機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島が今月の頭に劇場公開された。同作品は、機動戦士ガンダムの最初のテレビ版の1エピソードを、再構成した作品である。機動戦士ガンダム The Origine の作品群の1つということになっていて、The Origine は、基本的に最初のテレビ版やそれを踏襲した劇場版3部作とはパラレルワールドということになっているようで、結構大胆な変更が加えられている。
今年は、このククルス・ドアンの島以外にもう一つガンダムの新作が公開されることが以前から明らかになっていた。それは機動戦士ガンダム 水星の魔女という作品で、これまではタイトルとTVアニメシリーズであることだけが告知されていただけだったが、先日作品についての発表があった。
ガンダムには大きく分けて宇宙世紀ものとそれ以外がある。宇宙世紀ものとは、最初のガンダムと時間軸的につながっている作品のことで、人類が西暦(グレゴリオ暦/A.D.)から宇宙世紀(U.C.)という紀年法に変更した後の世界を描いている。それ以外とは、最初のガンダムと時間軸を共有しない作品群のことを言い、それ以外としているように、それぞれの作品がそれぞれの紀年法を用いて別の世界を描いている。中には宇宙世紀との関連性を匂わせる設定のある作品もあるが、宇宙世紀という紀年法を用いないガンダム作品はそれ以外とするのが一般的だ。
水星の魔女は、宇宙世紀ものかそれ以外かも発表されていなかったが、先日の発表でそれ以外であることが確定した。自分はそれ以外にはあまり興味がないので少し残念だ。
ガンダムを小学生になる前に見た自分は、最初のテレビ放送ではあまり人気がなかったが、ガンプラブームや劇場版が熱狂的に受け入れられたことは、幼心に見ていたくらいだが、年上のいとこがガンプラを作っているのを見て、自分は森永のチョコボールスナックのおまけの簡易プラモデルを組み立てていた。小学生になってもガンプラはまだまだ人気で、そしてZガンダムやZZガンダム、逆襲のシャアなど、最初のガンダムの続編の宇宙世紀ものの第1期をリアルタイムで体験した。またガンダム初のOVAシリーズだったポケットの中の戦争で、これまでのガンダムとは違い、ヒーローのような存在のいないガンダムを体験したことも、ガンダム(宇宙世紀もの)に魅了され今も新作に期待し続けている理由だろう。
ガンダムと同様に、少年/青年時代の自分に大きな影響を与えたアニメにAKIRAがあり、AKIRAとは作者は違えど似たような世界観を持つ攻殻機動隊がある。攻殻機動隊については、士郎 政宗の原作と押井 守監督の最初の劇場版アニメ・攻殻機動隊 Ghost in the shell、その続編のイノセンス以外は、自分にとってはガンダムの宇宙世紀もの以外のような感覚だが、AKIRAと攻殻機動隊の押井 守監督作品については、これまでに何度かこのブログでも触れていることからも分かるように、自分にとってとても重要な作品だ。
特にAKIRAを最初に見た時のインパクトは絶大だった。当時まだ小学生だったのでヤングマガジンで連載していた原作マンガは知らなかったが、小学校5年でマンガの存在を知り、友達の兄貴が持っていたのを借りて読んだ。中学生になると他の大友 克洋作品にも興味を持つようになり、少ない小遣いやお年玉で買った。
童夢以前の作品については、当時は作風の違いにやや面食らったものの、年齢を重ねた後に何度か読み直すうちに、面白さが徐々に分かるようになっていった。
AKIRAと言えば、東京五輪や新型ウイルスの感染拡大を予言していたとか、先取りして風刺していたみたいな評価が話題になった。
- 感染症対策よりも補償よりも、オリンピックが最優先(2020年4/1の投稿)
- 大友克洋がAKIRAで描いたのは、2020東京五輪だけじゃない(2021年3/12の投稿)
また、2020年7/3には、大友 克洋作品のタイトルを引用して、
という投稿も書いた。自分が生きている内に、日本がこんなにも没落し機能不全に陥るなんて思ってもいなかったが、今はその投稿を書いた2年前よりも更に状況が悪化している。
昨日の投稿でも書いたように、最高裁まで行政と一体化し、そして憲法や人権を無視する判決を出しているし、アベノミクスなんて自民政府が自画自賛していた経済政策のせいで、円安に歯止めがかからず、日本は輸入に頼った国なので物価がどんどん上昇し、しかも自民政府にはそれをなんとかしようという気配もない。日本が世界の常識にさよならを告げているようでもあるし、非常識な日本が他の国に「さよならにっぽん」と思われているようでもある。
更には、敵基地攻撃能力とか言って先制攻撃を正当化しようという政党が与党なだけでなく、先制攻撃、つまり敵よりも先に攻撃を行うことを意味する敵基地攻撃能力を、”反撃”能力と言い換えようとしたりする。反撃とは攻撃を受けた後にやり返すことなのに。そして、持病の悪化で正常な判断ができなくなると言って総理大臣を辞め、総理大臣だった時に国会で3ケタ回数の嘘を繰り返した安倍を筆頭に、防衛費の増額だの核保有(各共有)だなどと言い出し、自民党は、気分はもう戦争、なんだろうな、という感しかない。気分はもう戦争も、大友 克洋のマンガのタイトルだ。
首相、原潜保有に慎重 維新は導入主張:東京新聞 TOKYO Web
今朝のフジテレビでの与党9党首による討論会にて、自民総裁で現首相の岸田は、原潜保有については消極的な態度を示したそうだが、日本維新の会 松井、NHK党 立花は導入を主張、国民民主党 玉木も検討すべきだと積極的な姿勢だったそうだ。 岸田は原潜には消極的だったそうだが、防衛費の大幅増額や先制攻撃正当化には前向きである。
自民や自民と連立を組む公明、そして野党とは名ばかりで自民の補完勢力でしかない維新や国民民主、そして政治をおもちゃにしているとしか言えないような政党に投票していると、あっという間に軍事国家のようになってしまうだろう。
防衛だ!防衛だ!と叫ぶなら、まずは攻撃対象にされたらどうすることもできない原発をなくさないことには、核爆弾を自分で抱え込んでいるようなものだし、日本は島国で、食糧の大部分を輸入に頼っているので、海上封鎖されたらすぐに干上がってしまうのだから、食糧自給率を改善することが何よりも優先すべきことなはずだし、少子高齢化対策だって欠かせない。
しかし、そのようなことにはほとんど、全く対処しないどころか、原発再稼働を推進しているような人たちが、単に武力を欲しがっているだけでしかない。気分はもう戦争で限りある国家予算を無駄遣いされては困るのだ。