世界の真ん中で輝く日本、日本は世界の中心で輝いている、と馬鹿みたいに繰り返した安倍という首相がいた。WEF:世界経済フォーラムが発表した2019年のグローバル・ジェンダー・ギャップ指数で、日本は調査対象153カ国中121位、過去最低の順位を記録したのに、一体何を言ってるんだ?という話を、2020年1/26の投稿で書いた。
安倍、そしてその周辺などは、明らかに肯定的な意味で「日本が世界の中心で輝いている」と言っていた。しかし明らかに日本は輝いてなどいなかった。それは、2019年大阪で開催されたG20や(2019年6/29の投稿)、同年の国連総会(2019年9/30の投稿)などを見ても明らかだ。もし日本が本当に世界の中心で、少しでも輝いていたなら、もう少しマシな扱いを受けるだろう。
しかも、新型コロナウイルス対応に関しても、日本は決して世界の中心で輝いてなどいない。当初は感染者が他国に比べ少なかったものの、有効な対策を打つことができず、現在は明らかに東南アジア/東アジア諸国の中で劣等生である。日本よりも状況が悪い国も決して少なくはないが、どう考えても日本は優等生と言えるような状況にはない。つまり輝いてなど全くいない。そんな状態でオリンピック開催に固執し続けているのが日本だ。
更にそのオリンピックに固執する組織委会長が女性蔑視発言をやらかし、更には謝罪する体裁の会見で更に恥の上塗りをした(2/5の投稿)。そしてそれは国内のみならず、国外からも大きく注目された(2/4の投稿)。森の女性蔑視発言だけでなく、森の件を受けて自民党の幹事長 二階が幹部会合に女性議員を数人加えるよう指示したが、当面は女性に議決権や発言権は与えない方針を示したことも、海外でも報じられた(次の記事の日本版:自民党、女性議員に党会議「見せる」が発言は認めず 方針表明 - BBCニュース)。
Japan's LDP party invites women to 'look, not talk' at key meetings - BBC News
Days after Japan's Olympics chief was forced to resign over sexist comments, its governing party has decided to invite women to attend key meetings - as long as they do not speak.
日本の五輪代表が性差別発言で辞任に追い込まれてから数日後、日本の政権与党は党の主要な会議に女性を招待することを決めた。但し、彼女らが発言しない場合に限って。
森の女性蔑視発言を機に、日本で如何に男女格差解消が遅れているか、如何に男尊女卑が社会に、特に政界に根強く残っているかが、世界中から注目されてしまっている。言い換えれば、
日本は男性至上主義国家として世界の中心で輝いている
状態だ。
それは言い過ぎだと思う人もいるだろう。しかし決してそうとは言えない。昨日の投稿で、組織委会長の女性蔑視発言を受けて新たな五輪担当大臣にもなった、男女共同参画担当大臣でもある丸川 珠代が、都道府県議会議長に選択的夫婦別姓制度導入に賛同する意見書を議会で採択しないよう求める文書を送っていた自民党の国会議員有志、言い換えれば同姓強制推進議員に名を連ねており、批判の的になっているということに触れた。その件も、既にBBCが英語版の記事を掲載している(その記事の日本版:日本の男女共同参画担当大臣、選択的夫婦別姓に反対 - BBCニュース)。
Japan gender equality minister opposes change on separate spouse surnames - BBC News
Japan's minister for women's empowerment and gender equality has joined a group of lawmakers opposing a legal change to allow married couples to have separate surnames.
日本の、女性の社会進出・男女共同参画担当大臣は、夫婦別姓を認める法改正に反対する議員のグループに参加した。
日本のジェンダーギャップ指数が低いことは以前から、国外でも知られていただろうが、その実情が詳細に世界中にここまで伝えらえたことは、注目されたことは、これまでにあっただろうか。これを目の当たりにして「日本の政府は古い・おかしい」と思ってくれる人もいるだろうが、日本は民主主義国であることを勘案し「こんな政府を選んでいる日本の有権者は古い・おかしい」と受取る人だって決して少なくないだろう。あまり好きな表現ではないが、それが日本の”民度”だと考える人だっているだろう。
これでもか、と言う程に恥の上塗りをするようなことが、政府与党から出てきて、それが世界中に伝えられている状況でも、更に同じ様なことが出てくるような惨状が、今の政府と与党には渦巻いている。
丸川珠代氏に「アジアンビューティーと呼ばれ人気があった」自民議員が予算委で質疑 | ハフポスト
自民党の鬼木 誠議員が「(丸川氏は)各国首脳からアジアンビューティーと呼ばれ、大変人気があったという話も、現地で聞こえてまいりました」と今日・3/2の衆院予算委で発言。見た目で人を評価するのは、ルッキズム(外見至上主義)と呼ばれ、褒める文脈であっても公的な場の発言としてはそぐわない。
2017年に、当時防衛大臣だった稲田が、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議の演説の中で、会議に参加していたオーストラリアとフランスの国防担当大臣が自身同様に女性だったことを前提に、
We belong to the same gender … the same generation and, most importantly, we are all good looking.
私たちは同じ性別で、同じ世代で、全員がグッドルッキング(容姿が良い/美しい)
と発言し、女性差別的な発言を女性である大臣がした、という批判を受けている。
稲田朋美防衛相「私たちは容姿が美しい」スピーチは笑えない | ハフポスト
そのようなことを覚えていない、若しくは軽視する議員が、国会質問というか、実際には質問ではない政権称賛に明け暮れている、というのが今の自民党の実状である。
因みに、当該発言をした鬼木も、前述の同姓強制議員に名を連ねている。
これまでにも何度も書いていることだが、自民党が政権与党である限り、自民党政権が続く限り、日本の社会がよくなることは決してない。それはコロナ危機対応だけでなく、捏造や隠蔽や虚偽答弁が横行していることからも明らかだし、女性活躍なんて看板を8年以上も掲げているのに、こんな風に男性至上主義の国として世界の中心で輝いてしまっていることも、それを残酷に物語っている。
トップ画像は、Gordon JohnsonによるPixabayからの画像1、画像2 を加工して使用した。