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再燃する杉田LGBT差別発言、新潮社と自民党の共通点


 7月、自民党杉田議員が書いた「LGBTは子供を産まないので生産性がない」という旨のコラムを、新潮45が掲載して大きな波紋を呼んだ。この件については、掲載から約2カ月経つ今もまだまだ注目が集まっているような状況で、例えば、BuzzFeed Japanは9/18にも「言葉には副作用があることをわすれないで 杉田水脈発言で傷つくがん患者たち」という記事を掲載しているし、これまでもしばしば関連記事の掲載を続けている。また、昨日の投稿で取り上げた自民党総裁選に関する討論会でも話題の一つになっていた。
 この話題について、9/16に朝日新聞が掲載した記事「杉田水脈氏への批判は「見当外れ」 新潮45が掲載へ」を見て自分の目を疑った。9/18発売の新潮45 10月号が「そんなにおかしいか「杉田水脈」論文」という企画を掲載するというのだ。杉田氏は自身のコラムに「LGBT支援の度が過ぎる」というタイトルを掲げていたが、自分は、
 (新潮45は)杉田水脈支援の度が過ぎる
としか思えなかった。


 朝日新聞が記事を掲載したことが話題になり当該誌発売前にも関わらず大きな批判が起きた。その時点ではまだ当該誌は発売前だったことを勘案して、「一次ソース(要するに実際の記事内容)を見てから批判すべき」と主張している人が複数見られたが、記事内容はまだ公開されていなくとも、当該誌の表紙は既に公開済みで、掲載される企画・コラムのタイトルまで公開されている状態であり、更に 最新号Pick Up では、
【特別企画】そんなにおかしいか「杉田水脈」論文
8月号の特集「日本を不幸にする『朝日新聞』」の中の一本、杉田水脈氏の「『LGBT』支援の度が過ぎる」が、見当外れの大バッシングに見舞われた。主要メディアは戦時下さながらに杉田攻撃一色に染まり、そこには冷静さのカケラもなかった。あの記事をどう読むべきなのか。LGBT当事者の声も含め、真っ当な議論のきっかけとなる論考をお届けする。
という企画の説明も掲載している。

 新潮45 2018年10号のページのスクリーンショット

 確かに、本質的な記事の評価は当該記事本文を読まなくてはできないが、この企画が掲載される背景に杉田議員の差別的な主張と、それを掲載した当該誌が存在していることは紛れもない事実で、万が一その内容が見出しとは真逆の内容であったとしても、「そんなにおかしいか「杉田水脈」論文」という企画を掲載すること自体が、杉田氏の主張によって蔑ろにされた人達(LGBTに限らず、子供ができない人達や、生産物扱いされた子供たちも)に対する配慮を著しく欠いた行為であり、内容云々以前の時点で批判に値する、要するに一次ソースを当たるまでもなく批判を受けて当然だと自分は感じていた。

 昨日当該号が発売されて、前段の一次ソース云々なんて全く無駄な話だという事が明らかになった。7/23の投稿で杉田氏の書いたコラムを批判した際に自分はこう書いた。
 自民党・杉田水脈・衆議院議員が書いた「「LGBT」支援の度が過ぎる」という見出しのコラムが話題になっている。見出しですら既に首を傾げたくなるような表現だが、内容も悪い意味で期待、というか懸念を裏切らない。
今回も全く一緒だった。詳細については他でもいろいろ論じられるだろうし、あまりにも気分を害する文章のオンパレードだったので詳細は割愛するが、率直に言って、差別をどうにか正当化したいだけの、短絡的な子供の言い訳以下の文章が並んでいたとしか言いようがない。流石に2度目なので、こんな文章を掲載した新潮45だけでなく、発行している新潮社にも強い嫌悪感を感じる。新潮社も杉田氏に適切な処分をしない自民党と同じように思う。

 冒頭でも紹介したように、杉田氏の発言についてはTBS・News23の総裁選討論の中でも取り上げられており、これについて発言があった時点での安倍氏の述べた見解をハフポストが「杉田水脈氏の「生産性」発言を安倍首相が擁護「まだ若いですからしっかり注意しながら仕事して欲しい」という見出しで記事化している。安部氏は
 私の夫婦も残念ながら子宝に恵まれていません。だからと言って「生産性がない」というと大変辛い思いに、私も妻もなります。
 政治家というのは、自分の言葉によって人がどのように傷ついていくかということについては、十分に考えながら発言をしていくべきなんだろうと思います。
 私たち(は同じ)自民党ですから「あなた、お前、もうやめろ」というわけではなく、まだ若いですから、そういうことをしっかり注意しながら仕事していってもらいたいと、先輩としてはそういう風に申し上げていきたいと思います。
 党としても「多様性」について尊重する党であります。私も例えば、ルクセンブルクの(グザヴィエ・ベッテル)首相は同性婚していることをカミングアウトしてますが、彼はもっとも親しいヨーロッパの首脳の一人です。彼からは、ヨーロッパで何かわからないこと・困ったことがあればすぐに電話してほしいと、携帯電話の番号まで聞いています。つまり多様性が今世界の中で求められている中において、それを十分に理解をしていくことが求められているんだろうなと思います。、
 自由民主党がそういう党ではないということではないはということは申し上げておきたいと思います。
と述べ、彼女の主張は自民党の党としての主張とは異なるが、まだ若いから大目に見る、というような見解を示した。例えば、杉田氏がこれまでの批判や党からの注意を受けて謝罪しているのなら、安倍氏の見解にもある程度の合理性があると言えるかもしれない。しかし実際にはそんな事実はないし、朝日新聞の記事「自民、LGBT議連の質問状に回答せず 杉田氏も「…」」によれば、LGBT議連が、杉田氏の主張や性的少数者に関する法整備、地方自治体による同性カップル公認制度などについて、自民党総裁である安倍氏の見解を問う質問状への回答を求めたのにも関わらず、回答はなかったようだし、杉田氏もそれに関する取材に関して無言を貫いたようだ。このような状況では、自民党や安倍氏は前述のような見解を示しているが、それは総裁選用等の見せかけのスタンスで、実質的には杉田氏の主張を容認・黙認していると言わざるを得ない。
 このようなことがどのような影響を生み出すかは、前述のハフポストの記事に寄せられたコメントが物語っている。



杉田議員 最高です🇯🇵👍
暫くは突っ張って欲しい👍

若手議員の特権
バッシングを受けるのは
真実を突いているから👍

安倍総理の擁護を受け頑張って欲しい。🇯🇵

ハフポストが見出しに用いた「杉田水脈氏の「生産性」発言を安倍首相が擁護」という表現に引っ張られている部分もあるだろうが、結局、自民・安倍積極支持者の中にはこのように受け止める者も少なくないということだろうと自分には思える。果たして安倍氏はこのような状況を望んでいるのだろうか。
  私の夫婦も残念ながら子宝に恵まれていません。だからと言って「生産性がない」というと大変辛い思いに、私も妻もなります。政治家というのは、自分の言葉によって人がどのように傷ついていくかということについては、十分に考えながら発言をしていくべきなんだろうと思います。
と彼が本当に思っているのなら、もっと明確に「杉田氏の発言は政治家としては当然の事、一個人的な主張としても適切とは到底言えない」と、彼女の発言を擁護するつもりは一切ないことを示すべきではないのか。


 自分には、安倍氏は現状認識能力が著しく低いか、認識はしているが言動が適切か否かよりも支持層への配慮を優先している、若しくは示した見解とは裏腹に本心は杉田氏と同質、のどれかのようにしか思えない。この3択のどれであっても与党総裁・首相に相応しい人物とは言えないし、彼がその座にある限りは性的・民族的・障害者等への差別や、子供のいじめが解消するようなことはないだろうとしか思えない。

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