WEF:世界経済フォーラムが2019年12月に公表した、男女格差を数値化したジェンダー・ギャップ指数で日本は153カ国中121位だった。2018年の149カ国中110位からさらに後退し、G7の中では安定の最下位だ(Global Gender Gap Report 2020 | World Economic Forum)。
今年の国際女性デー(3/8)に関する投稿の中でも指摘したが、諸外国、しかも先進国や欧米諸国だけでなく、新興国と比べても、国際女性デーに関する日本での報道、企業アピール等は、間違いなく例年通り少なかった。また女性局なる部署まで設け、女性活躍を公約に掲げている筈の与党は、昨年の参院選で、候補者男女均等法が2018年5月に成立してから最初の国政選挙だったのにもかかわらず、いきなりそれを無視した。
更に政府も7/21、2020年度までに指導的地位に女性が占める割合を30%にするという、2014年に世界経済フォーラム・ダボス会議で首相自ら宣言した目標を先送りし、20年代の可能な限り早期に実現すると方針を転換、簡単に言えば、目標達成できなかったから目標を撤回、しかも期限は設けないと言い出したのだ。つまり首相は公約を破ったということだ。
女性管理職30%目標、「20年代の可能な限り早期」に先送り-政府案 - Bloomberg
この話は2月の時点で既に報じられていて(女性管理職3割目標 「20年30%」から「30年まで」に先送りへ 政府 - 毎日新聞)、政府は正式に発表するタイミングをうかがっていたのだろう。7/21、つまり狂気の旅行促進策・GoToキャンペーンを強行する前日にその発表を持ってきたのには、出来るだけ注目されたくない、他の何かの影に隠そうという意図を強く感じる。
昨年・2020年3月、 安倍は第5回国際女性会議WAW!/W20にて演説し、
日本は今、全ての女性が輝く社会に向かってものすごいスピードでその景色を一変させようとしています。などと述べ、その他にも手前味噌をならべ、自身の政策とその所為かを自賛している(平成31年3月23日 第5回国際女性会議WAW!/W20 | 令和元年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ)。この国際女性会議WAW!は日本政府が主催しているイベントだ。国際的に男女格差の酷さを指摘され、一向に改善が見られない国が主催する女性会議、なんてのは何かのギャグのつもりなのだろうか。今年も開催予定だったが感染症拡大の影響で延期になった。
2017年にはトランプ米大統領の長女、イバンカ大統領補佐官が出席し、その際には「イバンカ氏基金に57億円、安倍首相が表明」という旨の報道がなされたが、その報道にはいくつかのミスリードが含まれていたようで、つまり政府やメディアが、安倍と政府のやってる感演出をしていた、というのが実情だったようである。
「イバンカ氏基金に57億円、安倍首相が表明」ってホント? | ハフポスト
このように、今回の目標先送り、というか寧ろ、反故にしたも同然の事案以外にも、安倍・政府・自民の「女性活躍」という看板は美辞麗句であり羊頭狗肉である、という判断に至る合理的な根拠は複数ある。それに加えて今回の明確な公約破りが加わったのだから、これでもこの男を「他よりよさそう」なんて言っている人は、何も見えていないか、考える能力が著しく欠如しているとしか言いようがない。
昨日投稿でも書いたように、日本人には熱しやすく冷めやすい者が少なくないので、安倍が女性活躍と言っていたこと、「2020年度までに指導的地位に女性が占める割合を30%にする」と国際会議の場で宣言したことを既に忘れてしまっている人も多くないのかもしれない。つまり見えてはいる、考える能力もある。だが記憶力が著しく悪い、というのが実情なのかもしれない。
安倍自身が長を務める行政府と、総裁を務める自民党に限れば、「2020年度までに指導的地位に女性が占める割合を30%にする」という、2014年に宣言した公約を達成するのは決して難しいことではない。所謂クォーター制をいつまでに導入すると宣言し、その宣言通り実施すれば間違いなく実現できたはずだ。しかし安倍は、6年も時間があったにもかかわらず、具体的な行動を一切せずにそんな実現可能な公約を反故にした。そんな男が果たして他の公約は守るだろうか。北方領土問題や拉致問題に関しても美辞麗句を並べるだけで何もしていないし、自分には全くそうは思えない。安倍、そして現政権、そして自民の言葉は全てが虚しい。
しかも、安倍は公約を破ることを「新しい判断」と正当化する男だ。
消費増税の再延期、安倍首相が表明 「これまでのお約束とは異なる、新しい判断だ」 | ハフポスト
公約を破るだけでなく、再び感染が拡大しても、九州を中心に各地が災害に見舞われても先頭に立たないどころか、首相として会見もしないような男に、日本の有権者は一体いつまで首相を続けさせるつもりなのか。
この安倍という男自体も日本の恥だし、この男に首相を続けさせるのも恥だ。ということを日本人はよく考えてみたほうがいい。
トップ画像は、Gerd AltmannによるPixabayからの画像 を加工して使用した。