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矛盾や整合性の低さは不信の素、不信は不安の種、不安は混乱の肥料


 「裸の王様を船長にしていたら、その船は沈んでしまう」という内容の投稿を、2019年11月に書いた。適切な指摘であっても、自分に都合が悪ければ片っ端から排除し、周りをYESマンの太鼓持ちばかりにしている裸の王様を船長にしていたら、その船は沈んでしまう、と。それから約4ヶ月が経ったが、今まさにそれが現実味を帯びてきた。

 あくまで個人的な評価であるが、このコロナ騒動によって、これまで概ね信頼できると思っていた人やメディア/組織の一部に関する評価を下げざるを得なくなった。例えば、これまでも中央官庁も大概だとは思っていたが、内閣や大臣は信頼出来なくとも、それに忖度する一部を除けば、まだまだ信頼できる部分もあると感じていたが、特に厚労省に関して、3/4の投稿で指摘したこと等を理由に、全く信頼のおけない組織であると感じるようになった。
 厚労省に限らず他の省庁も同様で、「新型コロナウイルスの感染拡大でトイレットペーパーが不足する」という誤った情報がSNSなどで広がっていることを受けて、農林水産省は米やそのほかの食料品について、冷静な購買行動を!とツイッターで呼びかけた(「食料品は不足していません!」新型コロナのデマ情報受け、農林水産省が落ち着いた購買行動を呼びかける | ハフポスト)。


 自分は、3/2の投稿2/29の投稿などでも指摘したように、デマが流行り混乱が生じている最も大きな原因は、政府や首相が行き当たりばったりで量的にも質的にも不充分な整合性に著しく欠ける対応しかしていないことだと考えているので、混乱を解消したいなら、首相や厚労省の杜撰でいい加減で、整合性に乏しい対応や、方針を示すことをまずなんとかさせたらどうか?それが止まない限り市中の不安は解消できないし、不安が解消しなければ混乱も止まない、としか思えず、身内を棚に上げている様に見えてしまう為、逆に不信を覚える。


 Buzzfeed Japanも今回の件に関連して、手放しでは信用出来ないと感じるようになった人/メディア/組織の一つだ。流石に政府や首相、厚労省のように全面的に信頼できないとまでは思わないが、例えば、3/4に掲載した「新型コロナウイルス感染拡大までの、約2ヶ月間に起こった変動」という記事もその理由の一つで、


3/4に掲載した記事で見出しには「約2ヶ月間に起こった変動」とあるのに、最初に挙げたのは1/30の「武漢市から邦人を帰国させた政府のチャーター機」である。それでは約2ヶ月間ではなく、約1ヶ月とするのが妥当だろう。
 新型コロナウイルスについて報じられるようになったのは1/8頃で、約2ヶ月とするならその頃から追うのが妥当だ。当時はまだ「人から人への感染は確認されていない、過剰に心配する必要はない」という見解を厚労省が示し、殆どの報道機関でもそのように報じられ、過剰反応を抑制しようという思惑からか、公的機関でも報道でも実質的にはヒトヒト感染が否定されていた時期だ(2/24の投稿)。Buzzfeed Japanも、当時はそんな論調の記事を掲載していたが「中国で発生している原因不明のウイルス性肺炎 冷静に正しい情報を」、結局、すぐにヒトヒト感染が確認され、当時過剰な心配とされたことの必要性はすぐに明白になった。
 「約2ヶ月」という見出しを掲げた当該記事のライターが、どんな意図で記事を書いたかは、それをなぜそのままBuzzfeed Japanが掲載したか定かでないが、このような背景を考えると、結果的にではあるが、状況に即していたとは言い難い記事を掲載したことから目を背けたい、という思惑があるように見えてしまう。

 また「新型コロナ、満員電車や映画館は危なくないの?専門家に聞きました」という記事も、Buzzfeed Japanの新型コロナ関連記事の信憑性を疑いたくなる理由の一つだ。この記事は見出しの通り、3/4の投稿でも触れた、厚労省や政府が「換気が悪く」「人が密に集まって過ごすような空間」で「不特定多数の人が接触する恐れのある場所」を避けろ、としているのに、ライブハウスやカラオケボックス、クラブなどを槍玉にあげる一方で電車やバスには一切触れられていない件に関する内容だ。


 このBuzzfeedの記事では、感染対策のプロである聖路加国際病院、QIセンター感染管理室マネジャーの坂本 史衣さんの見解として、
満員電車で皆が喋っていたり、歌っていたり、叫んでいたりすれば電車はリスクのある場所ですが、普通みんな無言ですよね。なので、たしかに換気は悪いし、人との距離は近いけれども、上で挙げられている場所に比べればまだリスクは低いと思います。
としている。だが満員電車の人と人の距離はカラオケボックスの比ではない。ライブハウスやクラブと同等かそれ以上だ。そして、つり革や手すり等での不特定多数の接触もあるし、おしゃべりをする人もいれば咳をする人もいる。こんな話で「挙げられている場所に比べればリスクが低い」なんて言われて、納得できる人は多分満員電車に乗った事がないんだと思う。というかこの坂本さんという人も満員電車に乗った事がないのかもしれない。
 また3/4の記事で書いたように、ハフポストの記事には、
3つの特徴に当てはまると思われるのは、都会の満員電車だ。厚労省に満員電車に対する見解を聞いたが「今は例示していない。今後のことはわからない」と答えるのみだった
という、厚労省に取材を行ったその返答が書かれているが、Buzzfeed Japanは厚労省には直接取材もしていないようだし、これではBuzzfeed Japanが忖度記事を書いているようにも見える。 

 更に2/27の投稿2/24の投稿の件もあり、Buzzfeed Japanの新型コロナウイル関連、特に医療的な分野の記事、そして一部の専門家の示す見解もだいぶ怪しくなっており、自称専門家は言うに及ばず、本当の専門家であっても、例えばクルーズ船対応は概ね適切だったと言ったりする者がいるのだから、「専門家」というだけで概ね信用できるとは限らない。疑ってかかる必要のあるものという認識に至っている。


 数日前に「「責任論は今でなくてもよい」という詭弁」「「批判」を適切に認識できない人達」という投稿を書いた。未だに「これまでを批判するのでなく先を見て」のような主張をする人がいる。残念なことに下村 健一さんもその一人だった。


下村さんは「政府が「昨日までやってきた事」はとりあえず棚上げにして、「今日からすべき事」の話に集中して」と言っているが、今も政府がデタラメに次ぐデタラメを重ねているのに、そんなことしたら更にデタラメが続くだけとしか思えない。メディアはさておき、主要な野党がやってるのは概ね「犯人捜し」ではなく不備の指摘だ。不備を棚上げしたら最善策は実現しない。
 例えば、今の政府が、細かい間違いは犯すが、概ね妥当なことを行っている状況であれば、下村さんの主張に賛成したかもしれない。しかし、どう考えても今の政府はやることなすこと見当外れ、整合性がない、としか思えない。
 最近は不埒な先生が多数報道される。教師と言えども完璧な人間などおらず、誰でも間違いを犯すことはある。振り返りざまに生徒に肘打ちを食らわせて怪我させた、などのようなことは起こり得る。タイミングが悪ければそういうことが続け様に起こり、故意を疑われることもあるかもしれない。そんな状況でもし災害が発生したとして、今は人手が足りないから生徒や児童の安全の為に、そういうことは一旦横に置いて「協力して最善を尽くしましょう」なら理解も出来る。しかし、もし「人間は酸素がなくても生きることが出来る」と主張する先生がいたとして、「あの先生は変なことを言うけど、そういうことは一旦横に置いて「協力して最善を尽くしましょう」」と思えるだろうか。自分には全く思えない。何故なら、そんな先生に子どもを任せたら、「酸素がなくても生きていけるから、水中に逃げましょう」とか、「密閉した部屋に籠りましょう」などと言いだしかねず、自分の子どもが窒息死させられかねないからだ。
 今からすべき事を考えるのに、「昨日までやってきた事」を棚上げなどできない。


 このように、信頼できると思っていた専門家や、公的機関の見解や発表に矛盾が生じれば、その分確実にデマが入り込む余地が生まれてしまう。そしてそれによる混乱も生じる。もう毎日そんなことばかり指摘しているが、事態が改善しないどころか、悪化しているようにすら見えるのだから、指摘を続けるより他ない。
 このような、恣意的な官房のツイ―トを見ても、今の政府と首相がその座にある限り、公的機関の発信が信頼を失い、デマが広がり混乱が生じることが解消しないのではないか。今の政府が続けば混迷は一層深まるとしか思えない。公認は与党から選出でいいので、与野党連携して不信任案を通す時期だ。ただ、自民党もこんなツイ―トをしており、そして党内から批判が殆ど聞こえないことを勘案すると、「後任は与党から選出でいい
ので」とも言えないくらい、そして「与野党連携して不信任案を」なんて全く期待できないくらい自民党も腐っているかもしれない。



 トップ画像は、Photo by Jason Blackeye on Unsplash を加工して使用した。

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