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65歳にもなってまともに日本語を使えない男を首相に選ぶ日本人


 日々新しい表現が生まれるが、その大半は流行の類であり定着することなく消えていく。新しく生まれる表現の内定着し一般化するものの方が確実に少ない。今年の4月期のアニメに、2018年からヤングマガジンで連載されている漫画を原作とした「ギャルと恐竜」があり、その主題歌・恐竜あげみざわ には、「マジ卍」「やばたにえん」「おけまる水産」などの歌詞があったが、放送開始時には既に廃れていた感があった。



 今日のトップ画像は、平安時代の女流作家・清少納言が枕草子の中で当時の若者言葉を嘆き、揶揄している一節である。詳細は既に2019年5/4の投稿に書いたので割愛する。その投稿では、昨今助詞「が」を過剰に多様する風潮と、受動表現を省略した雑な体言止めの濫用が、メディアの中の表現でも目立っていることに対する強い違和感について書いた。それらの表現はメディアの中ですらしばしば目にするのだから、最早定着しそうな域にあると言っても過言ではないのだが、なぜそれらの表現に違和感を覚えるのか、そのような風潮を危惧するのかと言えば、既に存在する他の正規表現との混同、つまり誤解が生じる恐れがあるからだ。

 2019年10/12の投稿でも清少納言の話に触れた。そちらの投稿では、「真摯な(うけとめ)」「丁寧な(説明)」「印象操作」など、恣意的な解釈による表現を首相が濫用することによって、最早詭弁レベルの表現が政府・行政、そして一般社会でも蔓延していることについて書いた。首相である安倍は、その投稿を自分が書いた後にも、
私は幅広く募っているという認識でした。募集しているという認識ではなかった
と国会で述べるなど、日本語を充分に理解しているとは到底言い難い言説が目立つ。これまでにも何度も書いてきたが、国会議員とは議論が本分である。日本の国会で議論をするには日本語の充分な理解は最低条件であるが、それを伴わない者が首相を務めている。しかももう7年以上も。

首相答弁でツイッター大喜利状態 「募る」と「募集」の違いをまじめに考えた:東京新聞 TOKYO Web



 先週から今週にかけて、九州など西日本を中心に断続的な大雨が降り、各所で大きな被害が出た。それに関する安倍のツイートがまた酷い。それらのツイートは複数の意味での酷さを内包しているのだが、ここでは日本語的な酷さについて指摘する。





 これらのツイートは、大雨被害に関する一連のスレッド化されたツイートの一部である。その中から、「ーしてください」というツイートを抜き出した。いずれも一体誰に対して「ーしてください」と指示、またはお願いしているのかが書かれていない
 例えば、2つ目のツイートの前半部分は、自治体と自衛隊は廃棄物の撤去を進めろ、と書かれている。しかしその後に再び、
また、周辺自治体の協力を得て、廃棄物の収集、撤去、広域処理を加速してください。
とある。 自衛隊と当該自治体へはその直前に「廃棄物の撤去を進めろ」としているので、この部分はそれらに向けた話ではなさそうだ。「周辺自治体の協力を得て」とあるので、周辺自治体へのお願いでもない。つまり対象にされているのは、個人的には被災者ぐらいしか思いつかないのだが、安倍は一体誰に対して廃棄物の撤去を迅速にやれと言っているのだろうか。自分がもし被災者でこのツイートを見たら「言われなくても分かってるよ、全く他人事で口だけ達者だな!」と思ってしまいそうだ。
 誤解や齟齬の原因になりかねないのに、なぜ誰への指示・お願いなのかを明確に書かないのか。そしてそもそも首相から自衛隊や自治体等への指示やお願いは、ツイッターを通じて行うべきものなのか。政府等行政機関に、もしツイッター以外に情報伝達手段がないならそれは一大事だが、当然そんなことはないだろう。誰への指示・お願いなのかを明確にしないのは、そのようなSNS投稿で「私はちゃんと指示を出して対応している」というアピールをすることが目的だからで、明確にしないことで、読んだ側が勝手に想像して補完するので、それぞれにいいように解釈させることで、より広範に指示を出している感が演出できるからではないだろうか。
 そんなのは考えすぎで、単にまともな日本語が使えないだけ、本当に他人事なだけかもしれない。また、恐らく安倍のツイッターアカウントへの投稿は本人によるものではないだろうから、安倍の周辺にはその程度の日本語力しかない者がいるし、いられるということでもある。 俗に組織は頭から腐ると言うが、今の日本がまさにその状態だ。


 なぜ日本人は、全くいい加減な日本語表現を乱発する男を首相に選んでいるのだろうか。冒頭で紹介したアニメ主題歌での表現も、清少納言が嘆いたのも、若者の日本語である。清少納言が現代人で、もし「恐竜あげみざわ」を聞いたら、枕草子に書いたのと同様に、日本語の乱れだと嘆くことだろう。しかし、60歳を過ぎてもまだまともな日本語を使えない男を首相に選んでいる現在の日本人のことは、それ以上に強く嘆き悲しむのではないだろうか。

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