「麻生副総理がまた不適切発言 地元・福岡で「日本は一つの民族」|【西日本新聞ニュース】」によると、麻生 太郎は1/13に、福岡県で行われた国政報告会の中で、日本について「2千年の長きにわたって、一つの民族、一つの王朝が続いている国はここしかない」と述べたそうだ。普段自分はどんな人に対しても何かしらの敬称を付ける。たとえそれが不適切な行為を行った者でも。しかし今日の投稿では、強い軽蔑の思いを込めて、敢えて麻生 太郎を呼び捨てにする。
西日本新聞の記事にもあるように、多くのメディアがこの麻生の発言に関して、2019年4月に成立した、法律として初めてアイヌを先住民族と明記した「アイヌ民族支援法」との矛盾を指摘している。例えばテレビ朝日も今朝のニュースを記事化した「麻生大臣「2000年 1つの民族」 政府方針と矛盾か」で同様の指摘をした。
そう指摘された麻生は、
政府の方針を否定するつもりはない
別に政府の方針を否定するつもりは全くありませんから。誤解が生じているなら、おわびのうえ、訂正します
と、今朝の会見で述べたそうだ。
因みに、これを報じたテレビ朝日の記事「麻生財務大臣「日本は長く一つの民族」発言を訂正」は、Google検索ではヒットし、閲覧することも可能なのだが、この投稿を書いている1/14 14:30の時点では、その時点で最新のニュースにも関わらず、何故かテレ朝ニュースのトップページにも、そして政治ジャンルのページにも掲載されていない。また、同サイトにて記事の見出しで検索しても結果は0件だし、「麻生」のみで検索しても、前述の今朝のニュースの記事が最初にヒットする。意図的な操作か何かのミスかは定かでないが、昨日の投稿でも書いたように、政府とテレビ各局の癒着を懸念しているので、良からぬ企みが裏にあるのではないか?と想像してしまう。
TBSも昼のニュースで、テレビ朝日と殆ど変わらぬ内容の「「一つの民族」発言、麻生氏が謝罪「誤解生じたなら訂正」 TBS NEWS」を報じた。
TBSもテレビ朝日も、
誤解が生じているなら、おわびのうえ、訂正しますと申し上げたとおりという麻生の発言を、 よくも謝罪や訂正などという見出しで報じられるな、としか思えない。
そう感じられる理由は複数ある。まずは、麻生の当該発言が「誤解が生じた」では片付けられない内容だからだ。 メディア各社はアイヌ支援法との矛盾だけを指摘しているが、当該発言は沖縄の存在とも矛盾する。
元来沖縄は琉球王国だった。明らかに本土の大和民族とは異なる民族性・文化を持つ存在である。つまり沖縄を勘案すれば、日本が2000年間単一民族の国ではなかったことは明々白々だし、沖縄には琉球王朝があったのだから、一つの王朝しか存在していないという話も明らかに間違いである。麻生の発言は沖縄を明らかに軽視した発言であり、これこそが、現政府が頑なに普天間基地の辺野古移設反対という沖縄の民意を受け入れず、無視し続けていることの背景と言えるのではないだろうか。
麻生は2005年にも、九州国立博物館(福岡県太宰府市)の会館記念式典の祝辞で
(日本は)一国家、一文明、一言語、一文化、一民族。ほかの国を探してもないと述べており、今回の麻生の発言は、2005年の発言と殆ど同じことを繰り返した格好だ。過去にはアルツハイマー病を馬鹿にするような発言もしたことがある麻生だが、彼は自身の過去の発言内容と、それにどのような反応・批判が寄せられたかを覚えていられないようだ。
- 「射撃手」麻生氏、3度目の自民総裁選も逃す 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
- 麻生首相の歴史認識に関する質問主意書
- 麻生太郎 日本は「一国家一文明一言語一文化一民族」発言 - YouTube
麻生氏は総務相時代の2005年にも「一文化、一文明、一民族、一言語の国は日本のほかにはない」と発言し、北海道ウタリ協会(当時)から抗議を受けたと後者の件について触れているが、TBSもテレビ朝日もそれらのことには一切触れず、「麻生が発言を訂正し謝罪した」とだけ伝えている。これでは、一部の者が「訂正して謝罪したんだったら、いいんじゃん?」と軽く捉えてしまうことが懸念される。2019年9/10の投稿でも書いたように、麻生の暴言・放言は枚挙に暇がなく、その度に訂正と謝罪をしている。かなりハイペースでそれを繰り返していることを勘案すれば、どう考えても麻生の謝罪は「口だけ」だ。TBSやテレビ朝日がそのことにすら触れず、「麻生が発言を訂正し謝罪した」とだけ伝えるのは、果たして妥当な報道姿勢と言えるだろうか。自分には到底そうは思えない。
麻生は1/12に出席した福岡県直方市の成人式で、
皆さんがた、もし今後、万引きでパクられたら名前が出る。少年院じゃ済まねえぞ。間違いなく。姓名がきちっと出て「20歳」と書かれる。それだけはぜひ頭に入れて、自分の行動にそれだけ責任が伴うということを、嫌でも世間から知らしめられることになる。それが二十歳だ。と発言したそうだ(麻生太郎副総理「パクられたら名前出る。それが二十歳」:朝日新聞デジタル)。
自分の発言に関して一切責任をとらないジジイが何を偉そうに説教しているのか。コレが「余人に代えがたい」by安倍 とされ、7年もの間日本の副総理をやっているのかと思うと眩暈がする。
因みに近現代史研究家で軍歌やプロパガンダが専門の辻田 真佐憲さんは、麻生の当該発言を受けて
「2千年の長きにわたって一つの場所で、一つの言葉で、一つの民族、一つの王朝が続いている国」。これでポスターを作ってほしい(皮肉です)。— 辻田 真佐憲 (@reichsneet) January 13, 2020
麻生太郎氏「日本は2千年、一つの民族」政府方針と矛盾:朝日新聞デジタル https://t.co/UP2RPcrL4M
皮肉を皮肉と書かないと通じないのもどうかと思うけど。。— 辻田 真佐憲 (@reichsneet) January 13, 2020
ナチスの手法に学んでいくスタイル。— 辻田 真佐憲 (@reichsneet) January 13, 2020
パリで昔撮ったポスター。「ひとつの民族、ひとつの国家、ひとりの総統」。 pic.twitter.com/zYVyoYnuBe— 辻田 真佐憲 (@reichsneet) January 13, 2020
とツイートした。万が一ツイートが削除された時の為に注釈しておくと、最後のツイートに添付されているのは、ナチスのスローガン「一つの民族、一人の総統、一つの国家 (ein Volk, ein Führer, ein Reich)」が添えられたヒトラーのポスターだ。
麻生は2013年に憲法改正に関連して、ナチス政権を引き合いに出し、「手口を学んだらどうか」と発言したこともある(麻生太郎氏「ナチス」発言を撤回 「誤解を招く結果となった」 | ハフポスト)。