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馬鹿の一つ覚え「思考停止」

 安倍は何を食べても「ジューシィ」と言う、というのは有名な話で、語彙がない、馬鹿の一つ覚え、と揶揄されることも多い。匿名掲示板やSNS等でささやかれるようなレベルではなく、大手メディアもネタにするレベルだ。

安倍総理は「ジューシー」がお好き?! - YouTube

国会で「私が答弁しているのにヤジるな!」と言いつつ、自分は野党議員が質問している最中に「日教組ぉwww」「共産党ぉwww」と平気でヤジるし、戦闘を武力衝突と言い換えたり、武器輸出を防衛装備移転と言い換えたり、そのほかにも山ほど恣意的な言い換えをやっているのに、自分に対する批判については「印象操作は止めろ」と言ったりするなど、安倍が論理的思考に著しく欠けており、気に入ったフレーズを馬鹿の一つ覚えのように多用するのは、周知の事実である。その極め付きが「募ったが募集していない」だった。


 馬鹿の一つ覚えとは、聞きかじった1つのことを、何かにつけて得意げに持ち出す人を揶揄する際に使う慣用表現だが、安倍が多用する馬鹿の一つ覚えには ”思考停止” もある。思考停止は、安倍が改憲推進の際に用いるお気に入りのフレーズで、憲法改正を議論しないのは思考停止だ! と、護憲派を揶揄する場合にしばしば用いられてきた。安倍は「議論しないのは思考停止だ」と言うが、その実態は、改憲を前提としており、改憲を否定するのは思考停止だ、が本音だろう。そうとしか思えないような主張をこれまでに繰り返してきた。

 安倍(と橋下や松井など維新の政治家)が、ロシアのウクライナ侵攻に乗じて、ウクライナが核を保有していればロシアは侵攻しなかったと主張し、日本も核保有を検討すべきだ!と気色ばんでて、非核三原則をないがしろにしようとしている。安倍は更に調子づいて、共産党の委員長 志位 和夫が「仮にプーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国へ侵略できないようにするための条項が憲法9条だ」とツイートしたことに対して、9条の平和主義を各国が共有すれば侵略を防げるというのは「空想にとどまって、思考停止なのかなという感じがする」と皮肉っている。

安倍氏、志位氏発言は「思考停止」 ウクライナ侵攻:時事ドットコム

安倍晋三元首相、9条による侵略抑止は「空想」 維新も「核共有」議論提言:東京新聞 TOKYO Web


 今朝、ロシアの攻撃によって、ウクライナのザポロジエ原発で火災が発生している、という報道があった。詳細はまだよくわからないが、消火活動が出来ていないという話もあるし、ロシア軍が既に同原発を占拠したという話もある。

欧州最大の原発をロシアが攻撃、周辺で火災 米が軍事行動停止呼び掛け | ロイター

 ロシアのウクライナ侵攻に乗じて、日本も核保有(保有国との核共有)を検討せよ、と言う安倍らは、2011年の東日本大震災によって発生した福島原発事故後、原発再稼働を推進してきた。北朝鮮のミサイル発射に対する危機感をこれでもかと煽っていた際に、彼ら原発再稼働推進派に「北朝鮮によるミサイル攻撃の懸念があるなら、原発はその標的にされる恐れがあり、即時撤廃が筋では?」と問うと、「ダムや原発などは攻撃対象にしてはならないという国際法があるから、攻撃対象にされる懸念は少ない」のような答えが概ねかえってきた。しかし、ロシアがチェルノブイリ原発を占拠したり、サポロジエ原発を攻撃したりしたことは、その話が如何に合理性を欠いているかを証明している。

 つまり、今安全保障を理由に核共有を議論すべきと言うならば、その前にまず原発の安全保障上のリスクの高さを再検討する議論をすべきであって、優先順位を明らかに見誤っている。原発を使うということは、万が一戦争に巻き込まれた場合に、敵対勢力に核兵器に相当するものを与える、ということにも等しい。原発を攻撃すれば通常兵器が核兵器に変わる。
 また、ダムや原発などを攻撃してなはらないというジュネーブ条約があっても、それだけでは攻撃を受けないという保障にはならないのだから、9条では平和を守れない、護憲は思考停止だ、と言うのなら、国際法があるから原発は攻撃対象にならない、なんてのも当然、思考停止以外のなにものでもないだろう。

 そんな明らかな矛盾を抱えているのに、そんなことはお構いなしで、平気で護憲に対して馬鹿の一つ覚えで ”思考停止” と言うのが安倍である。募ったが募集していない は伊達じゃない。
 安倍は、2020年の夏に持病の影響で「適切な判断ができなくなる恐れがある」と言って首相を辞した人物である。そもそもそれ以前から適切な判断などできなかったことは、矛盾だらけの主張を繰り返してきたことから明白だったが、だから現在も安倍が適切な判断ができないのはある意味当然で、自ら「適切な判断ができない」と言った人物が未だに国会議員の座に居座っていること、そんな人物を公認し続ける党があること、そんな人物を有力者扱いする政治家・支持者・メディア関係者が少なくないこと、主張を無頓着に取り上げるメディアがあることが異様なのだ。


 メディアは安倍の発言を取り上げる際には「安倍晋三は2020年に「適切な判断ができない恐れがある」と言って首相を辞した人物である」と注釈する必要がある。それは最低限のラインだろう。でなければフェアな報道とは言い難い。


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