所謂ハイブランドというものには全く興味が湧かない。かと言ってブランド全般に興味がないのかと言えばそんなことはなく、好きなブランド/銘柄はある。ファッションで言えばXLargeなどストリート系でいくつか好きなブランドがあるし、クルマで言えばメルセデスベンツよりもBMWの方が好きだ。しかしそれらもブランドが好きというよりも、それらのブランドのデザイン傾向が比較的好みであると言った方が妥当だ。XLargeならなんでもいいわけでもないし、BMWならどれでもいいわけでもない。
信頼性に関してもブランドを頼りに判断することは多く、信頼できるブランド=好きなブランドとも言える。昨今はネット通販を中心に中国系の有象無象がひしめき合っていて、自動車パーツや電気製品などは、見てくれが同じであっても中身が異なるものが山ほどあったりする。どこの誰かも分からない業者から商品を買うよりは、少し高くても日本のブランドが販売しているものの方が、信頼のおける代理店を通して買った方が粗悪品を掴まされる恐れは低いし、万が一不良品に当たっても泣き寝入りせずに済む。また昨今は、中国系でも信頼できるブランドと怪しいブランドの差が出始めている。
ハフポストが昨日「ティファニーの麻雀、値段もやっぱりゴージャスだった。「おしゃれすぎて打てない」と話題【画像】 | ハフポスト」という記事を掲載していた。タイトルの通り、アメリカの宝飾品ブランド・ティファニーが売り出した1万5000ドルもする麻雀牌に関する内容だ。
Everyday Objects mahjong set in a Tiffany Blue® leather box. | Tiffany & Co.
商品の説明文には、「この麻雀セットは、グレーの合成スエードを使用したティファニーブルー®レザーのケースに収められています。スターリング シルバー、アメリカン ウォールナット、レザーで作られた牌、スコアリング スティック、ダイスなど、麻雀を楽しむために必要なものがすべて揃った贅沢なセットです」とある。確かに比較的高価な素材を使用しているが、その素材とこのデザインに1万5000ドル、日本円にすると約156万円の価値が果たしてあると判断できる人はどれ程いるだろうか。
もしこの麻雀牌にティファニーのロゴがなく、ドン・キホーテの玩具売り場に置いてあったとして、来店者に「いくらだと思う?」と聞いたら、果たしてどんな答えが返ってくるだろう。確かにデザインや配色は一般的な麻雀牌と違うし、比較的高価な素材で作られているが、それでも「156万円は法外だ」と言う人が殆どではないだろうか。この麻雀牌を買う人でも「ティファニーのロゴがなければ買わない」「ロゴがなければ156万円は払えない」という人の方が多いのではないだろうか。
もしこの仮説が妥当であれば、この麻雀牌の価格の大半はそのブランドが支えていると言えるだろう。つまり、これを買う人の大半はティファニーというブランド、もっと言えばティファニーというロゴに多額の金を払うと言っても過言ではないだろう。
因みに、この麻雀牌のページの下部に表示される「こちらもおススメ」の中には、卓球ラケット2つとボールのセットもあり、
Shop Leather & Reclaimed Walnut Table Tennis Paddles | Tiffany & Co.
麻雀牌程高価でないが、それでも価格は700ドル、およそ7万2000円もする。麻雀牌も卓球ラケットも、ブランドのファンに向けた一種のコレクターズアイテムみたいなものなのだろうが、この卓球ラケットでもやはり、ティファニーファンでなければ価格相応とは判断できないのではないか。根っからのティファニーファンか金が有り余っている人以外に買う人がいるのだろうか。
いくらティファニーのロゴが付いていても、麻雀をするのにポンっと156万円もする麻雀牌を買う人は殆どいないだろう。つまり金が有り余っている人か、筋金入りのティファニー信者でもなければ、いくらティファニーブランドでも価格と中身が釣り合わないと判断するはずだ。
11/15の投稿で、共和党の看板がなかったら、どれだけの人がトランプに投票しただろうか、中身をよく見ずに「自民党だから」という理由で、前政権を支持した、現政権を支持している人がかなり多いのではないだろうか、ということを書いた。11/16、11/17、11/18と、ここ3日間の投稿で書いたことだけを見ても、自民党というブランドだろうが、今の自民党は中身が全く釣り合わないということが余りにも明白だが、なぜ日本の有権者は金が有り余っているわけでもないのに、麻雀牌に156万円も出すような判断をするのだろうか。自分達が支払っている税金分の政策が果たして行われているか、をもっと真剣に考えるべきだ。税金は強制的に徴収されるお布施ではない。