自分が住んでいる地域は某米軍が使用する飛行場から10km圏内である為、航空機が飛行する音がかなり頻繁に聞こえる地域だ。時には「うるさいな」と思う事もあるものの、線路の側に住んでいれば電車の音が聞こえるだろうし、学校の側に住んでいれば子供の声などが聞こえてくるだろうし、飛行場の側に住んでいれば飛行機やヘリコプターの音が聞こえるにはある程度仕方がないとも思う。というか日常的なことなので慣れてしまったと言うべきかもしれない。しかしそれでも、夜中に飛行機が轟音を立てて飛んでいれば「今飛ぶ必要あるの?」とも思うし、「お前ら暴走族と同じようなもんじゃねぇか」とも思う。
日中の廃品回収業者や選挙街宣活動はうるさいと思いつつも、自分だけが住んでいる街ではないしそれも仕方ないと思うが、流石に日曜の朝8:00前からそんなことをされれば、文句の一つも言いたくなる。
飛行機の音と言ってもまちまちで、ある程度離れたところを飛んでいれば窓を閉めれば聞こえない場合もある。しかし低空でほぼ頭上を飛ばれると、窓がガタガタと振動してテレビの音が聞こえなくなるような轟音になる。テレビの音が聞こえなくなる、つまり隣にいる人と話せなくなるような轟音は流石に「うるさい、止めてくれ」という気分にさせられる。
今日は朝7:30過ぎにそんなヘリコプターの轟音に起こされた。2機飛んでいたようで、1回目の轟音で目が覚め、2度目は窓がガタガタと振動し自分の声すら聞こえなそうなくらいの轟音だったことを明確に確認した。「大きな交通事故でもあったのだろうか?」とまず最初に考えた。東名高速や中央道などで大きな事故が起きたり、それ以外でも何か事件があったりすると、報道のヘリが飛んでいく音が聞こえたりするからだ。もう少し寝ていたかったと思いつつ、目が覚めてしまったので何気なくテレビをつけていると、トランプ氏が首相とのゴルフに向かう為にヘリコプターへ乗り込む姿が生中継された。自分が起こされた轟音の原因は、彼を迎えに行くヘリコプターの音だった。
「首相と米大統領がゴルフ外交をする」という話について、日本のメディアは概ね無批判に伝えている。ハッキリ言ってあまりにも馬鹿げている。4/30の投稿でも書いたが、重要な話題があるならゴルフをしながらではなく、然るべき場所で真剣に会談を設ければいい。酒飲みが花見を口実に宴会を催すようなもので、首相も米大統領も単にゴルフがやりたいだけだ。それは外交でもなんでもない。そんなことの為に、日曜の朝8:00前から市民の頭の上を轟音を立ててヘリを飛ばされて果たして納得がいくだろうか。勿論納得など出来る筈がない。自分がもし暴走族だったら、マフラーの不備を警察に指摘されたらこう言うだろう。「米大統領や首相も自分の娯楽の為に、窓が割れんばかりの轟音をたてるのだから、俺たちのバイクなんてかわいいものだろう」と。
首相がこんなツイートをしているものだから余計に腹が立つ。
令和初の国賓としてお迎えしたトランプ大統領と千葉でゴルフです。新しい令和の時代も日米同盟をさらに揺るぎないものとしていきたいと考えています。 pic.twitter.com/8ol8790xWY— 安倍晋三 (@AbeShinzo) 2019年5月26日
昨日の投稿でも書いたが、 他国ではトランプ氏訪問に合わせてデモが起きたことなどが伝えられているのに、トランプ氏の訪日については政府とメディアが一体化して歓待ムードを盛り上げている。海外から日本がどのように見えるかを考えると、「恥ずかしい」以外の言葉が見当たらない。
昨日首相はこんなツイートをしている。
しかもこれを、NHKは嬉々としてヘリまで飛ばして中継した。トランプ大統領御夫妻が令和初の国賓として訪日中です!スカイツリーも星条旗のデザインの特別ライトアップでこの歴史的訪問を歓迎してくれています。妻と私は明日大統領御夫妻とお会いするのを楽しみにしています!#東京スカイツリー #トランプ大統領 https://t.co/lF8KgKclix— 安倍晋三 (@AbeShinzo) 2019年5月25日
「星条旗カラー」なのだそうだが、所謂トリコロール・白青赤の組み合わせの国旗というのはかなり多い。色の順序は異なるがオランダやロシアの国旗のようにも見えるし、見ようによっては北朝鮮国旗カラーに見えなくもない。
また、大統領が大相撲を観戦し枡席を独占するという話も話題になっている(ニューズウィーク)。個人的にそもそも暴行問題や女性蔑視を有耶無耶にしたことなどから大相撲への興味は一切なくなったので、トランプ氏が観戦しようがしまいがどうでもいいのだが、それらの際に伝統云々と言っていた人達は、トランプ氏が枡席を独占したり、本来座布団で座るべきところに椅子を持ち込んだりすることを何とも思わないのだろうか。また、しばしば伝統云々という話を持ち出す首相はそれを認めるのだろうか。それを認める首相に積極支持者らは何も思わないのだろうか。
もし彼らが何も思わないのだとしたら、それはもう単なる個人崇拝で、宗教のようなものだとしか言えない。個人崇拝には独裁を助長する懸念がある。
兎にも角にも、この異様な程のトランプ歓迎ムード自体が、既に日本の社会にまともな判断力が欠如していることの証拠だろう。トランプ氏は白人至上主義を明確に否定せず、女性蔑視発言も厭わない、そして中東の歴史を顧みず、国連決議に反してエルサレムを首都と認めて大使館を移転させるような人物だ。最近の彼はイラク戦争と同じようなことをイランに対して仕掛けようとしているようにも思える。日本の政府やメディアは何故そんな人物をこれ程までの歓待で迎えるのか。その歓迎ムードに疑問を感じないのか。言葉は悪いが薄気味悪いしうすら寒い。
ハッキリと言いたい。
と 。日本社会は既に病んでいる