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7月, 2019の投稿を表示しています
 

不寛容な国、ニッポン

 CSのTBS NEWSをつけていたら、「 おもてなしの国と呼ばれる日本 」のようなフレーズが聞こえてきた。集中していなかったのでうろ覚えだが、「オリンピックも近いし外国人訪日客をもてなそう」的な内容だったように思う。  この投稿の導入としてそれを取り上げようと思い、TBSニュースのサイトで詳しく確認しようとしたところ、当該記事が見当たらない。 昨日の投稿 で、 テレビは引用し難いしアーカイブ性も低い ということについて書いたばかりだが、テレビでの出演者らの発言を断片的に取り上げたネット記事が出回ることは、やはりテレビのそんな特性によって引き起こされる側面があることは否めないとも言えそうだ。  TBS NEWSでは「おもてなしの国と呼ばれる日本」のようなことを言っていたが、 誰が日本をおもてなしの国と呼んでいるのだろうか。果たして本当に呼ばれているのか? と思って検索してみると、「 海外から見た、世界の「おもてなしが最高な都市」ランキング 」(Cosmopolitan)という記事がヒットした。この記事は2018年4月の記事で、一応東京が7位にランクインしており、アジアではトップなのだそう。

テレビの緩やかな自殺

 メディアによる政権への忖度は、この数年、特に現政権の成立以降顕著になっているように思えてならない。特にひどいのはNHK/民放問わずテレビ各局の報道姿勢だ。個人的には NHKはもう既に報道機関と思っていないし、民放各局もCSの娯楽専門局と大差ない と思っている。 と、7/25の投稿「 忖度が日本をダメにする 」の中で書いた。何故そう考えるのかについてはそちらを読んで貰いたい。  先日行われた参院選では、NHKから国民を守る党なる新興政党がおよそ99万票を集め、党の代表である立花 孝志氏が当選した。これは諸派の中でれいわ新選組の228万票に次ぐ得票数で、社民党の104万票に肉薄する値である(朝日新聞「 比例区 開票速報-2019参議院選挙(参院選) 」)。  N国がなぜ票を集めたのかについては、古谷 経衡さんが書いた「 『NHKから国民を守る党』はなぜ議席を得たのか?(古谷経衡) - 個人 - Yahoo!ニュース 」等を読めば大体の実態はつかめるだろう。彼はノリで投票する人達の存在を指摘しているが、自分は、自分と同じようにNHK報道に嫌気がさしている人、それ以外の部分でもNHKに対して何らかの不満を抱いている人の一部が、良く調べずに党名に惹かれて、党名だけで判断して投票したのかもしれないと思っている。そんな人達もある意味では、「ノリで投票した人」と言えるかもしれないが。  トップ画像は Clker-Free-Vector-Images による Pixabay からの画像を加工したものだ。

マンホールでなくメンテナンスホール?固定観念を生み出すのは表現ではなく人の意識

 カリフォルニア州バークレー市議会は条例で 「マンホール(manhole)」を「メンテナンスホール(maintenance hole)」と呼ぶ ことに決めたそうだ。トップ画像は MET Jeong による Pixabay からの画像を使用した。  AFPの記事「 「マンホール」とはもう言いません、ジェンダー配慮で用語変更 米バークレー市 」によれば、トランスジェンダーや従来の性別の概念に当てはまらない人々への配慮で、性別による区別のある表現を区別のない表現へ置き換える条例が可決されたらしい。マンホールはあくまでも1つの例であり、他にも「マンパワー(manpower、労働力)」は「ヒューマンエフォート(human effort、人力)」に、保証人を意味する「ボンズマン(bondsman)」は「ボンズパーソン(bonds-person)」に変更されるそうだ。また「妊婦(pregnant woman)」も「妊娠中の従業員(pregnant employee)」に置き換えられ、女子学生の社交クラブ「ソロリティー(sorority)」と男子学生の社交クラブ「フラタニティー(fraternity)」は共に「ギリシャ式学生会館(collegiate Greek system residence)」となるらしい。  英語に明るくないので、英語を母国語とする者がどう感じるのかはよく分からないが、個人的には少々過剰なのではないか?と感じられる。

ガソリンの携行容器給油規制強化が如何に無意味か

 これまでに人気アニメを複数制作してきた 京都アニメーション で放火事件が7/18に発生し、35名が死亡する大惨事となった( Wikipedia )。京都アニメーション第1スタジオに容疑者が侵入し、ガソリンを建物1階や従業員などにまいてライターで着火し、火災・爆発が発生した。建物は全焼、多数の被害者が出た事件だ。  この事件に付随して、根拠のない情報を元に嫌韓に結び付ける事案が発生したことを 7/20の投稿 で取り上げたが、今日の投稿では一部に見られる「 ガソリンの販売に規制をかけるべき 」という見解について書くことにする。結論から言えば、個人的には、  ガソリンの販売に規制をかけても同種の事件の抑止効果は低く、単に利便性を下げるだけになりかねない と考える。トップ画像は、 IADE-Michoko による Pixabay からの画像を使用した。

差別や偏見の排除に最も効果的なのは法整備、なのに…

 3年前の7/26、相模原市の知的障害者施設で、入所していた障害者ら19人が刺殺され、26人が重軽傷を負う事件が起きた。加害者男性がこの事件を起こした背景には、ナチスや1996年まで日本に存在していた優生保護法のような、優生思想的な考え方が確実にある。加害者の男性は、事件を振りかえって正しいことをしたと思いますか?という記者の問いに対して、「意思疎通が取れない方を安楽死させる。 それは間違いない」と答えるなど(Yahooニュース/TVK「 相模原殺傷事件3年 植松被告変わらぬ主張 」)、障害者に対する偏見を今も隠さない。隠さないというよりも偏見や差別と認識していないという方が正しいかもしれない。  冒頭のイメージはNHK「 相模原 障害者施設19人殺害 5人に1人覚えてない NHK調査 」で示されたグラフである。 NHKの世論調査によると、相模原の事件を「覚えていない」と答えた人が5人に1人、20代以下では半数近くがそう答えた そうだ。ナチスが犯した虐殺と共通した部分もある明らかに深刻度が高い事件なのにもかかわらず、たった3年しか経っていないのに、こんなにも覚えていない人が多いのに驚かされる。

情報の一元管理は諸刃の剣

Darwin Laganzon による Pixabay からの画像  ヤマト運輸が提供する、Web上で再配達依頼をしたり、配達状況を確認したりすることが出来る会員制のサービスに不正な侵入がなされ、3400件以上の個人情報が閲覧されたか若しくは流出した恐れがあるそうだ(BuzzFeed Japan「 ヤマト運輸のサイト「クロネコメンバーズ」で不正ログイン判明 クレカ情報など流出の可能性 」)。  記事では流出の恐れがある情報として、クロネコID、メールアドレス、利用の端末種別(パソコンまたは携帯・スマートフォン)、氏名、氏名ふりがな、電話番号、性別、郵便番号、住所、クレジットカード情報(カード番号の下4桁・有効期限・氏名)、アドレス帳情報(氏名・住所・電話番号)などを挙げている。ここにはあげられていないが、荷物の発送元などの情報が流失していれば、場合によってはどんなものが配達されたか、その人がどんな趣味趣向を持つ人なのかも推測できそうだ。クレジットカードの情報からその種の情報を辿ることもできるかもしれない。流通業者が提供するサービスからの情報流出の深刻度は、かなり高いのではないだろうか。

忖度が日本をダメにする

Gerd Altmann による Pixabay と human pictogram 2.0 からの画像  「 忖度 」という表現がここまで一般化したのは、 2017年3月の参議院予算委員会で 福山 哲郎 議員が森友学園問題を追及する際に用いたからだ。  元来「忖度」とは、 他人の気持ちをおしはかること、推察 ( コトバンク/大辞林 ) であって、目上の者の意向を推察して意に沿わない行動を避ける/意に沿う行動をする、のような意味合いではなかったが、現在は概ねその意味で用いられている。忖度という表現が持っていた幾つかの意味合いの中のネガティブな意味だけが注目され、更にそれを背景にした行動まで付加された意味合いで用いられている状況がある。その辺の事情は Wikipedia でも解説されている。

投票率の低さの原因は「出る杭は打たれる」「理不尽は耐え忍ぶもの」という認識

955169 による Pixabay からの画像  「 出る杭は打たれる 」。複数の意味合いのある表現だが、ここで注目するのは、 さし出たことをする者は、人から非難され、制裁を受ける。 ( コトバンク/デジタル大辞泉 ) として用いる場合だ。7/21の第25回参議院選挙に関連して選挙期間中にも複数回、そして終わった後の 一昨日の投稿 ・ 昨日の投稿 でも投票率について書いた。今日の投稿もまた投票率に関する話だが、今日注目するのは若年層・10-30代の投票率はなぜ低いのか?についてだ。若年層投票率の低さは、日本社会の「出る杭は打たれる」傾向の強さがその主な理由なのではないか?というのがこの投稿の趣旨である。

何を以て「信を得た、理解を得た」と言っているのか

 土曜の宮迫田村会見( 7/21の投稿 )を受けた、よしもと岡本社長の会見が昨日あったそうだ。そちらの中身についても言いたいことはあるが、自分が指摘したい点は大体ハフポストの記事「 「全員クビ」⇒「ええ加減にせえ」の意味。宮迫・田村の3つの告発を吉本興業側が釈明 」にまとめられていて、端的に言って「 典型的なパワハラ上司の言い訳じゃねぇか 」としか思えなかったし、他でも山ほどツッコまれているからお任せすることにする。  個人的には、昨夜の報道番組が、前日の参院選にまつわる話とよしもとの会見のどちらを重視した放送になるのかにも興味があった。複数の番組をチェックしたわけではなく、昨晩見たのはTBS・ News23 のみだが、 参院選関連はおよそ10分+1分、よしもとの会見は約15分 と、よしもとの会見の方に時間を割いていた。参院選の+1分は、番組終盤の街頭インタビューコーナー・異論反論オブジェクションのテーマが「低水準に終わった投票率についてあなたはどう思いますか?」だったので付加した。

参院選は「盛り上がりに欠けた」のか、「盛り上がらないように仕向けられた」のか

mohamed Hassan による Pixabay からの画像  昨日・7/21の投開票が行われた第25回参議院議員通常選挙は、 自民・公明の与党が今回の選挙で改選される124議席の過半数63を超える計71議席を獲得 した。しかし今回の選挙によって 自民党は参議院での議席を6を減らす結果 となった。(読売新聞「 参院選当選者確定…与党、改選議席から6減らす 」)。また、自民党は今回の選挙の争点として「憲法改正」を掲げていたが、憲法改正の発議に必要な2/3議席を与党・自公だけでは確保出来ず、改憲に前向きな維新の議席を含めても2/3に到達させることが出来なかった(ロイター「 改憲勢力3分の2割り込む、自公71議席 立憲・維新伸長=参院選 」)。  選挙の勝敗については様々な視点での判断があるだろうが、自分が勝敗云々よりも注目したいのは投票率の低さだ。今回の参院選の投票率は、 参院選投票率48.8%=95年に次ぐ低水準-総務省【19参院選】 (時事) と、史上最低レベルである。九州を中心に西日本各所で大雨が降ったことの影響もありそうだが、決して理由はそれだけとは言えないだろう。

宮迫田村両氏が会見を行ったタイミングの是非

画像検索 - Google#闇営業 吉本  6月初旬から取り沙汰されていた( 6/7の投稿 )、よしもと所属のコンビ・カラテカの入江 慎也さんが、同じくよしもと所属の複数の芸人らを、詐欺グループが2014年末に催した忘年会への出席を仲介したとされる件に関連して、関わった芸人の中でも芸歴/経歴的に最も有力な立場で、当初「ギャラは受け取っていない」としたものの、実際には数十万単位の金銭を受け取っていたことが発覚した、雨上がり決死隊・宮迫 博之さんとロンドンブーツ1号2号・田村 亮さんが記者会見を行った。  この件については、色々な意味で世間の注目を集めていた事案である。記者会見が行われるという情報を自分が知ったのはほぼ直前だった。その時の率直な感想は、  何も参院選投票日前日/選挙活動最終日にこんな会見をしなくても… だった。

悪化する日韓関係、漁夫の利を狙う第三国

 これは、明治時代に日本で活動していたフランス人画家・ジョルジュ ビゴー( Wikipedia )が描いた日清戦争に関する風刺画だ。歴史の教科書にも掲載されている事が多く、多くの人が見たことがあるのではないだろうか。魚(朝鮮)を巡って日本と清が釣りで競争を繰り広げている横で、ロシアが虎視眈々と漁夫の利を狙っている様子を描いている。説明するまでもないだろうが、日本と清が朝鮮での権益拡大を狙って戦争しており、ロシアは、両国が戦争で疲弊するタイミングを見計らって朝鮮での権益拡大を狙っているということの風刺である。  なぜこの風刺画を今日の投稿の冒頭に持ってきたのか。それは、現在の日本の状況と似た部分があるように感じたからだ。

大統領の差別的ツイートを運営は「問題なし」としたが…

Photo by Sara Kurfeß on Unsplash  トランプ米大統領のツイートが人種差別的だと指摘を受けている。彼は7/14に   興味深いことがあります。いわゆる“進歩的“な民主党の女性議員たちはもともと、政府が完全に崩壊していて、最悪で、腐敗していて、世界中のどこにあっても機能しない国の出身です。(もしそれが政府と言えるならの話ですが…)   そんな議員たちが、地球上で最も偉大で最も強力な国家であるアメリカ合衆国の人々に、私たちの政権運営への悪口を吹聴しています。なぜ彼女たちは政府が崩壊して犯罪が蔓延している出身地に戻って、手助けしないのでしょう? ( 元ツイート /和訳:ハフポスト「「 露骨な人種差別だ」 トランプ大統領から“国に帰れ”と言われた女性議員らが会見で非難 」より) などとツイートしており、特に懸念が示されているのは、一部の民主党女性議員らに「もとの国に帰れ」と言っている部分である。

「自分にとって重要でないことは誰にとっても重要でない」は深刻な思い違い

Welcome to all and thank you for your visit ! による Pixabay からの画像  選択的夫婦別姓は選挙公約にする程じゃない MXテレビ・モーニングCROSSの、7/17の視聴者投票テーマが「 選択的夫婦別姓 認めるべきだと思いますか? 」だったことを受けて、この日のコメンテーターだった政策アナリスト・ 石川 和夫 さんが番組の最後に言い放った一言だ。自分はこの言葉を聞いてギョッとした。何故なら、選択的夫婦別姓制度の実現を公約に掲げる党があるのは、「多様性の尊重」をアピールしつつ、それを認めないという政党があるからだ( 6/22の投稿 と、 7/4の投稿 の記者クラブ主催党首討論の部分を参照)。  補足しておくと、石川さんは決して選択的夫婦別姓制度は必要ないとか、全く重要ではないなどと言っているわけではない。彼が言いたかったのは「 選択的夫婦別姓は一部の党が公約にするまでもなく認めるべきだ 」だったんだろうと推測する。しかし、「公約にする程重要な問題じゃない」という風にも受け取れる言い方だった為にギョッとしてしまったし、自分がそう ツイート したところ、番組ハッシュタグでしばしばツイートしている人の何人かから反応があったので、少なからずそのように感じた人がいたことに間違いはなさそうだ。

首相や政権を揶揄すると警察に連行される国

 安倍首相が札幌で候補者応援の為に行った街頭演説の最中に 「安倍やめろ!」とヤジった人が北海道警に連行された 、ということが話題になっている。  以前にもこのブログで「 「安倍政治を終わらせる」というスローガンのダメさ加減 」というタイトルの投稿を書いているように、反安倍・安倍やめろ!などの訴えはには効果があまりないと思っている。しかし実際には自分も、「 安倍氏自民政権は今すぐにでも終わって欲しい 」と思っている。何故なら、これまでに何度も何度も書いているように、彼とその周りの人間は嘘つきばかりだからだ。  冒頭の画像は後述するツイートに含まれる動画のスクリーンショットを用いた雑なコラージュだ。

経済政策で自民を支持した人達は、好景感がないのに何故今も自民を支持するの?

Gerd Altmann による Pixabay からの画像を使用  これまで政府は、経済政策・所謂アベノミクスによって所得/賃金は上昇していると主張し続けてきたが、 昨年末に厚労省の毎月勤労統計調査の不正が発覚して以降、実質賃金は下がっていることを示すデータが複数示されている(例:ロイター「 実質賃金1.0%のマイナス、物価高響き5カ月連続=5月の毎月勤労統計 」)。   1/30の投稿 などでも書いたように、厚労省の統計不正が発覚しても尚、政府は「戦後最長の景気」などと謳い、一部のメディアはそれを無批判にそのまま垂れ流していたが、数値を発表するのは都合が悪くなったのか、3月には厚労省が統計不正を理由に「実質賃金は当面公表しない」と言いだした(朝日新聞「 厚労省、実質賃金は当面公表せず 統計不正調査問題 」)。  しかし、他のデータから試算することは可能である為隠し通すことは出来ず、前述のロイターの記事のように2019年は軒並み実質賃金がマイナスに転じている事が報じられている。

「投票しない」「白票を投じる」は「誰にも投票しない」という意識表示にはならない

 今日は半日このムービーを作ってました。

有権者が参政権を行使することは民主主義の大前提

  今日・7/14は参院選投開票日前、つまり選挙戦最後の日曜日 だ。日本の国政選挙は公示/告示日から投開票日まで2週間前後(衆院12日/参院17日)なので、選挙運動期間最初の週末の次は最後の週末になる。テレビや新聞、各党のSNS投稿等では「最初/最後の週末」という表現は決まり文句のようだが、そんなことを勘案すれば大袈裟な感じがしてならない。メディアが用いるのは番組や記事を盛り上げる為の演出、政治家や政党が用いるのも演出でもあるだろうが、どちらかと言えば自分達を奮い立たせる為にそのようなことを言っているようにも思える。  今日は7/5の公示以降、これまでに今回の選挙戦の中で感じたいくつかのことから、 有権者が参政権を行使することが如何に重要か を書くことにする。  冒頭の画像は 総務省のサイト のスクリーンショットだ。あまり引用されているのを見かけないが、一応国も選挙への投票を呼び掛けるサイトを作成し啓蒙はしている。

SNS投稿やYoutubeに思慮に欠けるコメントをする人は…

 昨今「 空気を読む 」の価値が低下しているように思う。 2018年6/12の投稿 でも触れたが、「空気を読む」については同調圧力の側面が少なからずあり、他人と同じではない考えや主張、多数派に対して異論を唱える行為が「空気が読めない」として否定されることがあるので、そんなことを想定した「空気を読まない」ことを推奨する主張がしばしば行われることで、「空気を読む」の価値が低下してしまっているように感じる。  「空気を読む」とは、 コトバンク/デジタル大辞泉 には、  その場の雰囲気から状況を推察する。特に、その場で自分が何をすべきか、すべきでないかや、相手のして欲しいこと、して欲しくないことを憶測して判断する。 とある。「 空気 」に関しては「 その場の雰囲気 」と解説されているが、実際に空気を読む際に察しているのは場の雰囲気ではなく、そこにいる人達の気持ちや考えだろう。

Let's Vote!(Let's go Tohyo)- Darthreider

 ヒップホップアーティスト・ダースレイダーさんが7/11に公開した、7/21投開票の参院選に関する彼が提案する争点と共に、投票することを促す内容の曲「Let's Vote!(Let's go Tohyo)」。オリジナルの映像はCDジャケットのようなイメージだけだったので、歌詞を可視化したリリックビデオを作ってみた。

誹謗中傷は無視するとエスカレートしかねず、無視が最良の策だと必ずしも言えない

 河野 太郎外相が、産経新聞の記事「 河野外相、四島返還「考えてない」 北方領土問題めぐり 」について、誤報・捏造などとツイートしたそうだ。河野氏が7/1に都内で講演を行った際に、出席者から四島返還に立ち戻る考えはないかを問われ、「まったく考えていない」と述べた、という産経新聞の記事の内容を誤報・捏造だと否定したそうだが、7/9の記者会見にて、このツイートに関して産経新聞から抗議を受けたとし、ツイートの不正確さ、つまり捏造・誤報という認識が正確ではないと認め「真摯に反省しおわびする」と陳謝し、当該ツイートを削除したそうだ。 河野氏「真摯に反省」 北方領土返還めぐる発言 本紙が抗議 (産経) 河野外相、産経新聞に陳謝「ひどい捏造」と書き込み (共同) この件については、当事者である産経新聞は当然の事、 共同通信をはじめ他のメディア各社も報じている。共同通信の記事は ロイターにも掲載 されている。

安倍首相、ハンセン病家族訴訟の控訴断念を明言、法の下の平等とは

 国の隔離政策で差別を受けたとして、家族たちが起こしていた「ハンセン病家族訴訟」に関して、政府は、国の責任と一部賠償を認めた熊本地裁判決を受け入れ、控訴しない方針を7/9に示した(BuzzFeed Japan「 「青春を返してほしい」ハンセン病、家族たちの現実。裁判が終わっても 」)。  この訴訟は、戦前に始まり1996年まで続いたハンセン病患者の隔離政策に関する訴訟だが、1998年に訴えが起こされた、患者ら本人への賠償を求めた「 らい予防法違憲国家賠償訴訟 」(Wikipedia・「らい」とはハンセン病のこと) とは異なり、患者の家族らが「国の政策によって患者と同様に差別や偏見にさらされた」という訴えを起こした訴訟だ。  投稿冒頭のイメージはGoogle画像検索「 Leprosy 」の結果である。英語ではハンセン病のことを、病原菌の発見者に因んでHansen's diseaseと呼ぶ。又は患者の皮膚の様子が鱗状に見えることに由来してLepra/Leprosyとも表現する。

果たして今、日本の言論の自由は維持されているのか

 コラムニストの小田嶋 隆さんの、  バカな人たちが無思慮に乱用したおかげで、有効性を失いつつある言葉がいくつかある。「印象操作」とか。 という ツイート がタイムラインに流れてきた。このツイートは7/4付なので、恐らく小田嶋さんは、7/3に日本記者クラブで開かれた各党首による討論会の中で、安倍氏が再び「印象操作は止めろ」という趣旨の発言をしたことを受けてこのツイートをしたのだろう。当該発言がどのような内容だったかについては、自分も 7/4の投稿 で書いた。

韓国への半導体材料輸出の優遇措置撤回に関する首相の見解への疑問

 政府は7/4に、 韓国への半導体材料輸出の優遇措置撤回 を発表した。時事通信「 韓国に輸出管理強化発動=半導体材料、報復応酬の恐れ-政府 」によれば、この措置の背景には元徴用工問題等での日韓関係悪化もあると見られているようだが、菅官房長官は「(元徴用工問題の)対抗措置ではない」という見解を示し、経済産業省の幹部は「(安全保障面での)輸出管理が適切に行われているか確認できない」と、この措置の根拠を説明しているそう。  安倍首相自身も、7/7に出演したフジテレビの番組の中で、日本が韓国向け半導体材料の輸出の優遇措置を撤回した理由について「(韓国側に)不適切な事案があった」と強調したそう。但し具体的にはどんな事案なのかについて説明はせず、一部で囁かれている、韓国が輸入品を北朝鮮に横流ししているのではないかという点に関しても「個別のことについて申し上げるのは差し控える」と述べたそうだ(時事通信「 安倍首相、韓国に「不適切事案」=輸出規制、正当性を主張 」。  このグラフは、ジェトロ:日本貿易振興機構が、政府の韓国に対する措置を受けて示した「 貿易量で見る韓国半導体産業の日本依存度 」で示したものだが、対象となる3品目はいずれも韓国では日本からの輸入の割合が高い物質なのだそう。

NYT・日本の報道の自由の低さを懸念する記事に関連して

This Reporter Asks a Lot of Questions. In Japan, That Makes Her Unusual.  この写真と見出しは米・ ニューヨークタイムズの記事 からの引用である。見出しの意味は「 この記者は沢山の質問をする。日本では、その行為が彼女を変わり者にしてしまう 」だ。彼女とは勿論、写真の女性・東京新聞の 望月 衣塑子 記者のことだ。最早説明不要かもしれないが、 2/27の投稿 でも書いたように望月記者は、官房長官の記者会見で菅官房長官自身や会見の進行を行う上村 秀紀官邸報道室長らから、度々嫌がらせとしか言えないような対応をされている。  ニューヨークタイムズの見出しは、言い換えれば「日本では多く質問すると、記者ははみ出し者になる」と言っているのだろう。別の言い方をすれば、「日本では、政府等に忖度した質問だけをする記者が一般的である」と言っているようにも思える。勿論記事の内容は 日本では「報道の自由」が制限されているのではないか 、という危惧だ。

よく分からずに投票して、後で「投票先を間違った」と思っても全然大丈夫

  昨日の投稿 では冒頭で「 「政治はよく分からない」でも全然構わないので、とりあえず投票して! 、その理由後述する」なんて書いたのに、結局その理由に辿り着く前に投稿が相応の長さになってしまい、その話を今日の投稿に回すことになった。 7/4に参院選の公示がなされ、この「 せやろがいおじさん 」こと リップサービス ・榎森 耕助さんの動画などのように、それ以前にも増して、若者へ投票を促す主張や記事が散見されるようになった。特に投票率が上がった方が有利になるであろう現野党側、露骨にそちら側でなくても与党寄りとは考え難い立場の人達から、そのような発信が主に行われているように見える。  一方与党は、公示前は #自民党2019という明らかに若者に向けたキャンペーン を行ったり、その一環で、講談社の人気女性誌・ViViとタイアップしたキャンペーンなども行ったが、 ViViのキャンペーンは批判を受けて尻すぼみに終了 し、それらの手法はお世辞にもあまり評価が良かったとは言い難い。但し、 6/26の投稿 でも紹介したように、首相が自撮り写真をSNSに投稿したり、外相が「タローをさがせ」という会議の中身とは全く関係のないSNS投稿をG20中にしたり、甘利氏は政治的な投稿を控えめにして芸人の真似や若者向けのアプリを使った写真を投稿するように路線変更するなど、若者に向けたイメージ性重視のアピールが所属政治家個人レベルでは続けられている。

参院選始まる。選挙戦初日の各党の動向に関する報道を見た感想

  昨日・ 7/4は第25回参議院通常選挙の公示日 だった。実質的な選挙戦は既に数か月前から始まっていたと言っても過言ではないが、一応本格的な選挙戦に突入したと言っておくべきだろうか。およそ2週間の選挙戦の後、7/21に投開票が行われる。 6/26の投稿 で書いたように、直近の国政選挙の投票率はおよそ50%台で推移している。20代・30代は更に低く30%台(20代)/ 40%台(30代)程度の投票率しかない。兎に角言いたい事は、  「政治はよく分からない」でも全然構わないので、とりあえず投票して! という事だ。その理由は後述する。  選挙戦初日ということもあって、各メディアが各党首の初日の演説をまとめた報道をしていた。個人的に気になったのは、冒頭で引用したカットを含むTBSの「 参院選公示、各党党首が第一声 」だ。これは昨日・7/4の昼のニュースで放送された映像だ。

印象操作に勤しむ者によって行われた「印象操作」のレッテル貼り

 「 総務省が「過疎」という表現の代替語を検討している 」という話が話題になっている(共同通信「 「過疎」の代替語検討へ、総務省 マイナス印象と 」)。さわりを説明すると、人口減少地域には豊かな自然等都市部にはない魅力もあり、「過疎」という表現にはマイナスのイメージがあるから「実態に合わない」として別の表現を検討しているそうだ。ハッキリいってかなり筋が悪い。   コトバンク/デジタル大辞泉 によれば、過疎とは、  極度にまばらなこと。特に、ある地域の 人口が他に流出して少なすぎること 。「過疎の村」「過疎化」⇔過密。 とある。過疎とは、今では概ね「人口が減少してまばらな状況」、過密の対義語として用いられている。つまり過疎には元来ネガティブなニュアンスなどない。  なので、まず、「実態に合わない」という話自体が明らかに誤りだ。人口減少=過疎なので確実に実態に即している。そしてそもそも人口減少という状況自体がネガティブな印象を抱かれているのだから、というか政府・自治体も、これまでも今でも「人口の維持は重要だ」と、そのネガティブな印象を強調してきた/しているのだから、 「過疎」を別のポジティブなイメージの単語に置き換えたところで、結局その表現は「状況を皮肉っている」と受け止められるようになる だろう。つまり人口減少=ネガティブな状況という認識が改められない限り、表現を変えたところで「過疎」が別の表現に変わるだけで、ポジティブな認識は生まれない。総務省が検討しているのは本末転倒の思考方法と言わざるを得ない。

首相が「誤解を招き遺憾」とした発言を、官房長官が「問題ない」とすることの矛盾

 各国首脳が出席したG20の夕食会での安倍首相のスピーチが大きな波紋を読んでいる。懸案の スピーチ全文 をNHKが掲載しているのだが、注目を集めたのは、  大阪のシンボルである大阪城は、最初に16世紀に築城されました。石垣全体や車列が通った大手門は17世紀はじめのものです。150年前の明治維新の混乱で、大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は今から約90年前に、16世紀のものが忠実に復元されました。  しかし、 1つだけ、大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまでつけてしまいました 。 という部分だ。この件に関しては、6/29の投稿「 「井の中の蛙大海を知らず」を自覚しないと大変なことになりかねない 」で紹介したツイートでも触れられており、どうやら安倍氏は、「歴史的建造物を忠実に再現しなかったことが悔やまれる」というニュアンスのジョークとして当該表現を用いたようだが、それは今年失火によって大半が焼失( 4/20の投稿 )し、現在検討されているパリの象徴・ノートルダム聖堂の再建に際して、焼失前に存在していた尖塔は完成からかなり後に追加されたという理由で、それを再現するかどうかや、焼失前とは異なる現代的な建築計画も検討されていることへの皮肉のようにも聞こえる。  6/29の投稿で紹介したツイートには当時の映像も添えられており、カメラが捉えたフランス・マクロン大統領の表情を、「面白くねえけどジョークを言ってんだよな、わかるよ」という反応、と評している。前述のような指摘はないし、実際マクロン大統領がどう感じたかは定かでないが、そのような視点で見てみると、マクロン大統領は冗談だと分かったとしても、悪い冗談だとしか思えなかった事だろうと思える。

有名人の不祥事と作品・出演番組自粛の問題について

  昨日の投稿 でも、 お笑い芸人が事務所を通さずに反社会的な組織のパーティー等に参加して金銭を受け取っていた問題 について書いた。今日も同じことについて取り上げるが、昨日とは別の側面に注目する。  6/24に よしもととワタナベエンターテインメントは、当初「出演に際して金銭を受け取っていない」としていた、雨上がり決死隊・宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号・田村亮、レイザーラモン・HG、ガリットチュウ・福島善成、くまだまさし、ザ・パンチ・パンチ浜崎、天津・木村卓寛、 ムーディ勝山、2700・八十島宏行、2700・常道裕史、ストロベビー・ディエゴ(ここまでよしもと所属)、ザブングル・松尾陽介、ザブングル・加藤歩(ワタナベ所属)らが、実際は金銭を受け取っていたことが発覚したとして謹慎処分を発表した(BuzzFeed Japan「 吉本興業の芸人11人、“闇営業”で謹慎処分 雨上がり決死隊・宮迫ら(謝罪コメント全文) 」/ お笑いナタリー「 ザブングルの謹慎処分をワタナベエンターテインメントが発表 」)。  この件で注目が集まったのは、この中では最も有力なタレント、雨上がり決死隊・宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号・田村亮らの出演番組に関してだ。彼らのレギュラー出演番組は複数あり、それらに関しても取り沙汰はされたが、中でも動向が注目されたのは、2人が相方とそれぞれコンビで名を冠して番組MCを務めており、共に長い放送期間を誇るテレビ朝日「 アメトーーク! 」と「 ロンドンハーツ 」だった(BuzzFeed Japan「 「アメトーーク!」「ロンハー」「行列」今後の放送、どうなる?各局に聞いてみた 」/ ハフポスト「 「アメトーーク!」「ロンハー」今週分の放送決定。宮迫博之と田村亮の出演部分は「再編集」 」)。

芸能界有力事務所と政権の近さに関する危惧

 ハフポストは6/30に、よしもと所属だったカラテカ・入江 慎也さんが、同じくよしもと所属の複数の芸人に対して、詐欺グループが2014年末に催した忘年会への出席を仲介したとされ解雇された( 6/7の投稿 )件について、仲介によって参加したとされる芸人らは当初「ギャラは受け取っていない」としていたにも関わらず、実際は金銭を受け取っていたことが発覚し、参加していた芸人11人の謹慎処分を6/24に発表した件(BuzzFeed Japan「 吉本興業の芸人11人、“闇営業”で謹慎処分 雨上がり決死隊・宮迫ら(謝罪コメント全文) 」)、同じパーティに参加していたワタナベエンターテインメント所属のザブングルも同様に謹慎処分となった件(お笑いナタリー「 ザブングルの謹慎処分をワタナベエンターテインメントが発表 」)、よしもと所属の芸人・スリムクラブも、事務所を通さずに別の反社会的勢力が参加するパーティに参加し金銭を受け取っていたことが発覚して謹慎処分を科された件(BuzzFeed Japan「 スリムクラブも“闇営業”で謹慎処分 吉本興業「十分にカバーしきれない面があった 」」)など、一連の問題に関連する記事  中居正広、ジャニーズ事務所は副業禁止と明かす。事務所を通さない“闇営業“は「どんな感覚かわからない」  松本人志、闇営業否定の宮迫博之を説得していたことを明かす「それ無理やで。誰も信じない」 を掲載した。どちらも6/30に放送されたフジテレビ・ ワイドナショー での出演者の発言を取り上げた内容だ。