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反社会的勢力との関係性


 反社会的勢力との関係性と言えば、よしもとの芸人らが詐欺グループの忘年会(2014年末)に事務所を通さずに出演したという事案が報じられた(6/7の投稿)。当初彼らは、「ギャラは受け取っていない」と説明していたが、その後対価の受け取りが発覚、芸人らがそれを公表しようとしたのに対して、よしもと側が隠蔽しようと彼らに圧力をかけたという話が、芸人らが事務所を通さずに自ら開いた会見の場で語られた(7/21の投稿)。そこから話は、彼ら以外の所属芸人らも巻き込み、反社会勢力との関係のみならず、よしもとの芸能事務所としての不適切さも明るみになる騒動に発展したが、事務所側の圧力・つまり芸人へのパワハラ行為については、結局有耶無耶にされてしまった。
 反社会勢力との関係性はスポーツ界でも、プロ選手や日本代表級選手などの賭博への関与などが度々取り沙汰される。記憶に新しいのは、バドミントンの桃田 賢斗/田児 賢一選手の件、読売ジャイアンツ・笠原 将生/高木 京介選手らが野球賭博に関与していた件などだ。後者は他にも多数の関与が発覚し、野球界以外にも波及するかなり大きな騒動となった(読売ジャイアンツ所属選手による野球賭博問題 - Wikipedia)。


 このように、芸能人やスポーツ選手などの反社会的勢力との関係が報じられると、例えそれが疑惑であってもメディアは一気に加熱する。ワイドショーやゴシップ紙等だけでなく、大新聞や報道系のニュース番組などでも取り上げられる。以前は、政治家と反社会勢力との関係性が報じられれば、芸能人やスポーツ選手以上に大きく取り沙汰され、適切な説明がなされなければ辞任に追い込まれることも多かった。「以前は」。

 なぜ「以前は」と強調したのかと言えば、千葉を始めとした関東各地が台風被害に苦しむ中、災害対応そっちのけで発表された国務大臣・与党自民党幹部の新たな人事(9/11の投稿)で、国家公安委員長に任命された武田 良太氏について、アエラが9/13に「武田国家公安委員長が元暴力団関係者から献金 竹本科学技術担当相が暴力団幹部と撮った記念写真 を入手〈週刊朝日〉|AERA dot. 」と報じたのだが、他のメディアがそれについての続報を殆どしていないからだ。


 確かに現在は、前述した台風被害への対応が進んでおらず、千葉県では今日の時点でも未だにおよそ13万戸が停電している。災害対応そっちのけで組閣を優先した政府も政府だが、メディアも内閣改造が発表されてから被災地の現状を伝え始めたと言っても過言ではない状況で、報道のリソースを被災地の状況を伝えることに多く割くべきタイミングでもある。しかし、メディアが被災地の現状を伝えること一色になっているか?と言えば、決してそうとは言えない。また、芸能人やスポーツ選手と反社会勢力との関係性なら涎を垂らして飛びつきそうなワイドショーやゴシップ紙が殆ど手を付けていないのも不可解だ。
 Googleで「武田国家公安委員長」と検索しても、このアエラの記事と時事通信の「「政治資金は適切処理」=元暴力団からの献金報道に-武田公安委員長」以外は、”公安委員長に就任した”という記事ばかりだ。時事通信の記事によれば、武田氏は会見でアエラの記事について、
 個別の報道に関しては答えを差し控えたいが、政治資金などは法令に基づき適切に処理されている
と述べたそうだ。時事通信の記事では、記者がどのように質問したのか、若しくは質問に対しての応答ではなく武田氏が自発的にそれに言及したのか分からないが、武田氏は「献金の処理」は適切と言っているだけで、暴力団関係者から献金を受けたことについては否定していない。就任直後に全く身に覚えのない記事を書かれたのだとしたら、真っ先に記事内容を否定するのが自然な反応だろうが、彼はそれをしていない。ということは…?と考えるのは果たして不自然だろうか。

 時事通信の記事では、竹本氏の写真についても触れており、竹本氏は会見で
 名前も知らないし、初めて会った人だ
 ある人から、ホテルの最上階の部屋に来ているから花火(を見)にいらっしゃいと言われた。行ったらそこに(写真の人物を含め)7、8人がいた
と説明したそうだ。
 冒頭で触れた、よしもと芸人と反社会勢力との関わりの件に関しても、当初取り沙汰された詐欺グループの忘年会出席とは別に、フライデーが「宮迫博之 半グレ金塊強奪犯と『ギャラ飲み』現場写真」という記事を掲載した(7/21の投稿)が、その写真については、ギャラ飲みではなくたまたま居合わせた店で別の客にせがまれて撮った写真、という説明が本人からなされ、そう証言してもいいという人も現れた為、フライデーの誤報、若しくはでっち上げという線が有力視されている。
 そんな話を考えると、竹本氏の話が事実に即している可能性もあるだろうが、それにしたって、宮迫さんの時はあんなに加熱した報道が行われたのに、なぜ竹本氏や武田氏については、メディアが殆ど反応を示さないのか不思議でならない。もしアエラの記事が事実に即していない内容なら、若しくはでっち上げだとしたら、それはそれでメディアの大好物であるような気がするのだが、何故かそんな検証も全くされていない。朝日系メディアをしばしば揶揄する産経新聞などフジサンケイグループのメディアらが、その手の報道/記事掲載をしないということは、アエラの記事には概ね問題がないと考えてもよさそうだ。


 簡単に言えばこの投稿も、先月からもう何度も書いているメディアと政府への不信感が増強されるような事案だ。ここで書いたことには個人的な推測も含まれている。しかし、果たしてその推測は余りにも不自然な内容だろうか。逆に言えば、メディアが妥当な報道をしないようであれば、ある程度推測によってものを考えざるを得ない、ということでもある。

 トップ画像は、3D Animation Production CompanyによるPixabayからの画像 を加工して使用した。


 因みに、竹本科学技術担当大臣については、こんな記事も報じられている。

 竹本氏は、内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略/知的財産戦略/科学技術政策担当/情報通信技術(IT)/宇宙政策担当)に任命されている第4次安倍第2次改造内閣 閣僚等名簿 | 首相官邸ホームページ)。相変わらず

安倍首相は適材適所の人選をしているな(皮肉)

という感想しかない。
 そもそも「首相官邸”ホームページ”」という表現をするくらいだから、政府全体の認識が低いとしか言いようがない。確かにホームページという表現は、既にWebサイトを指す日本語として定着した感があるが、英語圏ではWebサイトのことをHomepageとは殆ど表現しない。Homepageが指すのは、Webサイトのトップページのようなニュアンス、又はブラウザを起動した際に最初に表示されるように設定したWebページだ。

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