スキップしてメイン コンテンツに移動
 

芸能界有力事務所と政権の近さに関する危惧


 ハフポストは6/30に、よしもと所属だったカラテカ・入江 慎也さんが、同じくよしもと所属の複数の芸人に対して、詐欺グループが2014年末に催した忘年会への出席を仲介したとされ解雇された(6/7の投稿)件について、仲介によって参加したとされる芸人らは当初「ギャラは受け取っていない」としていたにも関わらず、実際は金銭を受け取っていたことが発覚し、参加していた芸人11人の謹慎処分を6/24に発表した件(BuzzFeed Japan「吉本興業の芸人11人、“闇営業”で謹慎処分 雨上がり決死隊・宮迫ら(謝罪コメント全文)」)、同じパーティに参加していたワタナベエンターテインメント所属のザブングルも同様に謹慎処分となった件(お笑いナタリー「ザブングルの謹慎処分をワタナベエンターテインメントが発表」)、よしもと所属の芸人・スリムクラブも、事務所を通さずに別の反社会的勢力が参加するパーティに参加し金銭を受け取っていたことが発覚して謹慎処分を科された件(BuzzFeed Japan「スリムクラブも“闇営業”で謹慎処分 吉本興業「十分にカバーしきれない面があった」」)など、一連の問題に関連する記事
を掲載した。どちらも6/30に放送されたフジテレビ・ワイドナショーでの出演者の発言を取り上げた内容だ。


 前述した一連の、お笑い芸人が事務所を通さずに反社会的な組織のパーティー等に参加して金銭を受け取っていた問題 に関しては、
  • よしもとがそもそも芸人らと契約書すらかわしていない
  • よしもとの芸人へのギャラ配分が、他事務所と比べてもかなり少ない
  • だから芸人が事務所を通さない所謂闇営業に手を出す
  • つまりよしもとのマネジメントが不十分であることによって生じる
という話や、
  • 闇営業か否かにかかわらず、反社会的な組織の会なら雰囲気で分かる
  • いや、分からない場合もある
  •  分かったところで、闇営業か否かにかかわらず「話が違うので帰ります」と言える雰囲気ではない
  • 会に参加して金銭を受け取った芸人の行動が問題なら、場所を貸した施設等も同様に糾弾されるべきではないのか
なんて話もあり、問題点・論点は複数の視点で語られており、論じる人によって様々だ。

 個人的には、よしもとがそもそも芸人らとマネジメントに関する契約すらかわしていないのであれば、芸人らが事務所を通さずに個人的な営業を行ったことに深刻な問題性があるとは思えない。但し、事務所を通していればある程度は問題のある依頼主からの仕事が除外できたのに、事務所を通さずに営業を行ったという点では、所謂闇営業にも問題性はある。
 また、金銭を受け取っていたにも関わらず「受け取っていない」としていた芸人らの言う「反社会的な組織とは知らなかった」という話にはあまり信憑性があるとは思えず、個人営業、つまり闇営業に問題がなかったとしても、個人で営業活動を行ったのだとしたら、反社会的な組織との関わりを持ったことについて、責任を個人が問われるのは当然のことだろう。勿論これが事務所を通した仕事だったなら、事務所が責任を負うべきだと考えている。
 つまり、一連の問題で最も重視すべき点は「闇営業を行ったこと」ではなく、「反社会的な組織から利益を受け取ったこと」だろう。しかも詐欺グループから金銭を得たということは、不当に巻き上げられた利益の供与を受けたという解釈も出来なくもない。不正行為を行っている組織を薄々にでも知っていた上で利益を受け取ったのなら、ある程度の社会的制裁を受けることも仕方ないのではないか。


 前述のハフポストの二つの記事では、ジャニーズ事務所を代表するタレントの一人・中居 正広さんと、よしもとを代表する芸人の一人・松本 人志さんが共に、「闇営業に対して否定的に論じている」ことが取り上げられている。自分はこれらの記事を見て、
 安倍晋三という、消えた年金について「最後のお一人にいたるまできちんと年金をお支払いしていく」と2007年に約束したのにもかかわらず、それを実現することもできないのに、金融庁が厚労省の見解も加味して、年金だけでは老後2000万円が不足するとした報告書を公表し、経産省でも同様の試算が行われていたにも関わらず、「報告書は妥当でないので質問には応じない」(6/19の投稿)「年金は100年安心」(東京新聞「年金「100年安心」 都合よく 03年公明提唱→麻生政権 不使用→安倍政権 一転強調」)などと言っている詐欺師みたいな人と、距離が近いように見えるジャニーズとよしもとの主要タレントは、詐欺グループとの関係性よりも「闇営業」が問題であるということを印象付けたいようだ。
と感じた。
 尚、2007年の当該発言を含む「第166回通常国会終了後の安倍内閣総理大臣記者会見」は首相官邸のサイトに以前掲載されていたのに、現在は削除、又は非公開にされており、官邸のトップページへリダイレクトする。Google検索をすると当該ページがあったことは表示されるが、何故かGoogleもこのページのキャッシュを提供していない。



 また、よしもと と現政権下の距離感については6/19の投稿で「距離が近い」と考える理由を書いた。ジャニーズに関しても、


こんなツイートを見ていると距離の近さが窺える。「たった2件の投稿しかないじゃないか」と思う人もいるだろうが、ジャニーズはネットでの所属タレントの写真使用に厳しい事務所なので、彼らとの写真を投稿できること自体が距離の近さを感じさせる。


 自分は6/30のフジテレビ・ワイドナショーを全編見てはおらず、もしかしたら、記事が取り上げていない部分、自分が見ていなかった部分で中居さんや松本さんが「詐欺グループとのかかわりも問題である」とする発言もしていたのかもしれない。本来なら、どうにかして番組全編を見た上でこのような見解を示すのが妥当、ということも理解はしているが、これまで何度かこのブログでも触れているように、当該番組自体にもあまり良い印象を持っていないし、6/25の投稿でも書いたように、そもそもよしもとが11人の芸人の謹慎処分を発表したのが参議院へ首相の問責決議案が提出された日、且つ衆議院へ内閣不信任決議案が提出される前日であり、個人的に
 問責案にしろ不信任案にしろ提出されれば野党側の演説が国会で行われ、少なからずそれは報じられるので、少しでも国民の注意を国会から逸らそうという目論見で、よしもとにこのタイミングで処分を発表して欲しい、と以来していたのではないか?
という疑念も抱いている為、この投稿を書くことにした。
 出演者らが積極的にそのような意図で発言し、当該番組が放送されたかどうかは定かでない。積極的にそう意図して発言をした恐れもあれば、誰か/何かにそう誘導されている恐れもある。勿論これらの私の主張が全くの取り越し苦労である可能性も十分にある。

 一応念の為に書いておくが、この投稿で書いたことはあくまで、私個人の主観に基づいて断片的な事実から推測した主張であり、書いてあることの全てが絶対的に正しいなどとは一切思っておらず、「そのような恐れがあるのではないか、と個人的に危惧している」という程度の話である。

このブログの人気の投稿

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

読書と朗読を聞くことの違い

 「 本の内容を音声で聞かせてくれる「オーディオブック」は読書の代わりになり得るのか? 」という記事をGigazineが掲載した。Time(アメリカ版)の記事を翻訳・要約した記事で、ペンシルベニア・ブルームスバーグ大学のベス ロゴウスキさんの研究と、バージニア大学のダニエル ウィリンガムさんの研究に関する話である。記事の冒頭でも説明されているようにアメリカでは車移動が多く、運転中に本を読むことは出来ないので、書籍を朗読した音声・オーディオブックを利用する人が多くいる。これがこの話の前提になっているようだ。  記事ではそれらの研究を前提に、いくつかの側面からオーディオブックと読書の違いについて検証しているが、「 仕事や勉強のためではなく「単なる娯楽」としてオーディオブックを利用するのであれば、単に物語を楽しむだけであれば、 」という条件付きながら、「 オーディオブックと読書の間にはわずかな違いしかない 」としている。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。

敵より怖いバカな大将多くして船山を上る

 1912年に氷山に衝突して沈没したタイタニックはとても有名だ。これに因んだ映画だけでもかなり多くの本数が製作されている。ドキュメンタリー番組でもしばしば取り上げられる。中でも有名なのは、やはり1997年に公開された、ジェームズ キャメロン監督・レオナルド ディカプリオ主演の映画だろう。