営業している業種も少なくない。「90年代以前の大晦日・三賀日は、コンビニ含めてどんな店も休むから、その前に買い溜めしておくのが当然だった」という話をこれまでにも書いてきた気がする。年末には、一部の大手小売店などが元旦は休業の方針を示したと伝えられていたし、確かにそのような風潮が広がりつつあるようにも思うが、それでもまだまだ元旦のみでしかない。みんなで一遍に休むことが必ず正しいとは言えないし、休日出勤扱いの手当があったり、その分の代休が適切に配分されるならそれはそれでよいのだが、日本社会の傾向を見ていると、そのような手当が充分にされているとはまだまだ思えない。

テロとは一体なんなのか

 新年早々、深夜の原宿・竹下通りで男性8人が車にはねられ重軽症を負うという事件が起きた。確保された容疑者の男は取り調べに対して、 大阪からレンタカーに乗ってきた 31日に東京に着いた。明治神宮に入ろうとしたが規制で入れず、近くで止まっていた テロを起こした 死刑制度に対する報復でやった などと話しているらしい( 朝日新聞の記事 )。車内からはポリタンクに入った灯油と高圧洗浄機もあったそうで、事件直後の容疑者からは灯油の臭いがしていたそうだし、「 事件を起こした後、灯油で車ごと燃やそうと思った 」などとも話しているそうだ( テレビ朝日の記事 )。

TPP発効に感じる、それぞれの思惑

 TPP:Trans-Pacific Partnership Agreement/ 環太平洋パートナーシップ協定が2018年12/30に発効した。これをロイターは「 TPP、日本含む6カ国で発効 アジア太平洋地域に巨大自由貿易圏 」という見出し、朝日新聞は「 TPP11発効、適用まず6カ国 果物・野菜の関税撤廃 」という見出しで伝えた。  まず、これまであんなに紆余曲折あったTPPなのに、TPP発効についてのメディアの扱いが小さい事、その影響かどうかは定かでないが、日本国民の注目がそれほど高くない事がとても不思議だ。これまで選挙の度に、有権者が投票先を選ぶ基準の第1位として経済が挙下られてきたのに、確実に今後の日本経済に大きく影響するTPP発効に対してメディアも国民も注目度が低い事や、経済政策を大きな売りの一つにしている筈の政府がこれについて大々的な発表をする姿勢、関係者がいつものように誇らしげに主張する姿が見えないのはとても興味深い。

2019年早々、残念なNHKの報道

 昨日・ 2018年大晦日の投稿 の冒頭でも、年末という事も相まって「 平成最後の 」という枕詞が便利に使われている、ということを書いたが、今年・2019年のお正月も平成最後のお正月だし、元号が変わるまでこの「平成最後の」は使われ続けるだろう。というか寧ろこれからの方が「平成最後の」の本番だ。  そんな平成最後の年末から平成最後のお正月(年明け)にかけても、NHKは例年のようにゆく年くる年を放送していた。12/1の投稿「 NHKの光と闇、NHK報道に感じる不信 」や、10/1の投稿「 NHKへの不信感 」でも書いたように自分は、NHKの、特に報道に結構な不信感を持っているが、今年のゆく年くる年ではそれを再確認させられるようなことがあった。番組中に 皇位継承に伴う新元号 4月1日公表へ 安倍首相方針固める というニュース速報が表示されたのがその原因だ。