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自民党と書いて詭弁党と読む

 このブログの投稿で連日触れているように、2020年夏に持病を理由に「正常な判断ができなくなる」と言って首相を辞めた安倍が、ロシアのウクライナ侵攻に乗じて「日本も核保有/核共有を検討すべきだ」と舞い上がっている。

 しかし現在の自民政府の首相 岸田は、「私の内閣としても国是として堅持をしている」「(核共有は)少なくとも非核三原則の『持ち込ませず』とは相いれない」「核共有について政府としては考えない。この結論は変わらない」などの見解を国会で示しており、正常な判断ができない元首相とは一線を引いているように見える。

 新型コロナウイルスの感染拡大時に安倍が首相であったことは、日本にとって大きなマイナスだったが、ロシアがウクライナへ侵攻した現在、安倍が首相でなくて本当によかった。安倍と岸田の間には菅という全く存在感のない男が首相になっていたが、菅が首相だったら安倍と変わらなかっただろうから、現在安倍や菅が首相でなくて本当によかった。

 しかし、岸田は首相に相応しい人材かと言えば、決してそんなことはなく、あくまでも安倍菅よりはマシ、というレベルでしかない。何故なら、岸田は前段で紹介した見解を示した一方で、こんなことも言っているからだ。

 つまり、産経新聞の記事を見れば、岸田は核共有を全否定しているようにも見えるが、決してそうとは言えず、あくまでも現時点では消極的な態度を示している、という程度でしかない。産経新聞は安倍政権びいきが激しかった新聞で、岸田が首相であることを快く思っていないフシがある記事が多い。自民党ではやや中道寄りで安倍とは一線を画す岸田について、安倍びいきの読者に向けて、岸田は核共有を否定している!というイメージを強調したかったのかもしれない。
 その仮説を補強するかのように、毎日新聞はこのように報じている。産経の記事も取り上げたツイートも、そしてこの毎日新聞の記事も、どれも3/7の参院予算委における、立憲民主党 小西 洋之の質疑とそれに対する答弁を取り上げたものだ。

日米での核共有、非核三原則に抵触? 岸田首相「分からない」 | 毎日新聞

 岸田は、核共有が非核三原則の "持たず" に抵触するか問われ、「詳細な議論をしていないので分からない」と述べている。基本的な判断を自ら示すことができない者が、現在日本では首相になっている、ということだ。これでは新型コロナウイルスへの対応が後手後手で杜撰で矛盾だらけなのも当然だろう。


 この岸田の姿勢だけを以て、自民党を詭弁党と呼ぶことはやりすぎかもしれない。しかし、安倍は未だに自民党の政治家で国会議員だし、更に自民党の幹事長までが同じ様なことを言っているんだから、詭弁屋の集団と言ってもそれは中傷ではないだろう。

自民 茂木幹事長“「核共有」直ちに非核三原則違反と言えず” | 核兵器禁止条約 | NHKニュース

 岸田が「議論してないので分からない」としたことも、話をはぐらかす為の詭弁の類なのに、幹事長の茂木は「『核共有』は概念上、非核三原則に直ちに反するものとも言えない」と言っているのだ。更には、政調会長の高市も「非核三原則のうち『持ち込ませず』の部分については、日米同盟の抑止力に実効性を持たせていく点で議論の余地がある」と言っている。
 これを詭弁と言わずして何を詭弁と言おうか。自民党を詭弁屋集団と呼んでも、それは根も葉もない誹謗中傷ではなく、詭弁を詭弁と批判しているに過ぎない。


 岸田は安倍や菅、茂木や高市らに比べたらマシに見えるかもしれないが、岸田は現在自民党総裁であり、つまり茂木や高市らは岸田が任命した党幹部である。結局岸田もいくらかマシなだけで、同じ穴の狢であることには違いがない。


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