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韓国憎けりゃBTSまで憎い

 いったん嫌いとなると、その人に関わりのあるものすべてに嫌悪感をいだく心理を示す、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、という慣用表現がある。読んで字の如く、お坊さんが嫌いになると、そのお坊さんが来ている袈裟も見たくなくなる、更には、他のお坊さんも、嫌いなお坊さんと同じように袈裟を着ている、というだけで嫌悪感をいだくようになる、のようなニュアンスだ。

 自分の家のお墓がある寺の坊さんが、金満だったり生ぐさだったりしたら、どこの寺の坊さんも似たようなもんだろ? なんて思ってしまう人もいるだろう。

 あるファミリーレストラン店に行った際に、たまたまウエイトレス/ウエイターの対応が悪かったりすると、実際はそのウエイトレス/ウエイターだけが対応が悪いだけだったのかもしれないが、その店、いや同じ看板を掲げるチェーン店/フランチャイズ店全体の対応が悪いように思えてしまい、たまたま当たったウエイトレス/ウエイターがダメな奴だっただけでも、もうそのチェーン店/フランチャイズ店には行かない、なんて気分になったりする。外国人観光客が最初に入った店でそんな目にあったりしたら、ファミリーレストラン全般に対して、いやその国の飲食店全般に、場合によってはその国全般に対して、悪いイメージを抱いてしまう場合もあるだろう。

 こんなことを書いている自分も、Youtube広告では、完全無料で9ケタ資産とか、ワンクリック1万円の副業とか、あからさまに誇大、いや最早詐欺と言っても過言でないようなのが流れてくる影響で、Youtube広告はどれも胡散臭い、というかWeb広告全般に対して胡散臭さを感じてしまっている。中にはまともな広告もあるだろうが、広告という自分が主体的に見るものではないものについて、まともか否かをいちいち判断するのは面倒なので、騙されない為には、基本的に広告は胡散臭いもの、という認識でいたほうが楽だからだ。
 勿論広告の中には自分にとって有益な情報もあるものの、有益な情報は決して多くないので、それを見落としたところでそんなに悔しくない。たとえば産経新聞の中にもまともな記事はあるだろうが、自分は産経新聞を信頼できる情報筋とは思っていないので、産経のまともな記事を読めなくても別になんとも思わないし、自分に必要な情報であれば、多分どこか別のルートから同じような情報が入ってくるはずだ、と思っている。Web広告は自分にとって、産経と同様に信頼できる情報筋ではないし、必要な情報ならどこか別のルートから入ってくる、仕入れられると思っている。

 Web広告の広告主たちは、YoutubeやGoogle、各SNSに対して、広告全般に胡散臭いというイメージがついてしまうから、広告収入最優先であからさまな詐欺広告のようなものまで流すな! と抗議すべきでないのか? とも思うが、GoogleやSNSが大きな力を持っているので、そういう動きが起きないのかもしれない。いや、日本のテレビを見ていると、ゴールデン/プライム帯以外では地上波でも胡散臭いCMのオンパレードなので、そもそも日本の企業にはそんな感覚すらないのかもしれない。


 この投稿の冒頭で、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、に触れたのは、BTSの活動休止発表に際して、ツイッターのトレンドに再び ”原爆Tシャツ” が上がっていたからだ。

BTSの活動休止 その背景とグループの今後 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News

 この原爆Tシャツとは、2018年にテレビ朝日のミュージックステーションにBTSが出演する、というタイミングで、過去にメンバーの1人が着用していたTシャツに、原爆投下後のキノコ雲があがる写真と韓国国民が万歳をする写真がプリントされていたことについて、、原爆投下を揶揄すしているという指摘がなされ、テレビ朝日がミュージックステーションのBTS出演を取りやめた、という件だ。

 個人的には、この時点でバカバカしい指摘だと思っていた。その理由は、2020年5/7の投稿でも書いた。キノコ雲をモチーフにした爆発表現は、タイムボカンシリーズなどでも多用されているが、それが理由でタイムボカンシリーズがタブー化しているという話は一切聞かない。BTSのそれがあんなに批判された一方で、タイムボカンシリーズはギャグアニメなのに、キノコ雲や原爆投下を茶化しているという指摘は一切聞こえてこない。他国のアイドルは過剰なまでに指摘するのに、キノコ雲表現が多用されている自国のアニメについては一切何も言わない、というのはあまりにも筋が悪い
 つまり、一部の嫌韓日本人たちが、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、でBTSを標的にしているとしか言えない。


 また衣装の問題で言えば、2016年に、アイドルグループの欅坂46が、明らかにナチ・SSの制服をモチーフにした衣装を揃え、ライブで使用したことが問題になったことがあるが、BTSに対していまだに原爆Tシャツがーと言っている人のうち、一体どれだけが、欅坂46は今すぐにでも解散すべきだ、と言っているだろうか

 ナチの制服を明らかに模した衣装を揃えてライブで使用した自国のアイドルグループには何も言わず、他国のアイドルグループの1人がキノコ雲がプリントされたTシャツを過去に着たことについては執拗に攻撃する、というのは明らかにバランス感覚がおかしい。
 このことから考えても、やはり、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、でBTSを槍玉に挙げているとしか言えない。


 更に付け加えると、2019年6/30の投稿でも指摘したが、キノコ雲の表現について過剰な指摘をする日本人の多くは、他国で旭日旗が植民地支配の象徴だと指摘されていることには全く触れないか、むしろだからなんだ?という態度だ。そんな点から言っても、BTS云々以前に、日本人は全般的にキノコ雲の表現をどうこう言えるような立場にない、とすら言えるのではないだろうか。
 日本は、旭日旗は元々旧日本軍の軍旗であり、今も自衛隊旗で実質的には軍旗であるのに、それを平和の祭典とされるオリンピックの応援で使用することを「問題ない」とする者を、担当大臣にするような政党を与党に選び続け、更にはその人がオリンピック組織委員会の委員長になるような国なのだから。



 トップ画像には、イラストストック「時短だ」 – 時短に役立つ素材サイト の素材を使用した。

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