オースティンパワーズは、マイク マイヤーズが脚本・主演を務めた1997年のコメディ映画で、計3本のシリーズ化もされた人気作である。どれも007シリーズのパロディで、2作目/3作目のサブタイトルには007のサブタイトルをもじったものが付けられている。英語圏のコメディなので直接的であまりにも馬鹿馬鹿しいネタが多く、日本では好き嫌いがかなり分かれる(オースティン・パワーズ - Wikipedia)。
先月電車の中で「バカも休み休みYeah!」と書かれたメッセージTシャツを着ている人を見かけた。どこかで聞いたことのあるフレーズだな…と思って調べてみると、果たしてそれが初出なのかは定かでないが、元ネタはオースティンパワーズ日本版の宣伝に用いられたキャッチコピーのようだ(Amazon.co.jp: オースティン・パワーズ【字幕版】 [VHS]: マイク・マイヤーズ, ジェイ・ローチ, マイク・マイヤーズ: ビデオ)。
この投稿のテーマは「バカも休み休み言え」である。
中小企業への200万円、個人事業主への100万円、給付の条件は「収入が半減」年末【安倍首相記者会見】 | ハフポスト
これは、昨日の投稿でも触れた緊急事態宣言に関する4/7の首相会見、に関する記事である。見出しの通り、安倍が、中小企業に最大200万円、フリーランスを含む個人事業主に最大100万円を給付する緊急経済対策について、
年末までの間に、今までと比べて収入が半減していれば出すという設計になっておりますと述べたことをクローズアップした内容だ。
自粛等の影響をモロに受けている中小零細は「もっても3ヶ月」というところも多く、当座の資金繰りにも窮し、今すぐにでも廃業に追い込まれそうな人たちも少なくないのに年末まで?一体この男は何を言っているのだろうか。バカも休み休みにして欲しい。
首相や政府がこのような見当違い甚だしいことを言う度に、各方面から異論・反論、そして悲鳴にも近い声が上がる。今日の昼のニュースでは、
ナイトクラブ経営者ら 自民党に経済補償求め陳情
と報じられていた。これは厚労省が性風俗店や水商売を支援対象から除外したことに対するカウンターである。また、少し前には、槍玉にあげられたライブハウスやクラブ等の関係者も異論の声を官房長官に訴えていた。
DJ Nobu、新型コロナウイルスによるクラブ等経営悪化への支援を求めるため菅義偉内閣官房長官に直訴 | Mixmag Japan
これまでも、政府・与党は感染症に関する経済対策としてお肉券やお魚券を配るとか、収束後の旅行代補助とか、感染拡大影の響を受けた飲食店で使える「GoToTravel」「GoToEat」などと銘打つクーポン券を検討とか、収束後の高速料金無料化案とか、
- 「お肉券」「お魚券」構想頓挫 自民の経済提言に入らず [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
- 【独自】政府が観光業支援…国内旅行の半額補助など、感染終息後の回復狙う : 経済 : ニュース : 読売新聞オンライン
- 独自:観光・飲食など2兆円規模支援の方針|日テレNEWS24
勿論、目先の危機的状況に対応し、且つそのような検討もしているのなら、それは素晴らしいだろうが、現状はまったくそうなっていない。明らかにバランスがおかしい。それらの話が出る度に異論や批判をしないといけないような状況では、そんな政府に対応を任せていられない、と考えるのが自然でないだろうか。1から10までツッコむ必要がある政府に期待など全く持てない。だから昨日の投稿のタイトルを
日本=高速を逆走する恐れのある高齢者が運転するバス
とした。いちいちツッコみを入れないといけないことの不合理性は他にもある。ライブハウスやクラブ、水商売や性産業などの所謂夜職界隈は、幸運なことにまとめ役がいて、声をまとめて届けることができた。しかし、この状況で不利益を被っているのはそれらの業界だけではない。町の飲食店、観光業、その他にも深刻な影響を受けている人達は確実にいる。勿論、観光業等声を上げている人達もいるが、中にはまとめ役不在だったり、声を上げるのが下手だったり、心無い中傷に晒される懸念があるなど様々な理由で声を上げられない人達もいる。声を上げても話題にならない人達だって確実にいる。
声を上げた人達だけが救われるという状況では、そのような人達は取りこぼされることになってしまう。それでは確実に不公平が生じてしまう。
これを機に外国籍の方に対する給付等はしっかり見直した方がいいと思います。— 杉田 水脈 (@miosugita) April 4, 2020
本来国民を保護するのは国籍がある国家の責任。日本に居る外国籍の方を保護する責任はそれぞれの母国にあります。
但し相互主義の考え方で、自国(外国)に居る日本人に対し、給付や支援を行なってくれている国に対しては、 https://t.co/OshxfopA4e
選挙権も納税の有無は関係ありません。非課税世帯だろうが、高額納税者だろうが関係なく「日本国籍を持つ成人」が絶対にして唯一の条件。同様に、最終的な生活保障の責任を負うべきは国籍を持つ国です。他国が日本国民を同様に扱っているならば相互主義もあり得ると思いますが。国籍を軽んじ過ぎです。 https://t.co/QfalHStBTB— 小野田紀美【自民党 参議院議員(岡山県選挙区)】 (@onoda_kimi) March 31, 2020
このように、与党議員が平気で外国人差別を主張すれば、間違いなくそれに同調する者が現れるし、その影響で声を上げることを躊躇する者も生じるのは当然の成り行きだ。
因みにドイツでは、国籍に関係なく助成金が既に支給されたそうだ。
ドイツの緊急助成金はオンライン申請が可能で、記入内容は少なく、振り込みまで2日という早さ。しかも、外国人にまで支給されたということです。#wbs pic.twitter.com/rjhJQoCjx0— 世界四季報 (@4ki4) April 7, 2020
声を上げないと救済されない世の中は間違いなく妥当でないし、声を上げてもなお無視されるような世の中は言うまでもない。「バカも休み休み言え」と言いたくなるような、1から10までツッコむ必要がある政府は、早急に退場させないと事態がどんどん悪化していく。
3/6の投稿で、
政府が「昨日までやってきた事」はとりあえず棚上げにして、「今日からすべき事」の話に集中してほしい。という、元TBS報道キャスターの下村 健一さんのツイートを批判したが、これまでのことを度外視していたら、今日からすべきことに関する妥当な判断ができるはずなんてない。