狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。という一節が徒然草の中にある。「狂人の真似だと言って大通りを走り回れば、それはもう(狂人の真似ではなく)狂人そのものだ。悪人の真似だと言って人を殺せば、真似ではなくもう悪人そのものである」という意味だ。
12/16の投稿で、国民に「感染を広げない為に4人以上の会食や忘年会を自粛して」と要請していた首相・菅自身が、自民の幹事長・二階ら8人で会食を行ったことについて書いた。しかも菅は要請を出しながら、毎晩のように会食を繰り返していたということも、首相動静を見れば分かる。
菅とともに会食に参加していた二階が、この件に関してテレビ番組で次のように述べた。
二階氏「会食」を否定 「8人で会っただけ」 菅首相参加のステーキ店会合 - 毎日新聞
別に8人で会っただけで、会食という、そんなことを特にやったわけではない。飯を食うために集まったのではない
ステーキ店に8人で集まったが、食事の為に集まったのではない、と言っているのだが、飲食店に来ておいて飲食しない、つまり注文しないなら、その客は店にとってどれだけ迷惑だろうか。
但し二階は一連の発言の中で「食事はしなかった」とは言っておらず、「食事の為に集まったわけではない(が食事もした)」と言いたいのだろう。それは「飲食店で食事をともにしたら会食ではないのか」と二階が問われていることからも明白である。つまり、徒然草の一節「狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり」と同じで、
「会食ではない」と言い張ったところで、飲食店に複数人で集まれば、それはもう会食以外の何ものでもない
ということだ。
二階は「飲食店で食事をともにしたら会食ではないのか」という問いに対して、
ただそこでその時間に出会った。そこで出会って意見交換をする。今の事態に対してもどう対応するかということなども考えている
と反論している。他の参加者が忘年会だったと認め、野球の話などをしたとも言っている。野球界だってコロナ危機によって相当の苦境に立たされているから、意見交換ではないとは言い難いが、8人もの著名人がたまたま偶然12/14の夜同じ時刻に1つの店に行ったかのような主張は、事実の歪曲以外の何ものでもない。
こんなことを平気で言う爺さんを幹事長に担ぎ、「募ったが募集してない」なんて言ってのける男、桜を見る会の問題に関する「事実とは異なる答弁」、つまり嘘を吐いたことの謝罪と反省を示す場で更に嘘を重ねる男を党総裁にしていた自民に政権与党を任せていたら、新規感染者が過去最高でも「感染者は増えているが感染は拡大していない」なんて言いそうだし、というか先月まで実際にそんな態度だったし、これからも同種の詭弁による責任逃れ、居直りが繰り返されるだろう。
こんな詭弁を弄するのは幹事長の二階だけではない。埼玉県議会の自民党県議団も12/18の夜に約40人で会食をしながら、それについて記者に問われた田村 琢実議長が「三々五々集まって食事をして帰っただけで、会食を行ったという認識はない」と述べた。
自民県議40人がホテルで会食、「三々五々集まって食事しただけ」 社会 ニュース 読売新聞オンライン
更に埼玉だけでもなく、徳島でも同じ様なことが行われている。
【独自】徳島自民党県議ら、数十人会食 飯泉県知事も参加|TBS NEWS
あの幹事長にしてこの所属政治家あり、としか言いようがない。こうなってくると最早自民党の政治家は日本語を捻じ曲げる詭弁屋ばかりで、自由民主党ではなく詭弁上等党、もしくは日本語破壊党と呼ぶべきだ。
およそ1年前、2019年12/10の投稿のタイトルは
今の政権/与党は「ざんねんなせいじか図鑑」
どうして日本の有権者は、1年前も今も、ざんねんなせいじか図鑑状態な政党に政権を預けているのか不思議でしょうがない。自民党も相当なバカ揃いだが、日本の有権者も同様にバカ揃いだからそうなっている、以外に理由を思いつかない。
トップ画像は、最後の晩餐 (レオナルド) - Wikipedia を加工して使用した。