スキップしてメイン コンテンツに移動
 

晋三安倍の筋が通らない話


 個人的に、安倍氏に不審を感じ始めたのはオリンピック招致演説での「アンダーコントロール」発言(8/21の投稿)からだった。森友学園問題に関する「私や妻が関わっていたら首相も議員も辞める」という旨の発言や、その他にも安倍氏や彼が長を務める官邸や行政機関による「筋の通らない」話は枚挙に暇がない4/2の投稿)。12/3の投稿を始め、この1か月以内に複数の投稿で触れている「桜を見る会」の問題ではそれに更に拍車がかかっており、最早呼吸をするのと同じ頻度で筋の通らない話が出てくるような状況だ。
 「もう桜を見る会の話はウンザリ」という主張をしばしば目にするが、それには自分も同感だ。しかし「もっと他に議論すべきことがある」という筋の通らない話には全く賛同できない。首相や官房長官、内閣府を始めとした官僚が嘘や筋の通らない話を公然とするのが「些細なこと」なわけがない。何にウンザリとさせられているのかと言えば、首相や官房長官、内閣府を始めとした官僚の稚拙な嘘/言い訳など、筋の通らない話にだ。筋の通らない話や嘘には飽きたので、さっさと桜を見る会招待者名簿と前夜祭の明細と領収書出してくれ。あなた達の仕事は嘘をつくことや筋の通らない話をごり押しすることじゃないだろう?


 7月に安倍氏が札幌で演説した際に、「安倍やめろ!」とヤジった人や「増税反対」と叫んだ人が北海道警によって連行・排除されるという事案が発生した(7/17の投稿)。「首相演説中に"ヤジ排除"受けた男性が提訴・告発 北海道警察は未だ「確認中」 | 道内ニュース | ニュース | STV」によると、排除された男性が「道警の行為は暴行にあたる、不当な身体拘束、表現の自由の侵害」として道を訴え、警察官らを刑事告訴した。


7/17の投稿
の投稿でも書いたように、事案発生直後の朝日新聞の取材に対して、道警はトラブル防止と、公職選挙法の『選挙の自由妨害』違反になるおそれがある事案について、警察官が声かけした」と説明したそうだ。だが記事によれば、事案発生から既に4ヶ月以上も経過しているにもかかわらず、道警トップは未だに
事実関係の確認結果を踏まえ、できるだけ早い時期に説明する
と言うだけで、適切な対応だったかを答えていないそうだ。何をどれだけ確認する必要があるというのだろうか。また、埼玉県知事選の選挙戦最終日、文科大臣だった柴山氏が応援演説をした際にも同様の事案が起きている(8/28の投稿)。

他人にはヤジを飛ばすなと言うのに自分はヤジを飛ばし、指摘されるとしどろもどろになってしまう男(11/7の投稿)

https://dokuandhen.blogspot.com/2019/11/blog-post_7.html

 市民が首相や大臣をヤジったり、批判の声を上げると警察によって排除されるのに、首相が国会でヤジを飛ばし、国会議員の質疑に水を差しても口頭注意を受けるだけ。しかも注意を受けてたった2日で同じことを繰り返してもそれ以外に咎められない(11/9の投稿)。果たしてこれは筋の通った話と言えるだろうか。


 「「厳しい上司が来るから」捜査書類を破棄疑い 巡査部長を書類送検 京都府警 - 毎日新聞」によると、特殊詐欺事件の捜査書類をシュレッダーで破棄したとして、京都府警は30代の巡査部長を公文書毀棄容疑で書類送検し、停職1カ月の懲戒処分にしたそうだ。当該巡査部長は依願退職したらしい。


警察官が捜査資料をシュレッダーで破棄すると公文書毀棄容疑で書類送検されるのに、内閣府や官房長官は、共産党の宮本議員が資料提出を求めたその日に、その資料をシュレッダーにかけて廃棄したことを正当化しようとしている11/29の投稿)。果たしてこれは筋の通った話と言えるだろうか。


 「県文書の保存ディスク流出 ネットオークションで販売 | 政治行政 | カナロコ by 神奈川新聞」によると、神奈川県庁のサーバーで大量の個人情報や内部情報を保存していたハードディスク18個が、インターネットオークションで中古品として売られ、一部の情報が流出したそうだ。当該記事には黒岩知事の会見の様子を撮影した動画が添付されている。


黒岩知事は「県としてもデータ消去の履行確認が不十分だった。結果として県民に不安を与え、県への信頼を揺るがしたことを深くおわびしたい」と述べている。本当に県民に与えたのは不安だけだろうか。今後データが悪用される恐れもある。県民に与えたのは不安だけではない。知事は事案の矮小化を図ったと言えるのではないか。
 今後当該事案の担当業者や転売した者は責任を問われることになるだろうか。菅官房長官は「菅氏「バックアップデータは行政文書ではない」 桜を見る会名簿 - 毎日新聞」と言っている。ならばHDDに残されていたデータだって公文書ではないのではないか。公文書でないなら流出しても問題ないということになりはしないか。果たして菅氏の見解は筋の通った話と言えるだろうか。
 また首相も、12/2の国会での答弁の中で
サーバのデータを破棄後、バックアップデータの保管期間を終えた後は復元は不可能
と言っているが、神奈川の事例でもHDDに27テラバイトという量のデータを、ハードディスクを落札した男性が復元している。神奈川県は「復元してもファイルが開けなかったり、破損していたりしているものが多い」と説明しているそうだが、「東京新聞:桜を見る会 菅氏「名簿データ復元できない」 専門家は「できる可能性」:政治(TOKYO Web)」など、複数の専門家が「データを復元できる可能性がある」と主張している。
 菅氏は「桜を見る会名簿、電子データの復元調査を菅長官が否定:朝日新聞デジタル」と、復元する努力すらしない姿勢だ。つまり首相も官房長官も、そして神奈川県も、復元できない方が都合が良いのでそう主張しているだけではないのか。


 「野党「捜索願を」 国会欠席続ける菅原前経産相と河井前法相を批判 - 毎日新聞」は、菅原一秀前経産相と河井克行前法相が政治とカネの問題を巡って閣僚を辞任後、衆院本会議や委員会を欠席し続けていることに関する記事だ。


10/25の投稿でも書いたように、首相は閣僚が不祥事によって辞任する度に「責任は私にある」という旨を述べる。安倍氏が任命した責任を認めるなら、そもそも7年間で8名もの大臣が不祥事で職を辞するに至っているのだから(10/30の投稿)、そろそろ自身の見る目のなさを認め、能力あるものを登用する責任のある首相を辞任するべきだし、辞任しないにせよせめて彼らに説明をさせるべきだ。
 「辞任後“雲隠れ”菅原一秀前経産相を直撃|日テレNEWS24」を見れば、


体調不良という話自体が怪しいが、もし体調不良が真実だったとしても、文書による説明は可能だろうし、もし文書による説明もままならないなら一旦議員の職を辞して療養に専念すべきだろう。
 だが首相は「責任は私にある」と言うだけで、そのような方法で責任を果たそうという様子は全く見られてない。果たしてこれは筋の通った話と言えるだろうか。


 たった数日間だけで、安倍氏や彼の女房役でもある官房長官、そして彼が責任者である内閣府などの官僚らによる「筋の通らない話」が幾つも出てくるような状況なのに、それでもまだ約50%の支持率がある(安倍政権に逆風、「桜を見る会」批判で内閣支持率低下 - Bloomberg)。これがバラエティ番組や他国の話なら笑い話とも思えるかもしれないが、自国のことだとそうはいかない。自分には子どもはいないが、もし子どもがいたら、こんなことをどう説明したらいいのか分からない。

このブログの人気の投稿

マンガの中より酷い現実

 ヤングマガジンは、世界的にも人気が高く、2000年代以降確立したドリフト文化の形成に大きく寄与した頭文字Dや、湾岸ミッドナイト、シャコタンブギなど、自動車をテーマにしたマンガを多く輩出してきた。2017年からは、頭文字Dの続編とも言うべき作品・MFゴーストを連載している( MFゴースト - Wikipedia )。

フランス人権宣言から230年、未だに続く搾取

 これは「 Karikatur Das Verhältnis Arbeiter Unternehmer 」、1896年ドイツの、 資本家が労働者を搾取する様子を描いた風刺画 である。労働者から搾り取った金を貯める容器には、Sammel becken des Kapitalismus / 資本主義の収集用盆 と書かれている。1700年代後半に英国で産業革命が起こり、それ以降労働者は低賃金/長時間労働を強いられることになる。1890年代は8時間労働制を求める動きが欧米で活発だった頃だ。因みに日本で初めて8時間労働制が導入されたのは1919年のことである( 八時間労働制 - Wikipedia )。

話が違うじゃないか

 西麻布に Space Lab Yellow というナイトクラブがあった。 一昨日の投稿 でも触れたように、日本のダンスミュージックシーン、特にテクノやハウス界隈では、間違いなく最も重要なクラブの一つである。自分が初めて遊びに行ったクラブもこのイエローで、多分六本木/西麻布界隈に足を踏み入れたのもそれが初めてだったと思う。

同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになる

 攻殻機動隊、特に押井 守監督の映画2本が好きで、これまでにも何度かこのブログでは台詞などを引用したり紹介したりしている( 攻殻機動隊 - 独見と偏談 )。今日触れるのはトップ画像の通り、「 戦闘単位としてどんなに優秀でも同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。組織も人も特殊化の果てにあるものは緩やかな死 」という台詞だ。

あんたは市長になるよ

 うんざりすることがあまりにも多い時、面白い映画は気分転換のよいきっかけになる。先週はあまりにもがっかりさせられることばかりだったので、昨日は事前に食料を買い込んで家に籠って映画に浸ることにした。マンガを全巻一気読みするように バックトゥザフューチャー3作を続けて鑑賞 した。