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安倍話法の家元と継承者


 昨日・2020年4/18は未明から昼過ぎにかけてかなり強い雨が降り続けた(東京都の過去の雨雲の動き(2020年04月18日) - 日本気象協会 tenki.jp)。東京の西側では1日の降水量が100mm程度もあった。東京の平年4月の降水量はおよそ120mmなので、1ヶ月分弱の雨が1日、というか約半日で降った。


 ゲリラ豪雨という言葉が一般化して久しい。温暖化の影響なのか、近年集中豪雨が日本でも増えている。ゲリラ豪雨が降るのは夏、という印象もあるかもしれない。昨日の豪雨が果たして厳密にゲリラ豪雨なのか、は自分にはよくわからない。しかし4月に、昨日の様に集中的に雨が降り続けるということは珍しい。
 だが、4月に豪雨が降ったことがないわけではなく、7年前、2013年4/6-7にも、昨日と似たような雨が降っている。「平成25年4月6日から7日にかけて急速に発達した低気圧に関する気象速報 - 東京管区気象台」 によると、
4月6日から7日にかけて、日本海と太平洋側の沿岸を低気圧が急速に発達しながら進んだ影響で、各地で大荒れの天気となった。これらの低気圧や寒冷前線の接近・通過に伴い広い範囲で強風や大雨となり、土砂災害や床上・床下浸水が発生したほか、鉄道や航空、高速道路などの交通機関にも影響があった。
とある。つまり、豪雨被害が生じる恐れは夏だけでなく、4月から既に避難が必要になるレベルの豪雨が降る恐れはある、ということだ。

 とは言え、やはり日本の4-5月は比較的天候が安定しており、 そのようなケースは稀だ。しかし梅雨入りすれば、そこから約5ヶ月間は、集中豪雨や台風の被害がいつ発生してもおかしくない時期に入る。新型コロナウイルス感染拡大への対応として人の密集を避けなくてはならない現在、もし避難が必要な事態が起こったら、間違いなく例年以上の混乱が生じる


 昨日・2020年4/18は小笠原諸島西方沖を震源とするM6.9の地震もあった。震源が深かった為、最大震度は小笠原諸島母島の4だった。「週刊地震情報 2020.4.19 18日(土)小笠原近海でM6.9 震源深く異常震域出現 - ウェザーニュース」によると、この1週間で国内で観測された震度3以上の地震は4回で、前週に比べると少ない水準だそうだ。


 しかし、ほぼ毎週のように日本のどこかで震度3以上の地震が、しかも複数回起きている、のも事実で、改めて日本の地震大国さ加減を実感する。東日本大震災の発生は2011年3/11、熊本地震の発生は2016年4/14・16、北海道胆振東部地震が発生したのは2018年9/6である。これらはいずれも震度7を観測した、避難が必要になる状況を伴う地震だ。
 もうかなり前から南海トラフ地震や首都直下型地震が発生する恐れも指摘されており、つまり避難が必要になるような震度7規模の大地震が発生するかもしれない状況がこの国には常にある、ということだ。


 前述したように、今は新型コロナウイルス感染拡大への対応として、人の密集を避けなくてはならない状況だが、避難が必要な状況になれば、間違いなく避難所に人が集中する。果たして国交省や厚労省、政府はもう既にその対策を始めているだろうか。
 4/14が熊本地震発生から4年の節目だったからか、既にいくつかのメディアがそのような話題を記事にしている。
記事の書き方はメディアそれぞれで異なり、時事通信はいくつかの事例を挙げているが、まず、最も新しく大地震に見回れた北海道に触れている。朝日新聞は、4/13に大雨によって518世帯に避難勧告を出した千葉・南房総市の対応を例に挙げた。熊本日日新聞は勿論、熊本地震を例に記事を書いている。
 朝日新聞の記事にはこうある。
政府は今月1日と7日の2度、避難所での新型コロナウイルスへの対応について、都道府県などに通知を出した。避難者が密集しないよう、可能な限り多くの避難所を開設するほか、ホテルや旅館の活用も呼びかけた。
つまり、政府は具体策は示さずに、単に「避難者を密集させないでね。後は各自治体で工夫してね」と言っているだけだ。また熊本日日新聞の記事にはこうある。
「災害は待ってくれない。市町村が抱える課題やニーズの把握を急ぎ、県としても具体的な対策を考えていく」と県健康福祉政策課。梅雨シーズンの到来まであまり時間はないが、対応はまだ手探りなのが実情だ。
要するに、国交省や厚労省、つまり国は具体的な対策を全く講じていないというのが実状だ。

 2018年7月、気象庁が災害発生を警告し、当該地域へ避難勧告も出されていた状況で、自民党有志が衆議院宿舎で飲み会を開き大炎上した。岸田氏や安倍も参加していた。全く緊張感に欠けているとしか言いようがなかった。
朝日新聞の記事にもあるように、当時官房長官だった西村氏は、


このようにSNSへ投稿をしていた。
 この西村氏は2019年9月に経済再生担当大臣に任命された。そして3/6には新型コロナウイルスの担当大臣にも任命された。任命したのは勿論共に安倍である。

“コロナ担当大臣”に西村大臣 特措法改正に向け


 この2人に緊張感が欠けている、現状認識能力が著しく低いのは、新型コロナウイルス感染拡大への対応を見ていても強く感じる。前述の朝日新聞の「西村氏が謝罪」という記事にはこうある。
西村氏は(2018年7月)11日、BS11の番組で陳謝する一方、懇親会が開かれていた時点で「大雨特別警報」は出ていなかったことを念頭に、「大雨被害が出ている最中に会合をやっているかのような誤解を与えた」とも述べた。
大雨被害が出ている最中に会合をやっているかのような誤解を与えた、ということは、西村氏の認識は「大雨被害が出ている最中に会合をやってはいなかった」が、「そう思われてしまうような誤解を与えるSNS投稿をした」で、それを陳謝した、ということだ。
 そもそも、なぜ感染症対策担当大臣を厚労大臣が兼務するのではなく、経済再生担当大臣が兼務するのかも疑問だが、それ以前に、こんな程度の現状認識能力しかない男が現在新型コロナウイルス感染拡大対応の責任者なのだ。こんな程度の現状認識能力しかない男を適材適所として担当大臣に任命する首相には、果たして現状認識能力が充分に備わっていると言えるだろうか。


 前述のおかしな謝罪の弁を見れば分かるように、所謂安倍話法を使う男が、安倍話法の総本家に任命されて、新型コロナウイルス感染拡大対応担当大臣をやっている。これでは全ての対応が後手後手になるのも無理はない。安倍と西村、というか現内閣を早急に総辞職させないと大変なことになる。


 トップ画像は、Photo by sanjiv nayak on Unsplash を使用した。

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