このトップ画像を作るに当たって、イメージを固める為に「逆走」で検索していたら、NIKE×UNDERCOVER「GYAKUSOU」というのが出てきた。ナイキランニングの商品シリーズの1つのようで、2010年に誕生したらしい。昨今逆走と言えば、トップ画像のイメージなのに、このシリーズが今も続いていることに少し驚いた。逆走が社会問題化する前に、それ程定着していたシリーズということなんだろうか。
同シリーズの名称である GYAKUSOU
は、1970年代のランニングブームに見られた大胆かつ反骨的な精神にちなんでいるそうで、同シリーズのデザイナー・高橋
盾も所属する、東京を拠点とするランニングチーム・TEAM
G.I.R.A.(チームギラ)が、代々木公園を一般的なランナーとは逆回りで走る、逆走することに由来しているそうだ。
逆走ランニングすることの詳細なコンセプトは調べていない。自分は代々木公園を走ったこともない。だが、砧公園など比較的ランナーの多いスポットは走ったことがある。砧公園はサイクリングコースでもある為、ランニングであっても逆走はあまり好ましくない。事故の要因になりえる。走行の方向性に決まりがない場所で、ランナー等があまり多くないスポットなら、気分を換える為に逆走するのもアリなのかもしれないが、そのようなことには気をつけないといけないな、と感じた。
6/20の投稿で、日本の新型ウイルス対応は
”だろう”運転である、と指摘した。世界的なスタンダードになっている、積極的検査を行って感染者を早期に検出して隔離する、という方針に日本が背いていることは、世界の潮流に逆らっているとも言える。これは自動車の運転に例えれば、逆走とも言えるのではないか。
日本でも2010年代の半ばから、主に高齢者による高速道路などの逆走が頻繁し始め、死者を伴う事故も起きている。なぜ逆走が起きるのか、逆走の主な原因は高齢による認知機能の低下、思い込みの激しさだ。高速道路等の順走方向を正しく認識できない、走行している車線と反対車線を的確に認識できず、交差点の右左折時等に逆車線に入り込んでしまう、逆走していて他の全てのクルマが自分に向かって走ってきても、正しいのは自分で他が間違っていると思い込み、逆走を続けてしまう。言い換えれば、自分の間違い、認識力低下を認識できない。そんなことが逆走に繋がり、最悪の場合死亡事故が起きてしまう。
間違いを認められない、それは大抵全ての政権に見られる傾向ではあるが、日本の前アベ自民党政権、現スガ自民党政権は特にそれが顕著であり、経済政策、社会保障問題、そして斡旋利得事案、公選法違反など、ほぼやる事なす事すべてに関して、間違いを認めず、失敗を繰り返し、だからこの国は今、経済的にも社会的にもボロボロになっている。
新型ウイルス対応も同様で、間違いを認めないから支離滅裂で、今年に入ってから東京は緊急事態宣言が出ている時期の方が長い。日本全体で見ても状況が改善している地域はほぼない。挙句の果てに東京オリンピックを強行し、今、日本の感染状況は過去最悪、しかも加速度的に悪化が進んでしまっている。
そんな状況なのに、都の新規感染者/日が初めて3000人を超えた7/28、菅は記者に何か聞かれる前から、秘書官に「本日はお答えする内容がない」と言わせてぶら下げりでの質疑を拒否した、ということは、昨日の投稿でも触れた。
当然の如くその態度には強い批判が起こり、昨日は流石にぶら下がりの取材に応じていたのだが、菅は記者に「緊急事態宣言を出してるのに感染が拡大している。効果なくなっているのでは?」と問われ、次のように応答した。
いろんな意見があることは承知してます。ただそういう中で、ワクチン接種、さらにこの抗体カクテルの治療法、方策等もありますので、しっかり早急に対応できるように準備を進めてます
記者「緊急事態宣言を出してるのに感染が拡大している。効果なくなっているのでは?」
— 国会ウォッチャー@総選挙まで安倍・菅政権振り返り中 (@kokkaiwatcher1) July 30, 2021
菅総理「いろんな意見があることは承知してます。ただそういう中で、ワクチン接種、さらにこの抗体カクテルの治療法、方策等もありますので、しっかり早急に対応できるように準備を進めてます」 pic.twitter.com/tuChGg16xh
感染拡大を火事の延焼に例えると、菅がとんでもないことを言っていることがよく分かる。「緊急事態宣言を出してるのに感染が拡大している。効果なくなっているのでは?」という質問を、「消火活動をしているのに延焼が広がっている。消火活動は適切なのか?効果のないことをしていないか?」という質問だと仮定する。
それに対して消防の責任者が「消火活動に関して様々な意見・批判があることは分かっている。ただ、消防車が数週後に到着し、更に新しく消防車を今作っている最中で数か月後に完成する予定だ。しっかりと対応する準備を進めている」と言っている状態だ。必要なのは現状への早急な手当であって、数週間・数か月後の対策なんてその後だ。順番がおかしい。
ワクチン接種は遅々として進んでいないし、医療従事者やエッセンシャルワーカーなど優先されるべき人が打ちたくても打てない状況があり、しっかり対応出来ていない。また抗体カクテルの治療法というのも、まだ確立した治療ではなく、実際に患者に行えるようになるのにはまだまだ時間がかかる状況である。つまり燃え盛る火事を前に「今消防車作ってます。それが私の考えるしっかりとした対応です」と言っているようなものだ。
率直に言って、菅は現状の深刻さを分かっていない。分かっていたらそんなことは言えない。現状を正しく認識できないのは、逆走が起きる大きな要因の一つだ。逆走する高齢者からは免許を取り上げないといけない。でないとまた逆走事件を起こす恐れがある。これを政治に置き換えれば、現状認知に著しい問題のある菅を、早急に運転席から、多少強引にでも降ろさないと、多数の死者を出す事故が更に起きる恐れが高い、と言える。
トップ画像には、イラストストック「時短だ」 – 時短に役立つ素材サイト の素材を使用した。