沖縄・首里城で火災が起きたのは10/31の未明だった。 11/1の投稿では、その原因については、センシティブだからか、警察や消防から予測すら示されていないこと、それに関するデマが飛び交っていることについて書いた。今日・11/5の時点では、外部からの侵入の形跡がないこと、警察が電気設備を調べていることなどが既に伝えられているが(首里城火災、ショートの可能性も捜査 「分電盤」か 焦げた電気設備を回収 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス)、果たしてこの話はいつの時点で浮上していたのだろうか。
鎮火直後、警察や消防が取り敢えずの見立てを示さなかったのは、沖縄と本土の関係等と、燃えたのが沖縄の象徴的建造物だったことなどで非常にセンシティブだったからだろう、と自分が想像しているのは前述の通りだ。 台風19号が直撃した際に、東京23区東部の5区で250万人を対象とした避難が検討されたそうだが、パニックになる恐れから、事前の計画に反して検討は公表されなかったそうだ(東京新聞:東京ゼロメートル地帯の5区 台風19号で250万人避難検討したがパニック恐れ公表せず:社会(TOKYO Web))。
首里城の火災原因について、本当に鎮火直後は全く原因の見当がつかなかったのかもしれないが、19号の23区東部と同様に、実際は概ね見当がついていたのに、何かしらの理由で公表を見送っていたという恐れもあるだろう。
本来、日本の警察や消防はある程度信頼のおける組織で、発表に概ね嘘や偽りはない筈だったが、今夏の参院選以降、政権に批判的な者を警察が不当に排除する件が複数起きていること(7/17の投稿、8/28の投稿)、沖縄では以前から警察が、普天間基地の辺野古移設工事反対を訴える者らに対して高圧的な態度を示していることなどを勘案すれば、今の日本では警察や消防、そして、公文書を改ざん捏造隠蔽が複数件発覚し、更にはそもそも記録を残さないという暴挙に出ている政府の機関が何か発表しても、手放しでは信じることが出来ない状況になってしまっている。そんな状況下では、「彼らが言及しないということは…?」のような疑心暗鬼も広がり易くなってしまう。つまり、警察や消防が取り敢えずの見立てを当初示さなかったことにより、デマが飛び交ったという側面もあるだろう。
台風19号の際にパニックを恐れ、事前の計画に反して避難検討を公表しなかった、という件も、そうやって一度計画に反して公表しないことをしてしまえば、次に似たような状況になった際に、避難の必要性は低いという判断の下で何も公表しない、若しくは避難の必要性はないということが公表されたとしても、「また何か隠しているんじゃないの?」という疑心暗鬼が市民に生じ、パニックを恐れて公表しないなんてことをしたが為にパニックが生じる恐れもあることを、政治家や役人は考えているのだろうか。
何かを取り繕う為に嘘をつくのは簡単だが、それによって生じた疑心暗鬼、信頼性の低下を元に戻すのには、その何倍もの時間と労力を要する。
「嘘と炎上」と言えば、ハフポストが11/4に「安倍首相が乗った政府専用機、オーブンでパンを温めていたら火が出てぼや騒ぎに」という記事を掲載している。
スクリーンショットからも分かるように、この記事は朝日新聞からの転載記事だ。元記事の朝日新聞の見出しは「首相が乗った政府専用機でぼや騒ぎ パンが焦げて煙出る」で、「火が出て」という記述はない。本文はどちらも同じで、両方に
防衛省によると、オーブンでパンを温めていたところ、焦げて煙も出たため消火器を使用。出火は確認されず、機体の設備にも損害はなかったという記述がある。 一応「「機体最後方の調理オーブンでぼやが起こり、ただいま初期消火しております」とアナウンスが流れた。座席から煙などは見えず、異臭もすぐに消え、約10分後には「ぼやは鎮火しました」と再びアナウンスがあった」という、火が出たかのような記述もあるが、例えば「安倍首相が乗った政府専用機で“ぼや騒ぎ”|日テレNEWS24」も、
「ぼや」と説明していたが、火は確認されておらずとしており、ハフポストの見出しは不正確であると言わざるを得ない。このような見出しを付けていると、フェイクニュースの発生源とされる雑な所謂まとめサイトやトレンドブログ等を指摘しても説得力がなくなってしまうのではないか。
前段の話のように、政府側の「実際には火は出ていない」という説明を手放しで信用できない状況でもあり、事実に即しているかは定かではないが、それでも、何かしら根拠があるわけもないのに「火が出た」とするのは妥当とは言えない。
このぼや騒ぎのニュースを見て自分は、菅原経産大臣、河井法務大臣がたて続けに辞職し、首相や官房長官が会見でいい加減で消極的な態度を示すなど、(10/31の投稿、「責任は私に」49回 なぜ安倍首相の「任命」は失敗続きなのか - 毎日新聞)炎上気味の官邸だが、そんな館の長が乗る飛行機でもぼや騒ぎが起きた。次はどこから火が出るだろうか、と思った。
そんなことを考えていた昨日、自民党 三原 じゅん子氏の以下のツイートが話題になっていた、というか所謂炎上状態になっていた。
私たちは政権握っていませんよ(笑)— 三原じゅん子 (@miharajunco) November 2, 2019
皆様、コメントが凄いことになってますね〜(笑)— 三原じゅん子 (@miharajunco) November 3, 2019
では、正確に申し上げましょう。
政権を握っているのは総理大臣だけですよ。
三原氏曰く「政権を握っているのは総理大臣だけ」だそう。このツイートに対しては、「その見解が正しいなら、独裁ということじゃないか」「安倍氏による独裁を認めているということか?」などの指摘や批判が各所から上がっている。三原氏はこれに関連して、
政府は行政府で与党は立法府で三権分立の観点から同じに捉えるのは、、。— 三原じゅん子 (@miharajunco) November 3, 2019
ともツイートしており、彼女が日本の議会制民主主義について充分な見識を持ち合わせていないことがよく分かる。この程度の議員が「野党は恥を知れ」 などと国会で主張していた(6/25の投稿)のかと思うと、「世も末だ」以外の感想が見当たらない。
彼女の名前も、9月に災害対応そっちのけで行われた内閣改造の際に大臣候補に上がっていたが、もし彼女が大臣になっていたら、彼女も確実に内閣に火を付ける者の一人だったはずだ。流石に安倍氏らも彼女がその程度だと分かっていたから、大臣に選出しなかったのかもしれないが。
彼女が自分の地元である神奈川県で選出されていることを非常に恥ずかしく思う。彼女に票を投じた人達はそれを強く恥じるべきだ。小学校高学年程度の知識もない者を議員に選んだのだから。それよりも深刻なのは、与党が小学校高学年程度の知識すらない者を公認して選挙戦に送り出していることだ。これでは、中身よりもタレント的な人気と知名度だけで公認していると言わざるを得ない。元Speedの今井議員も同党から立候補して議員になっているが、彼女も「批判なき政治」という、まるで独裁国家を目指しているかのような主張をして炎上したことがある(今井絵理子氏の「批判なき政治」。どう考えたらいい? | ハフポスト)。昨今自民党は、イメージ先行・イメージ重視の活動に力を入れている(5/3の投稿、6/22の投稿)。その結果がこのような状況で、今の状況を見ていると、今後更に拍車が掛かるかもしれないとも思う。
これでもまだ「自民党・現政権は他よりマシだ」という人が減らないようであれば、当分の間日本社会の状況は改善しないだろうし、国際的な地位も相対的に沈下し続けるのではないか。
トップ画像は、Gerd AltmannによるPixabayからの画像 を使用した。