スキップしてメイン コンテンツに移動
 

日本の嘆かわしい現状

 2021年も、もう半部終わってしまった。去年の今頃も、来年も同じ様な状況がまだ続くんだろう、と薄々感じていたが、その頃考えていたよりも、現状は寧ろ悪い。昨年の今頃を維持する以下の状況になってしまっている。米英ではワクチン接種が進んだものの、日本ではまだ殆ど進んでいない。そして、ワクチン接種が決定的な対策にならないことも既に明らかなのに、未だ日本では、それ以前の基礎的な対応、検査の徹底すらなされていない。


 そんな思いを込めて作ったのが今日のトップ画像である。6/25の投稿で書いたように、発表される数字上は日本よりも新規感染者や死者数が多い国は少なくないのに、バイクの世界選手権シリーズ・MotoGPは、それらの国での開催中止よりも先に、日本開催の中止を発表した。それは、日本が積極的な検査をしていないことによって、発表される数字に信憑性がないこと、日本の水際対策などが信用されていないことなどを物語っている。
 日本はコロナ危機対応において下位集団、しかも周回遅れである、と認識されていることは、少し考えれば分かることだ。そんな中で政府がオリンピック強行を目論み、メディアも強く批判せず、不合理を指摘もしない。今の日本はそんな嘆かわしい状況にある。


 この数日、というか、今年に入ってから?いやこの数年?そんなことばかり書いていて、書きながらうんざりしている自分がいる。しかし、うんざりして諦めるわけにはいかない。それは愚か者たちの思う壺だからだ。

五輪無観客に現実味 東京の感染拡大、いら立つ政権幹部 - 東京オリンピック [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

官邸幹部は「重症化しなければ、コロナもただの風邪になる」と強調。東京で新規感染者数が増えても、ほかの指標次第では緊急事態宣言を出さずに済むとの見方を示す

 昨年の3月頃、副首相の麻生は、5月か6月にはコロナも収まる、のような見解を示していた。ただの風邪に大騒ぎするな、という種ことを再三にわたり言い続けていた(6/20の投稿)。「新型コロナなんてタダの風邪」のような認識が、未だに政府や与党には蔓延しているのだろう、ということが、この記事から強く推察される。新型コロナウイルスによる日本の死者数は、発表される数字だけでも既に1万3000人を超えているのに。世界全体で見れば、既に380万人以上が命を落としている(新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(18日午後7時時点) 死者384.4万人に 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News)。因みに、380万人はモンゴルの総人口よりも多い。
 意味をなさない緊急事態宣言や(感染)まん延防止重点措置よりも、政府与党にこそ、楽観論のまん延防止措置が必要だ。政府や与党がそんな認識なら、状況がよくならない、いや悪化するのも無理はない。コロナ危機以前から隠蔽や捏造、汚職が頻発しているし、そんな集団を選挙で選んでしまった日本人の過ちは、ブレグジットを選んだイギリス人、トランプを当選させたアメリカ人の比ではないくらいに深刻だ。

ワクチン注射器、目盛りかすれ・形が変形 国の支給品 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 昨年、安倍がその一存で、数百億円の予算をかけて国民に配ることを決めた、所謂アベノマスク。そもそも、布マスクでは感染症対策として用をなさない、と指摘がそれ以前からあって、使う人は安倍以外に見たことがなかった。更に、国民1人に1枚ですらなく、1世帯2枚という、大家族はどうするの?的な疑問もあり、また2重に届いたという話があったり、届いていないという人もいたり、配布もかなり杜撰だったし、配布されたマスクのパッケージ内にゴミや虫の死骸が混入していたり、カビが生えていたり、黄ばみがあったりと、粗悪品であることも多方から指摘された。粗悪品を配った責任は?と、請負契約開示を求められても、政府の話は二転三転、かかった予算についてもいい加減な答弁がなされていた。
 それに続いて、ワクチン接種用の注射器でも同じ様なことが起きているようで、コロナ危機を利用して、政府がどこかの不良在庫処分品に税金を無駄遣いしている、と言っても過言ではないだろう。昨今、捏造やデータ改ざんが明るみになるのは、政府だけでなく、東電などの原子力分野における事案、電気産業におけるデータ改竄など、日本企業・組織でも事例が複数ある。このままでは、1950年以前の 日本製=粗悪品 というイメージに逆戻りし、敬遠されるようになる日も遠くないかもしれない。


 日本の惨状は決してコロナ危機に関することばかりではない。

小学校で水筒にお茶禁止「こぼすと人工芝が腐る」からって本当? メーカーに尋ねると…:東京新聞 TOKYO Web

運動会の練習時に、水筒にお茶を入れてきた児童が、担任教員から「お茶をこぼすと人工芝が腐って変色する」と中身を捨てさせられ、水道水を入れて練習に参加
人工芝メーカーは、お茶などをこぼしても製品に悪影響は及ぼさない、との見解

簡単に言えば、所謂ブラック校則と呼ばれる、理不尽な決まりを生徒に強要する為に、ありもしない迷信を教員や学校が作り出し、それを根拠にしている、という事態が、21世紀になって既に20年が過ぎているのに、自国を先進国と自負する国の首都で起きている。これを惨状と呼ばずして、何を惨状と言おうか。

 これではパワハラはなくならないし、いじめもなくならなくて当然だ。日本社会が全般的に落ちぶれるのも無理はない。


このブログの人気の投稿

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになる

 攻殻機動隊、特に押井 守監督の映画2本が好きで、これまでにも何度かこのブログでは台詞などを引用したり紹介したりしている( 攻殻機動隊 - 独見と偏談 )。今日触れるのはトップ画像の通り、「 戦闘単位としてどんなに優秀でも同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。組織も人も特殊化の果てにあるものは緩やかな死 」という台詞だ。

フランス人権宣言から230年、未だに続く搾取

 これは「 Karikatur Das Verhältnis Arbeiter Unternehmer 」、1896年ドイツの、 資本家が労働者を搾取する様子を描いた風刺画 である。労働者から搾り取った金を貯める容器には、Sammel becken des Kapitalismus / 資本主義の収集用盆 と書かれている。1700年代後半に英国で産業革命が起こり、それ以降労働者は低賃金/長時間労働を強いられることになる。1890年代は8時間労働制を求める動きが欧米で活発だった頃だ。因みに日本で初めて8時間労働制が導入されたのは1919年のことである( 八時間労働制 - Wikipedia )。

馬鹿に鋏は持たせるな

 日本語には「馬鹿と鋏は使いよう」という慣用表現がある。 その意味は、  切れない鋏でも、使い方によっては切れるように、愚かな者でも、仕事の与え方によっては役に立つ( コトバンク/大辞林 ) で、言い換えれば、能力のある人は、一見利用価値がないと切り捨てた方が良さそうなものや人でも上手く使いこなす、のようなニュアンスだ。「馬鹿と鋏は使いよう」ほど流通している表現ではないが、似たような慣用表現に「 馬鹿に鋏は持たせるな 」がある。これは「気違いに刃物」( コトバンク/大辞林 :非常に危険なことのたとえ)と同義なのだが、昨今「気違い」は差別表現に当たると指摘されることが多く、それを避ける為に「馬鹿と鋏は使いよう」をもじって使われ始めたのではないか?、と個人的に想像している。あくまで個人的な推測であって、その発祥等の詳細は分からない。