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論理をゴミ箱に捨ててしまった人たち

 読解力が壊滅的な人が上から目線で絡んでくるのがツイッターであり、つじつま・論理・ロジックをゴミ箱に捨ててきてしまった人、人の話はほとんど無視の人が「俺の話を聞け!」と言ってくるのがツイッターである。慈悲深い神や仏ならそんな話も聞いてくれるかもしれないが、自分はそんな崇高な存在ではないので、そんなバカな話は聞きたくもない。


 というのも、昨日書いたブログ投稿にいくつかの反応があって、反論がそんなのばかりだったので今日はそんな話から始めた。昨日の投稿のさわりを説明すると、「議論もしないというのは思考停止だ!!」と馬鹿の一つ覚えのように言う人たちがいるが、既に結論が出たことを再び議論する、というのはコストと時間の無駄遣いでしかない。核の扱いについては、過去の議論の結果が非核三原則という結論だ、と書いた。日本では過去の議論によって、非核三原則という結論が既に出ている。見直しが必要と言うなら相応の根拠が必要だ。だが核保有も敵基地攻撃も改憲も、どれも議論が必要と言える程の根拠無しに、議論しないのは思考停止とばかり言っている。議論にかかるコストも時間も有限にもかかわらず。
 その投稿を読みもせずに、相も変わらず「議論しないのは思考停止だ!」と言ってくる人たちが少なからずいる。それが冒頭で書いた、人の話はほとんど無視、であり、もし読んだ上でそう言ってきているなら、読解力が壊滅的、ということだ。


 まず最初の愚か者は「再び議論するに見合う論拠がないなんて、ウクライナ関連のニュースを見てないの?」と言ってきた。昨日の投稿ではその冒頭で、ロシアによるサポロジエ原発への攻撃に対するG7の共同声明について触れている。つまり、少しも当該投稿を読まずに腐しているから「ウクライナ関連のニュースを見てないの?」なんて平然と言ってくるわけだ。核保有を検討すべきという結論ありきで揶揄しに来ている、と自ら告白しているに等しい。
 次の愚か者は、「過去に行った議論だからもう議論しなくてよいが通るなら、 選択的夫婦別姓とか他の改正も、過去に決めたことだから今更議論すら必要ない、ということになる」と言ってきた。一体誰が、過去に決まったことは全て再び議論する必要はない、と言っているのだろうか。まさに読解力が壊滅的というか、見直しが必要と言うなら相応の根拠が必要、という部分を無視して都合よく恣意的に歪曲している、キリトリしている。

 昨日の投稿のトップ画像に難癖をつけてきた者もいる。

この機能のトップ画像は、G7諸国はロシアへ原発攻撃は国際法違反だと言う一方で核廃絶に消極的であり、G7諸国はいずれも核禁止条約には不参加だ。これが、この画像で風刺していること、と明確に説明しているにもかかわらず、「核保有してる先進国・常任理事国が好き勝手やって、さらには核をチラつかせているっていうのに、先進国以外核保有禁止なんて無自覚過ぎる」と、この画像が先進国以外核保有禁止を肯定的に表現している、と言ってきた愚か者がいた。結局この人も読解力が壊滅的か、勝手な解釈による歪曲によって、もしくは画像だけを切り取って揶揄しているに過ぎない。

 「非核三原則は冷戦期に出来た過去のものであり、そんな過去の遺物を引きずって、議論に値しないなんてどうかしている」と言ってきた愚か者もいた。確かに非核三原則は冷戦期に定められたものだが、冷戦期に決まったことはどれも過去の遺物か?そんなことは決してない。それが定められた時期だけを理由にして、見直しが必要と言えるなんてのは暴論でしかない。というか、非核三原則は冷戦期に出来たものと言うのなら、核保有検討せよと主張する者が拠り所にする核抑止論もまた冷戦期に生まれたものであり、それこそ過去の遺物ではないのか。これは、自分に都合のよいことにだけ注目し強調しようとする、論理やつじつま、ロジックをゴミ箱に捨ててきた者の言い草だ。

 ロシアのウクライナ侵攻を理由に「日本でも核保有(米との核共有)を検討せよ!」と言っている人たちは、核拡散防止条約すらも知らないのだろうか?   
 核拡散防止条約・通称NPTは、核兵器保有国の増加を防ぐことを目的に、非核保有国への核兵器移転の禁止、非核保有国の核兵器製造等の禁止、非核保有国の原子力施設に対する国際原子力機関の査察などを定めた、1968年発効の条約だ。この条約の批准国ならば、当然核保有は許されない。2021年に発効した核兵器禁止条約とは異なり、核拡散防止条約については日本も批准国である。

 しかしこの核拡散防止条約には、NATOのニュークリア・シェアリング合意という秘密事項があったそうだ。当時ソ連もこれを承認していたようだが、1968年に締結されたNPTに署名したほとんどの国が、その時点では合意の存在を知らされていなかったらしい。このニュークリアシェアリング・核共有とは、非核保有国が米国の核兵器を配備し、運搬などを担うことで核抑止力を持つという施策である。現在これによって、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコに米国の核爆弾が配備されている。しかし当然のように、ニュークリアシェアリング・核共有は、米英仏中ロ5カ国以外への核兵器の拡散阻止を定めた核拡散防止条約・NPTに反するとの批判がある

 つまり、アメリカや、ドイツやイタリアなどG7に属する国を始めとした西側諸国が詭弁を弄して核拡散防止条約をないがしろにしているから、私たちもそれに混ざろう!と言っているのが、核保有/核共有を検討しろ!と言っている人たちだ。自民も維新も支持者らも、本当に詭弁を躊躇しない人たちだ。

 現在のG7参加国のなかで、核拡散防止条約を順守しているのは米英仏独伊以外、つまりカナダと日本だけである。2/20の投稿で、日本は既に先進国とは言えない状況にある、と書いたが、それに加えて更に、G7ではかろうじてカナダと日本だけが維持している、核に関する先進国としての矜持・唯一の被爆国としての矜持を捨てよう!と言っているのが、非核三原則・核拡散防止条約を無視して核保有/核共有を検討せよ!と言っている人たちだ。
 いや彼らはそもそも、論理やつじつま、ロジックを重んじる考え方や、先進国・被爆国としての矜持なんてものは持ち合わせていなかったのかもしれない。



 トップ画像には、ごみ箱に空き缶を捨てる人 – イラストストック「時短だ」を使用した。

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