スキップしてメイン コンテンツに移動
 

セクハラに関するニュースとアメフトタックル問題


 BuzzFeed Japanは5/17に「半数が「10回以上セクハラを経験」 調査が示したメディア業界の実態」という記事を掲載している。性暴力の被害者と報道関係者でつくる「性暴力と報道対話の会」が、メディアで働く人を対象にセクハラ被害の実態を調べたアンケート調査の結果を発表したことを取り上げた記事だ。自分はこの記事に、

テレビ報道も、アメフト・新潟の件ばかりに注目し過ぎずに、自分の業界が発端になったセクハラ問題なんだから、こういう動きをもっと取り上げたらいいのに。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」を体現しているように見えてしまう。

とコメントした。 BuzzFeed Japanや一部のウェブニュースメディアでは、テレビ報道があまりセクハラに関する案件を取り上げなくなった現在も、定期的、特にBuzzFeed Japanは割合積極的にセクハラ関連案件を取り上げている。


 アメフトタックル問題や新潟の女児殺害の件を取り上げるなと言うつもりは全くない。勿論それらも報道に値するような案件だろう。ただ、量のバランスが少し偏っているように見える。しかもどの局・どの番組も同じような傾向で、直近のセクハラ問題ではある意味当事者的な立場であるテレビ朝日すら同じ様な傾向にあるように思え、違和感を禁じ得ない。

 なんて言いつつ、そんな状況の影響もあり、自分もアメフトタックル問題にはいろいろと感じるところもある。率直に言って、公文書改ざん問題にしても、セクハラの件にしてもあくまで個人の問題で、組織の問題ではないという姿勢を示し続け、というか「俺に文句を言うな、財務大臣だが俺には責任はない」と言いたげにしか見えない麻生大臣のふんぞり返るような姿勢に感じるのと同様の印象を、万が一選手の責任が大きいというのが事実だったとしても、責任者として率先して前面に立とうという姿勢を一切見せていない日大アメフト部の監督・日本大学自体にも感じてしまう。
 

 ハフポストの記事「「指導と選手の受け取り方に乖離」。日大側、アメフト部選手に責任転嫁? 反則タックル問題」によると、タックルされた側の選手が所属している関西学院大側が昨日会見を開き、送った抗議文について日大側が、

  • 反則プレーについて、日大は「日大としては意図的な反則行為を教えることはなく、指導者の指導と選手との受け取り方に乖離があった」
  •  日大の内田正人監督が試合後、「選手も必死。あれくらいやらないと勝てない」とコメントしたことについては、「規則に基づいて指導しており、規則に違反してよいというものではない。反則を容認したと受け止められかねない監督のコメントは撤回する」

と回答したことを明かしたそうだ。
 これが事実なら、ツッコミどころ満載だ。日大としては意図的な反則行為を教えることはなく、指導者の指導と選手との受け取り方に乖離があった、については、現役部員に取材したとする報道では全く反対の、反則行為を促す、と言うか寧ろ強制するような指導があったという受け止めも示されている。勿論現時点ではどちらの言い分により合理性があるのかは判断し難いが、そうであっても、選手が深刻な勘違いをしてしまうような指導を行っていたということは、確実に指導者の落ち度だろう。そんな指導が「厳しい指導」なんて言葉の範疇に入るなんて到底言えない。自分にはあまりにも馬鹿馬鹿しい言い訳としか思えない。
 また、2つ目の監督が試合後、「選手も必死。あれくらいやらないと勝てない」とコメントしたことは撤回する、に関しても同様に馬鹿馬鹿しい言い訳としか思えない。撤回すれば事実は消えて無くなるとでも思っているのだろうか。撤回しようが監督がそのような発言をしたことは事実だし、万が一意図的に反則行為を促す、と言うか強要する意図がなかったのだとしても、この発言こそ、選手に深刻な勘違いをさせる発言が日常的にあった、若しくはそのような発言を全く不適切と認識してなかったことを強く感じさせるような発言だからだ。

 一般的にはアメフト・又はスポーツ全体への冒涜などの観点で論じられることが多いようだが、自分には典型的なパワハラ案件のように思える。そして、責任者が責任から逃げ回る日本の政治環境と似たような風潮が、日大には蔓延しているようにも思える。今だから思うことかもしれないが、日大や当該監督が、即座に矢面に立って誠意が感じられる対応をしていたら、監督や指導者として辞任が必要だとまでは思わなかったかもしれない。しかし、逃げ回っているようにしか見えない対応を見ていると、日大のアメフト部員、そして日大の全ての学生、更には付属中高など関連校の生徒たち、そしてその保護者たちが不憫でならない。何せ当該監督は大学の常務理事だそうだ。特にアメフト部員は今後のアメフト関連活動、そして就職活動などで少なからず影響を受けるだろう。勿論悪い影響ばかりではないかもしれないが、悪い影響だって確実にある筈だ。
 どう受け止めても監督や日大がそんなことまで考えて対応しているようには到底見えない。というのが、現時点での自分のアメフトタックル事件に関する受け止めだ。

このブログの人気の投稿

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。