今、日本でヘルタースケルターと言えば、殆どの人が岡崎 京子さんの原作マンガか、蜷川 実花監督・沢尻 エリカ主演の映画「ヘルタースケルター」をまず連想するだろう(ヘルタースケルター (漫画) - Wikipedia)。この Helter Skelter という表現、そもそもは「慌てふためく」様子や「混乱した」状況を指す表現で、英国では、塔にらせん状に滑り台を巻き付けた遊園地のアトラクションの名称にもなっている。また世界的には、前述の映画よりもビートルズの楽曲のタイトルとしての方が有名だ(ヘルタースケルター - Wikipedia)。
これから書く今日の投稿の内容に鑑み、トップ画像を用意する為にまず頭に浮かんだテーマは「支離滅裂」や「混乱」だった。しかしこの約1ヶ月の間ほぼ毎日、その日の投稿内容を端的に示す表現として、これらの表現がまず頭に思い浮かぶ。そのままでは毎日同じような画像になってしまうので、何とか別の表現を捻り出している。で、今日は、「支離滅裂」の同義語として「しっちゃかめっちゃか」という表現を連想し、
映画「ヘルタースケルター」で
まさにヘルタースケルター、つまり、しっちゃかめっちゃか。という台詞があった事を思い出して、それをタイトル画像に選んだ。何が毎日ヘルタースケルター/しっちゃかめっちゃか/支離滅裂なのかと言えば、勿論現在の日本政府だ。
昨日の投稿では、日本の体育会系に蔓延る団結・努力原理主義的なヤバさを指摘した。その中で3/20の聖火到着式にも触れた。
五輪聖火が日本に到着、開催延期求める声も・・・ TBS NEWS
到着した聖火を「復興の火」と称して、仙台駅前に展示されるイベントが行われ、しかも今日以降岩手や福島でも同種のイベントが行われる予定らしい。
到着の聖火「復興の火」に長蛇の列 TBS NEWS
このTBS NEWSの映像では分かりにくいが、毎日新聞は5万2000人もの人が集まったと報じている。
仙台で聖火見物5万人 感染リスクの数時間行列 組織委、再び密集なら中止検討 - 毎日新聞
記事にはこうある。
主催する宮城県は混雑緩和に努めたが、想定(1万人)の5倍以上の人出に500メートルを超える長蛇の列ができた。感染リスクが高まる密集の中、数時間待つ状態が続いた。
共催する東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日以降、列の間隔を前後1メートル以上空けることを徹底し、過度な密集状態が発生した場合は中断や中止も検討することを明らかにした。現在首相と政府は、患者の急激な増加、オーバーシュートが生じる可能性があるとし、全国規模の大規模イベント等の開催については、中止、延期、規模縮小等の検討をお願いをしている状況で、所謂イベント開催自粛要請をしている状況にある(イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ 厚労省 / インターネットアーカイブ)。
“大規模イベントは引き続き慎重対応を”首相 政府対策本部で | NHKニュース / インターネットアーカイブ
また、新型コロナウイルス対策を理由に、3/22にさいたまスーパーアリーナで行われる格闘技イベント・K-1の興行について、名指しで開催自粛を要請したとも報じられている。
政府が自粛要請も「K-1」イベント決行 TBS NEWS
このTBS NEWSの記事には、
さいたまスーパーアリーナで行われているのは、K-1のイベント「K’FESTA.3」で、去年は1万人余りの観客を集めました。とある。確かに屋外で緩やかに人が移動する状況での集客予想1万人のイベントと、屋内で客が席にとどまる集客予想1万人のイベントという違いはあるものの、前述の毎日新聞の記事を見る限り、「復興の火」と称して聖火を展示するイベントの様子も、かなり人が密集しているし、K-1のイベントとは異なり事前のチケット販売などもない為、集客予想はかなりアバウトでしかなく、結果として5万以上もの人を集めた。
3/2の投稿でも触れたが、日本陸上競技連盟は「参加選手が数百人(約200人)で大規模イベントには当たらない」とした東京マラソンも、政府が自粛を要請したという報道はなかった。東京マラソンにも7万にもの人が集まったことを考えれば、聖火絡みのイベントにも同様に大勢の人が集まるのは明白だったのではないか。民間のイベントには大臣名義で名指しして自粛を求めるのに、自治体や五輪組織委が共催するイベントには求めないというのは、あまりにも支離滅裂・しっちゃかめっちゃかだ。
更に支離滅裂・しっちゃかめっちゃかなのは、先月末首相が唐突に発表した為に大きな混乱が生じた、春休みまでとしていた小中高校などへの休校要請(2/28の投稿)を、延長しないと言い出していることだ。
【速報】萩生田文科相、一斉休校延長しない TBS NEWS
東京新聞:<新型コロナ>休校要請延長せず 新学期再開へ来週指針 政府:政治(TOKYO Web)
なぜ屋内に多くの人が集まるイベントには自粛要請をするのに、同じく屋内に長時間多数の児童がとどまる学校の休校は延長する必要がない、という判断に至ったのか、全く理解に苦しむ。東京新聞の記事を見れば分かるように、首相が「オーバーシュート(患者の急激な増加)が起きかねない」という見解を示したのと同じ会合で、休校延長はしないという方針が示されている。
これらはすべて、「換気が悪く、多くの人が密集し、近距離での会話が行われる三つの条件が重なる場を避けるべき」という政府の専門家会議の見解を踏まえた判断とされているが、ならばK-1では観客の私語厳禁にすればいいだけで、自粛要請する必要はなさそうだし、逆に言えば、学校に通う児童らの方が一緒に過ごす時間は長いし、休み時間に児童や生徒が全く私語もふざけあうこともしない、なんて状況の方が考え難く、休校は延長するべきということになるのでは?とも感じる。
このような思いに至る背景には、3/20の投稿でも書いたように、中央省庁、しかも感染症対策を主導する厚労省が、正確性を欠く情報を広めたという事実がある。それでは厚労省や政府専門家会議の言うことなど信用できない。
そして、それ以前から、度重なる改竄や捏造事案、そして直近では桜を見る会の問題、更に検事長定年延長など、兎に角今の政権は自己都合によって平気で事実や法を捻じ曲げて解釈し続けてきた。だから新型コロナウイルスに関しても、同様に自己都合に合わせて事実を捻じ曲げて解釈している恐れを強く感じる、というか最早、そう確信していると言っても過言でない。
政府がこんなに支離滅裂では、一部の国民がトイレットペーパーなどの買い占めに走ってしまうのも無理はない。自分にとっては、混乱の種はコロナウイルス感染拡大ではなく、支離滅裂なことを平気でやる安倍自民党政権だ。
トップ画像は、Photo by Daphné Be Frenchie on Unsplash を加工して使用した。