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嘘に塗れた政府と与党から目を背ければ、いずれ国は亡ぶ

 都合のよいことばかりに目を向け、注目し、そして強調し、都合の悪いことには目を向けず、そして目に入っても無視する姿勢のことを、自分が好きな馬に有利なデータばかりに、というか、好きな馬に有利なデータ”だけ”に注目する井崎 脩五郎さんの競馬予想に似ていることから、8/12の投稿井崎式競馬予想と表現した。


 井崎さんは「予想データは突き詰めていくと全ての馬が勝つ可能性があることになり、結局、最終的には自分に都合のいいデータを取捨選択することになる」と語り、都合のよいデータばかりに目を向け、注目し、都合の悪いことには目を向けず、注目せずに競馬予想していることを認めている。彼の競馬予想は学問などの類ではなく、あくまでも娯楽の範疇なので、都合の悪いデータを無視してもさほどリスクはない。強いて言えば、その予想を元に勝馬投票券を買えばお金が無駄になる恐れが高いというくらいだ。因みにそのような手法で予想する井崎さんの競馬予想は当たらないことで有名で、むしろ当たると非難されるような域に達している。
 娯楽の上ではほぼ問題ない、都合のよいことばかりに目を向け、注目し、そして強調し、都合の悪いことには目を向けず、そして目に入っても無視する姿勢だが、しかし実生活や学問、政治などの分野へその姿勢で臨むのは危ういことこの上ない。都合の悪いことから目を背けても、その事実や要素が消えてなくなるということはない。だから不都合から目を背けた仮定や推測・予想をしても、井崎式競馬予想と同様に良い結果を得ることができない
 例えば借金をするのに都合が悪いからと、毎月の支出の内のいくらかから目を背けて返済計画を立てれば、必ず近い将来その計画は破綻することになる。また、福島原発事故に関しては、東日本大震災規模の津波の予測は困難で想定外だった、と国や東電は主張しているが、政府の地震調査研究推進本部が2002年7月に公表した地震予測の長期評価で、大津波が起きる恐れに触れられており、2007年秋ごろからその地震予測の長期評価を対策に取り入れることが前向きに検討され、2008年に東電の子会社が検討した結果、敷地・海抜10mを大きく超える最大15.7mの津波が起きる恐れと、敷地を高さ10mの防潮壁で囲えば津波による浸水を防止できるという予測がなされたことが分かっている。福島原発事故は予見不能な自然災害とは言い難く、不都合を軽視した結果最悪の事態が起きた例だ。

 最近自分は、都合のよいことばかりに目を向け、注目し、そして強調し、都合の悪いことには目を向けず、そして目に入っても無視する姿勢、そう思考する傾向のことを、自民脳と呼んでいる。何故なら前政権と現政権において、単に都合が悪い事実や要素にとどまらず、自分達が従前に示した主張や見解ですら都合が悪くなると一方的に無視し、それについての見解を求められても答えずに、くだを巻いて有耶無耶にする風潮が蔓延しているからだ。
 昨年末に注目を集めた桜を見る会問題などはその典型的な例だし、近頃注目の的になっている日本学術会議の件も同様だ。勿論例はそれらに限らず枚挙に暇がない。また、このような姿勢・思考傾向は自民党や政府にとどまらず、その周辺や支持者などにも広がっている。しかも日本学術会議の件では、与党議員や大手メディア関係者までもがデマを撒くような状況に陥っており、都合の悪いことを覆い隠す為に様々な嘘が広がっているのに、政府もそれを積極的に咎めないという、近代国家にあるまじき事態になっている。最早日本は先進国などとは到底胸を張れない国に成り下がってしまった。

学術会議めぐり広がる大量の誤情報、まとめサイトが影響力。政治家やメディアも加担

 またコロナ対策においても、他国が積極的に検査を実施して感染者の隔離と感染の抑制を進めている中で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身 茂は未だに、「PCR検査を増やした結果、感染を抑えられたという証拠がない」などと言っている。尾身もまさに自民脳に侵されている者の一人だ。

「無症状者にPCR検査しても感染は抑えられない」と尾身氏:日経ビジネス電子版


 10/14の投稿で、自民党内ではまともな方だと思われていた野田 聖子が、政治家として決してマシとは言えないような者であり、彼女もやはり自民党の政治家でしかなかった、ということを強く指摘した。野田同様に、これまで自民党内ではまともな方だと評価していた武井 俊輔も、やはり結局は自民党の政治家でしかない、ということをここで指摘したい。この数日間で、彼もやはり都合のよいことばかりに目を向け、注目し、そして強調し、都合の悪いことには目を向けず、そして目に入っても無視する自民脳に侵されていることが明確に分かった。
 まず10/13に、武井のこんなツイートが注目を浴びた。

 武井は自民党の議員であり、野党合同ヒアリングを批判するなら、まずは国会招集に応じずに議論や追求の場を設けない政府と自分の党を批判すべきである。このように指摘すると、短絡的に「それは Whataboutism /そっちこそどうなんだ主義 だ」と言ってくる人がいそうだが、他人を批判するならまずは身内の襟を正す/正させるべきで、そうしなければ説得力に欠けることは明らかである。例えば、警察内部で不正が蔓延し、犯罪を犯す警官が大勢いたら「まずは自分達をどうにかしろ」と言われるのは当然で、それは Whataboutism /そっちこそどうなんだ主義 とは言い難い。それと同じことである。

 ここまではSNSなどで既に多く見られる批判なのだが、更に別の視点でも、武井も都合のよいことばかりに目を向け、注目し、そして強調し、都合の悪いことには目を向けず、そして目に入っても無視する自民脳に侵されていると指摘することが出来る。
 武井は野党の合同ヒアリングを「公開で行うのはパフォーマンス以外の何者でもない」と言っている。しかし、武井がツイートした翌日にコロナ対策担当大臣の西村が、

私は会食時、娘が買ってきてくれた首に掛ける扇風機で風を出し、換気を良くするようにしている

と会見で述べたことについては、「パフォーマンス以外の何者でもない」とは言わないし、それどころか何も批判も指摘もしないのだ。

「会食時は換気のいい状態を作る工夫をしている」西村大臣、娘からもらった首掛け扇風機を使い感染防止対策を呼びかけ 【ABEMA TIMES】

 なぜ西村のこれがパフォーマンス以外の何者でもないのかと言えば、会食等他人と同席して食事をする際に、自分の口元に扇風機を設けてもそれは換気にはならないからだ。もし西村が無症状の感染者だった場合には、彼の口から出た飛沫をそこら中に飛び散らせる恐れがあり、同席者を危険に晒す行為ですらある。
 西村は当該の文言の前に「私も昨日、同僚議員と4人でお好み焼きを食べたが、まず“斜めに座ろう”と提案した。そのお店はドアや窓を開けっ放しにしてくれているので換気が非常に良い上、扇風機をテーブルに置いてくれていたが、」と前置きしており、窓を開けているんだから換気になるじゃないか、と考える人もいるだろうが、現状では、コロナウイルスが広がるのは呼気ではなく、つばきなどの飛沫によるとされ、口元やテーブルに扇風機を置けば、各人の出す飛沫がそこら中に広がることになる。つまり、換気は確かに重要だが、食事の席でテーブルや口元に扇風機を置くことは飛沫を広げる恐れがあるので逆効果にもなりかねない。だから西村のこれは、それらしいが全く意味のない、意味がないどころか逆効果にもなりかねず、パフォーマンス以外の何者でもないのだ。しかもその程度の認識でコロナ対策担当という立場であることも指摘や批判すべき点である。
 国会招集に応じない自分の党を棚に上げ、野党の合同ヒアリングを「パフォーマンス以外の何者でもない」と酷評した武井は、自分の党のコロナ対策担当大臣が「パフォーマンス以外の何者でもない」ことをやっても批判も指摘もしない当該ツイートをした10/13から今日・10/17までの武井のツイート)のだから、武井も野田同様に身内に甘く、そして都合のよいことばかりに目を向け、注目し、そして強調し、都合の悪いことには目を向けず、そして目に入っても無視する自民脳に侵されている、としか言いようがない。

 武井が言っているのは、自民の積極的支持者や、どっちもどっちと言いがちな者が、しばしば示す「野党がだらしないから」と同じことだ。集団的自衛権を容認する安保法案が成立したのも、 働き方改革法案が強行採決されたのも、桜を見る会問題、森友加計学園問題が有耶無耶になったのも、公文書改竄が起きたのも、決して野党がだらしないからではない。寧ろ追求できずだらしないのは、政府を強く批判出来るだけの議席を持つのにまともに機能していない与党自民党だし、おかしな法案が成立するのも自民党ら与党が賛成するからだ。

 都合のよいことばかりに目を向け、注目し、そして強調し、都合の悪いことには目を向けず、そして目に入っても無視する自民脳が国の中枢に蔓延すれば、まともな政治など行われるはずもなく、都合が悪いからと、毎月の支出の内のいくらかから目を背けた返済計画を立てるようなことが横行し、いつか破綻することは間違いない。というか、日本学術会議の件を見れば分かるように、詭弁に詭弁、嘘を繕う為の嘘、しかも全く幼稚ですぐにバレるような嘘が繰り返されている状況で、もう既に破綻しかけていると言っても過言ではない。
 戦中の旧政府と軍は劣勢な戦況を偽り続け戦争を続けたが、その結果がどうなったのかは、日本人なら誰でもしっている筈だ。嘘や不都合から目を背けることは間違いなく国を滅ぼす

 トップ画像は、Clker-Free-Vector-ImagesによるPixabayからの画像 を加工して使用した。

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