スキップしてメイン コンテンツに移動
 

「公務を優先し育休取得する」と宣言した進次郎氏が優先したのは…


 小泉 進次郎環境大臣が「2週間の育児休業を取得する」と宣言したことが、先月話題になった。トップ画像でも示したように、彼はその際に「公務を最優先にしながらも、柔軟に通算2週間を、確保していきたい」と述べた。公務を最優先、確かに彼はそう言っていた(1/16の投稿)。
 それから約1ヶ月後の現在、小泉氏らが、地元の会合を優先し、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部を欠席したことが報じられている。

 2/18の国会審議で共産・宮本議員は、小泉氏が政府の感染症対策会議を欠席し、地元の新年会に出席していたことを追求した。TBS・NEWS23は、宮本氏に「その時間帯に地元で何をしていたのか」と何度問われても、質問に答えず「危機管理は万全」と壊れたラジオのように繰り返す小泉氏の姿を放送した(小泉環境相、地元優先?コロナ対策会議を欠席 TBS NEWS)。


こんな答弁する小泉氏には失望しかない。そしてそんな答弁を許してしまう自民・棚橋委員長は、議論を円滑に進める資質に著しく欠けていると言わざるを得ない。各委員会の委員長や本会議の議長は、議席の都合上与党から選出されるが、現政権に限らず、政府と一体化した与党による国会の運営はもう限界にきているのではないか。これまでもしばしばそう思える場面はあったが、現政権下ではその傾向が特に酷い。

 集英社でプレイボーイの編集長を務め、現在はフリーの編集者/ライターとして活動している鈴木 耕さんは、この小泉氏の答弁を、


と評した。先週末、安倍首相は立民・辻元氏の「鯛は頭から腐る」という指摘は罵詈雑言だとして、「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばし、今週の国会冒頭で形式ばかりの謝罪を行ったが(2/18の投稿)、小泉氏の質問に答えない答弁を見ていると、「彼を任命した安倍氏のそれに倣ったんだろうな、もしかしたら安倍氏らから小泉氏に対して、そうするようにと指示もあったかもしれない」としか思えない。「鯛は頭から腐る」は、実状に即していないなら中傷になる恐れもある表現だが、辻元氏の指摘は的確だったとしか思えない。

 さらに酷いことに、自民・森山国対委員長は、この小泉氏への追求に関して
できれば大臣自身が出席したほうがいいと思うが、いろいろなことで出席がかなわないことも現実にはある。大臣に代わる人が出席することで事足りると思う
と述べた(小泉環境相 新型肺炎の対策本部欠席めぐり問題なしの認識 | NHKニュース / インターネットアーカイブ)。


 一方で立民・蓮舫氏はこのようにツイートしている。


どう考えても、森山氏ではなく蓮舫氏の見解が妥当としか思えない。緊急を要している新型コロナウイルス対策会議よりも地元の新年会を優先することが妥当で、代役が出席すれば問題ないのだとすれば、大臣など設ける必要はない。 大臣にはその職務相応の報酬が支払われるが、その原資は国民が納めた税金だ。
 場当たり的にいい加減なことを言う者を国会対策委員長に据えていて、その他大勢の自民党議員や党員・支持者は恥ずかしくないのか。

 小泉氏は2/19の審議の中で、前日からの指摘にやっと応じた答弁をしたが、それでも
2月16日は横須賀の後援会の会合へ出席をし、大臣政務官に危機管理の政府のルールにのっとった対応をさせて頂いたところである。ただ、地元の会合の出席、問題だとそういったことに対してその声を真摯に受け止めて反省をしていると、そういったことでありますので、ご理解を頂ければと思います
「反省」という言葉は使っているが、落ち度を全面的に認めたわけではなく、未だに「そういう批判もある」というスタンスだ(新型コロナ対策会議欠席の小泉大臣「反省している」テレ朝news)。


自分の過ちを認められない者、現状を直視できずに都合よく解釈する者に、緊急時に充分な対応が出来るとは思えない。
 また、彼が「公務を最優先にしながらも、柔軟に通算2週間(の育休)を、確保していきたい」と述べたことを勘案すれば、彼の言葉には何の信憑性もなく、小泉氏の「育休取得宣言」は、寧ろ逆風にすらなってしまうのではないか、と危惧する。彼の育休取得宣言に賛同しかねる旨を1/16の投稿で書いたが、 不安が的中した、という感想しかない。


 読売新聞は昨日、「小泉環境相ら3閣僚、地元新年会を優先し新型肺炎対策本部を欠席」と報じた。


見出し通りの内容で、小泉氏だけでなく、森法務大臣と萩生田文部科学大臣も地元の会合を優先し、2/16の感染症対策会議を欠席していたという内容だ。
 前新潟知事の米山 隆一氏は、これらの件に関して次のようにツイートしている。


自分も同じテーマに2/18の投稿で触れたばかりだ。首相/政府/与党の強引で不誠実な主張と、その支持者による強引な擁護は目に余るものがある。こんなことを続けていたら、どんどん国全体が没落してしまう。ぼーっとしていればしている程、リカバリーはどんどん大変になっていく。


 とりあえず、今、日本の有権者には

 税金をドブに捨てている

という自覚を持って欲しい。捨てたい人が捨てるのは構わないが、巻き添えをくうのはまっぴら御免だ。税金でピンとこないなら、桜を見る会をゲームに、有権者を課金する(税金を払う)プレイヤーに例えた、ダースレイダーさんの書いた記事
を是非読んで欲しい。桜を見る会の問題だけでなく現政権による政治全般に当てはまる話だ。

このブログの人気の投稿

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。