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2月, 2019の投稿を表示しています
 

「優越的地位の乱用」をめぐる問題

 TBSニュース「 「GAFA問題」 アマゾンなど本格調査へ 」によると、公正取引委員会は2/27からインターネット通販を行う企業を対象にした本格的な調査を始めるそうだ。自分はこのニュースを見て違和感を覚えた。日産前会長のカルロス ゴーン氏は証拠隠滅の恐れなどを理由に今も勾留されたままだ。この公正な取引に関する調査についても、調査を行う前に「調査をします」と公言すれば、各企業で証拠隠滅が行われるかもしれないと思わないのだろうか。  また「GAFA問題」と、Google、Apple、Facebook、Amazon だけが調査を受けるかのような表現も適切でない。今回の調査の標的がそれらの企業であることには違いはないのだろうが、記事でも触れているように、ヤフージャパンや楽天などに対しても調査が行われる。案件の名付け方が正確ではなく、恣意的だと思えてならない。自分には、記事の内容にそぐわない、若しくは事実と乖離したような、過激な見出しで読み手・受け手の興味を煽ろうとする、粗悪なまとめサイトが用いる手法と団栗の背比べに見えてしまった。例えば日経新聞は、「 公取委、ネット通販大手を一斉調査 アマゾンや楽天 ポイント還元巡り 」という見出しで報じている。

報道の自由の制限=民主主義の危機

 2019年2/26午後の菅官房長官の記者会見の全体の映像だ。勿論最初から見てもいいだろうが、この会見で最後に質問した東京新聞・望月記者の部分から再生されるように設定してある。菅氏が最後に捨て台詞のように言い放った最後の一言には耳を疑った。 あなたに答える必要はありません 動画を見るよりもテキストの方がいい、という人の為に時事通信の関連記事「 菅官房長官「あなたに答える必要ない」=東京新聞記者の質問に 」のリンクも付けておく。

沖縄基地問題は日本全体の問題、しかし最も尊重すべきは当事県・沖縄の民意

 辺野古移設の是非を問う沖縄県民投票から2日経った。一部で 在京キー局での沖縄県民投票の扱いが小さい という見解があるようだ。自分も思っていたよりも扱いが小さいとは感じるものの、逆に言えば本土市民の沖縄県基地問題に対する関心の低さの現れであるようにも思え、ニワトリが先かタマゴが先か、メディアが先か市民が先か、みたいな状況にもあると考える。ただ、どちらが先だろうが悪循環である事に変わりはない。  BuzzFeed Japanは投票日の2/24に「 沖縄の海に叫ぶ、ふんどし姿の「おじさん」と基地問題 切り離せない過去 」という記事を掲載した。沖縄の海をバックに社会派ネタを叫ぶ様子をドローンで撮影する動画で注目を浴びているせやろがいおじさんこと、榎森 耕助さんが、奈良県から沖縄国際大学に進学した自身の経歴を振り返る内容の記事だ。沖縄国際大学は普天間基地に隣接しており、2004年に米軍ヘリが墜落した大学だ。

沖縄県民投票結果を否定すると、前衆院選の結果や改憲に伴う国民投票も否定することになる

 沖縄県で普天間基地の辺野古移設に関する県民投票が昨日行われた。投票結果は当初の予想通り「辺野古移設に反対」が上回る結果となったが、賛成が約19%だったのに対して、反対は72%と圧倒的な差がついた。Wikipediaの「 2019年沖縄県民投票 」によると、結果の詳細は 当日有権者数:1,153,591人 投票率:52.48% 投票総数:605,385票 有効票数:601,888票(99.42%) 賛成:114,933票(18.99%) 反対:434,273票(71.74%) どちらでもない:52,682票(8.70%) 無効票数:3,497票(0.58%) だったそうだ。この反対票の数は、2018年9月の沖縄県知事選で辺野古移設反対を掲げて立候補し当選した、玉城現知事が獲得した396,632票をも上回っている。

オリンピックに関連して・後編「IOCはオリンピックをどうしたいの?」

 この投稿は前日の投稿「 オリンピックに関連して・前編「いだてんの喫煙シーンは悪影響を及ぼすか」 」に続く後編である。本来は前後編にするつもりはなかったが、前編が思いのほか長くなったので分けることにした。取り上げる題材が異なるので、前編を読まずに後編を読んでも問題が生じないように書いたつもりだが、自分が2020年の東京オリンピックだけでなく、近年のオリンピック全体や、同様に世界的なスポーツ大会となったサッカーワールドカップにも賛同出来ない理由はそちらで書いたので、その点について詳しくは前編で確認してもらいたい。  この後編で取り上げるのは、前編で示した3つのオリンピック関連報道の内の2つ ブレークダンスをオリンピック新種目に、パリ2024提案 (CNN) 「五輪」を商標登録 IOC、東京大会の便乗商法防止 (日経) についてだ。

オリンピックに関連して・前編「いだてんの喫煙シーンは悪影響を及ぼすか」

『いだてん』喫煙シーンに受動喫煙撲滅機構が抗議(申し入れ書全文) (ハフポスト) ブレークダンスをオリンピック新種目に、パリ2024提案 (CNN) 「五輪」を商標登録 IOC、東京大会の便乗商法防止 (日経)  オリンピックに絡む3つの記事が気になった。まず自分のオリンピックに対する認識を示しておきたい。昨今オリンピックの為に建設された施設が大会後廃墟化することも決して珍しくない事、大会招致に関して毎回賄賂の問題が浮上する事などから、スポーツが政治的・商業的に利用されている懸念が感じられ、また国別対抗戦という形式上、決して少なくない国で国威発揚の場に利用されている事などからあまりいいイメージがない。サッカーワールドカップにも似たような印象を抱いている。ただ 1/15の投稿 で触れたように「 競技種目に採用されるとその種目の振興に繋がる 」という側面もあり、全く否定的なわけでもない。

税と社会保障の一体改革はどこに行ったのだろうか

 2008年9月に起きた リーマンショック の影響による世界的な不況・金融危機によって、日本でも製造業を中心に大規模な派遣労働者の契約打ち切り、所謂 派遣切り ( Wikipedia )が起こった。契約先が用意していた寮や社宅で生活していた労働者は、仕事と同時に住処も失うことになり、世界的な不況の下では、年齢次第では再就職もそう簡単ではなく、経済的な困窮というレベルにとどまらず、ホームレスにならざるを得ない状況に追い込まれる者もいた。  そんな状況を憂慮した有志の団体が、2008年末に 炊き出しや生活・職業相談、生活保護申請の説明、簡易宿泊所を設置などを行ったのが 年越し派遣村 だ。当時運営に関わった作家の雨宮 処凛さんは自身のブログへ、2/20に「 第475回:10年前の年越し派遣村の記録を見て思う。の巻(雨宮処凛) 」というタイトルの投稿をしている。

好ましくない、というよりも寧ろ強い懸念を感じる既視感

  デジャブ という表現がある。日本語に当て嵌めると 既視感 とされる事が多い。 Wikipedia の「既視感」のページには、  実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象 とあるが、場合によっては夢に見たことが現実になる事、つまり予知夢のような現象で起きるのは不吉な事が起きる前兆、として扱われる事もある。また日本語だと、 既視 という文字が当てられる為か、体験したことがあるかないかに関わらず、一度見た光景、若しくは以前に見た状況に酷似した様子を目の当たりした際などにも用いられる。  昨日は2つの既視感のある事案が報道されていた。1つは「 乳腺外科医に無罪判決 「女性の胸を舐めた」として準強制わいせつ罪に問われていた 」(ハフポスト)という件で、もう一つは、「 米朝前に日米首脳が電話会談 拉致解決へ協力で一致 5月26日訪日も確認 」(産経新聞)という件だ。

「沖縄県民の気持ちに寄り添う」という首相の嘘の先にあるのは…

 昨年・2018年9月に、8月に急逝した翁長前沖縄県知事の後任を巡る沖縄県知事選が行われた。立候補したのは、国政与党・自公等の推薦を受けた、普天間基地の辺野古移設の是非に関して明確な態度を示さなかった佐喜眞 淳氏と、翁長前知事を支援したオール沖縄が擁立し、前知事同様に辺野古移設に反対する姿勢を全面的に示した玉城 デニー氏の2人で、玉城氏が佐喜眞氏に8万票の差をつけて圧勝した。この選挙の当日有権者数は114万6815人、投票率は約63%だった( 朝日新聞の記事 )。  つまり、2018年の沖縄県知事選によって、 辺野古移設反対という沖縄県の民意 は確実に示された筈だ。そして 2018年11/8の投稿 でも触れたように、 玉城知事就任後初の首相との会談の中で安倍氏は、  県民の気持ちに寄り添いながら、基地負担軽減に向け一つ一つ着実に結果を出す と述べた( ロイター/共同通信の記事 )。しかし、政府は何事もなかったかのように 辺野古移設工事を再開する手続きを進め、2018年12/14より土砂を投入して埋め立てを始めた( 2018年12/23の投稿 )。

ファクトとフェイクのまともな定義ができない産経新聞

  2/12の投稿 や 2/15の投稿 でも触れた、安倍首相が党大会で「 都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している悲しい実態がある。この状況を変えよう。違憲論争に終止符を打とう 」と発言したことに関して、産経新聞は2/18の社説・主張「 【主張】自衛官募集問題 どちらがフェイクなのか 」で、  朝日新聞や野党などは自治体の「約9割が募集に協力している」として、首相の発言は間違いだと批判している。  だが、安倍首相のほうがファクト(事実)を指摘し、朝日新聞や野党などがフェイク(偽り)を語っているのではないか。 とした。 そう示した根拠は、首相が示した根拠と殆ど変わらない内容で、  本気で言っているのか。紙か電子媒体を出せば済むのにそうせず、募集業務担当の現場の隊員に膨大な作業を強いた。こういう振る舞いを協力とは言わない。募集に関する業務をサボタージュしていると言われても仕方ない。 としている。この調子だと産経新聞は、防衛費の増額に異論を呈すと「国防に協力的でない」とか、今後将来的に徴兵制法案が議論されるような事があれば、反対をすると「協力的でない」という論調の記事を書くんだろうと思える。つまり、産経新聞は今後、戦中の大本営発表だけをそのまま報じる、というか進んで更に強調した記事を書くような媒体なんだろうと感じる。

毎月勤労統計不正の影響による過少給付に関して

 毎月勤労統計の不正に端を発し、その他の統計調査でも不備・不正が複数見つかった事に関する問題が、国会で毎日のように取り沙汰されている。事の発端になった毎月勤労統計の不正の余波で、雇用保険や労災保険の給付額、育児休業給付の額が低く算出されていたということは既に報じられているが、朝日新聞は2/16に「 育児休業給付の不足額、平均3100円 統計不正 」という記事を掲載し、  雇用保険に含まれる育児休業給付の対象者はのべ約14万人で、1度の受給期間あたりの不足額は平均約3100円とした。同じく雇用保険で、対象者がのべ約1567万人と最も多い失業手当は平均約1350円とした。65歳以上が対象の高年齢求職者給付金は、のべ約183万人で平均約410円とする。 と厚労省が発表した、と伝えた。金額等の数字は事前に報道機関等が試算と大きな差がある訳ではなく、その点では驚きはあまりないが、1000万人以上に影響があると改めて目の当たりにすると、事態の深刻さを再確認させられる。

トランプ氏をノーベル平和賞に推すなど到底認められない

 トランプ米大統領が2/15の記者会見の中で「 安倍首相からノーベル賞に推薦された 」と述べたことが大きな話題になっている。これを受けて米メディアがどのように伝えたかを記事化したハフポストの「 「安倍首相からノーベル平和賞に推薦された」と自慢するトランプ氏の発言 米メディアはどう見たか? 」はとても興味深い。紹介されているのはワシントンポスト・USAトゥデイ・ガーディアンの論調だが、どのメディアも「安倍首相じゃなくて文韓国大統領の間違いでは?」という方向性だ。  このような論調を各社が示すのはもっともだ。何故なら、 昨年行われた史上初の米朝首脳会談直前の日米首脳会談の中で、トランプ氏は「拉致被害者が帰国できるよう最大限努力する」と言っていたようだが( 2018年4/20の投稿 )、大方の予想通り、その発言に反して実際には米朝首脳会談では、拉致問題には殆ど触れられなかったからだ( 2018年6/13の投稿 )。トランプ氏が初の米朝会談にこぎつけた事は一定の成果であると評価する日本人は決して少なくはないだろうが、拉致問題解決への働きかけを期待させたにも関わらず、実際は殆ど何もしなかったトランプ氏を、ノーベル平和賞に推したいとまで評価する日本人は決して多くはないだろうから、日本の首相である安倍氏がトランプ氏を「ノーベル平和賞に推すとは考え難い」と推察するのはとても自然だ。

学校清掃は「意に反する苦役」に当たるか否か

 このところ、憲法学者の木村草太さんが「 学校清掃を児童・生徒にさせることは、意に反する苦役からの自由(憲法18条)に反している 」と主張しているのをよく目にする。自分がツイッターで彼をフォローしている所為でもあるが、先週のMXテレビ・ 田村淳の訊きたい放題 にコメンテーターとして出演した際にもその論を披露していたし、ハフポスト・1/19の記事「 「運動会の巨大ピラミッドに拍手する日本の人権意識はおかしい」 憲法学者・木村草太さんに聞く"子どもの守り方" 」の中でも触れている。  個人的には、木村さんが示す人権や憲法に関する見解には共感できることが多く、だからツイッターでも彼をフォローしているのだが、この話に関しては、 1/21の投稿 でも書いたが、理解できる部分もなくはないが基本的には賛同しかねる。木村さんは「学校清掃が子供たちに強制されている」という点に主眼を置いて否定的であるようだが、集団生活の中では、やりたくない事をやらなくてはならない事も多々あるし、望まない環境を受け入れなくてはならない事も多々ある。勿論どんなことであっても、あまりにも強権的に強制される事はあってはならないが、果たして児童や生徒に学校清掃させることがそれに該当するだろうか。自分にはそう思えない。

「6割の自治体が非協力的はファクトだ」、また一つ増えた首相の嘘

 BuzzFeed Japanが「 NHK「最後の良心」に異常事態 「ETV特集」「ハートネットTV」の制作部署が解体の危機 」という記事を今朝掲載し、大きな波紋を呼んでいる。自分はこの直近だけでも、 実態を伴わない景気回復を「戦後最長」と誇る政府とNHK (1/30) 2019年早々、残念なNHKの報道 (1/1) などでNHKの報道に関する不信感について書いてきた。 2018年12/1の投稿 では、NHKへの違和感・不信感についてそれまでに書いた投稿をまとめた。BuzzFeed Japanの記事は、その感覚を再確認する内容でしかなく、大きな驚きはなかった。 NHK出身のジャーナリスト・堀 潤さんは、この記事を受けて次のようにツイートしている。 BuzzFeedの記事を読んだ現職NHK職員とあらためて話をした。制作局の意図は「番組開発やデジタル展開にパワーを注ぐためには部単位で要員が固定化されていると動かしにくい。そのための組織改革。「解体」の意図ではない」とのこと。揉めている原因は「現場への説明が直前までなかったから」とも。 https://t.co/7OzSvYjlGa — 堀 潤 JUN HORI (@8bit_HORIJUN) 2019年2月15日 堀 潤さんが話したNHK職員は、BuzzFeed Japanの記事で書かれているのとは少し違った受け止めのようだが、それでも現場と制作局が揉めているのは事実のようだ。

「スクリーンショット全面的に違法」という表現の妥当性

  ネット上の情報をスクリーンショットすることが「全面的に違法」になりかねない 、という話がネットを中心に大きな話題になっている。しかし個人的には、この認識には誤りも含まれているようにも思える。  事の発端は文化庁の著作権分科会の法制・基本問題小委員会が、被害の深刻な漫画の海賊版サイト対策に関して、不正なコンテンツだと知りながらダウンロードする行為が既に違法化されている音楽・映像と同様に、雑誌、写真、論文、小説、プログラムなど全てのネット上のコンテンツに拡大、メモ代わりに行われる事もあるスクリーンショットもダウンロードに含まれることとする方針を決定した事による。  自分はこの件をハフポスト/朝日新聞の記事「 マンガや写真などのダウンロード、「全面的に違法」の方針決定 スクショも対象 」で知った。他にも同様の見出しを掲げて報じている記事を多く見受ける。しかし、現在ダウンロードが違法化されている音楽や映像に関しても、「不正なコンテンツと知りながら」という前提があり、「全面的に違法化」は拡大解釈が過ぎるのではないだろうか。

恣意的な「言論の自由」「事実誤認」の解釈をする政権首脳

  昨日の投稿 でも取り上げた、首相の「悪夢のような民主党政権」という発言。 ハフポストの記事 によると、昨日の衆院予算委員会で民主党代表を務めたこともある岡田 克也議員が、当該発言の撤回を求めたのに対して、安倍氏は  言論の自由がある。少なくともバラ色の民主党政権でなかったことは、まあ事実なんだろうな、とこういう言わざるを得ないわけであります と述べ、撤回を拒否した。 しかし一方で、今日の予算委の中で安倍氏は、従軍慰安婦問題に関して韓国国会議長が「首相、もしくは近く退位する天皇が元慰安婦のおばあさんらの手を握り、謝罪の言葉を伝えれば(問題は)すっきりと解決する」という旨の発言をしたことに関して( 産経新聞の記事 )、  この発言を読みまして、本当にこれは驚いた。強く抗議をするとともに謝罪と撤回を求めたところです と発言したそうだ( TBSニュースの記事 ) 。自分の「悪夢のような民主党政権」発言を言論の自由を理由に抗議は不当だとし、撤回を拒むようであれば、韓国国会議長の発言についても彼の言論の自由を尊重する必要があり、撤回も求められなければ、抗議も出来ないのではないだろうか。  そもそも、株価が上がろうが失業率が改善しようが、長い間実質賃金が上がっていない状態では景気回復なんて到底実感できず、「少なくともバラ色の安倍政権ではないのは事実なんだろうな、とこう言わざるを得ない訳であります」でしかなく、彼の主張はいろいろ的外れだ。

首相が嘘をついてまで「改憲しよう」と叫ぶ異様さ

  昨日の投稿 でも触れた、自民党大会での「 悪夢のような民主党政権が誕生した 」という安倍氏の発言。適切な自己評価が出来ず、嘘にまみれた首相/党総裁の下で、適切な議論をすっ飛ばして数の力で強引に法案を可決成立させていくような側面の強い現政権・与党の方が悪夢だ、と個人的には思っているが、安倍氏が当時の民主党政権をどう評価しようが、嘘でもつかない限り彼の自由の範疇でもある。  ただ、言われた側にも主張を繰り広げる権利はあるだろうから、例えば立民代表の枝野氏が会見で反論した( TBSニュースの記事 )ことなどは、ごく普通の反応なのではないか。何より、反論せずに言われたままで放置すれば、「民主党政権は悪夢だったと当時の関係者らも認めた」とか、「反論がないということは安倍氏の発言が事実ということの証左」などと言われてしまいかねない。

大統領のフリ見て我がフリ直して欲しい(期待薄)

  米朝首脳会談を2/27-28にベトナムで行う と、トランプ米大統領が、2/5に米議会で行った一般教書演説の中で明らかにした( 日経新聞の記事 )。昨年・2018年6月に行われた史上初の米朝首脳会談に続く2度目の会談だ。1度目に比べてこの件に関するメディアや日本国民の注目度は低いと言わざるを得ない。メディアや国民だけでなく、日本政府関係者の反応も薄い。2度目の会談だからということもあるだろうが、果たして理由はそれだけだろうか。個人的には、単なる顔合わせになるだけで、種々の問題に関する期待感が薄い、つまり会談で何かしらの成果、問題解決に向けた進展が期待できないという認識が支配的なのではないか?と感じている。  前回の会談の直前に行われた日米首脳会談では、拉致問題について解決に向けた最大限の努力をするという姿勢をトランプ氏は示していたが( 2018年4/20の投稿 )、結果がどうだったのかは誰もが知るところだ( 2018年6/13の投稿 )。北朝鮮にまつわる問題は拉致問題だけではないが、このような事があれば、少なくとも日本人の多くは期待など感じられないだろう。北朝鮮の問題について、韓国を除けば最も関心があって然るべき日本での反応がこの程度ならば、他国では当然それ以下の扱いなのだろうと推測する。

バランス感覚に欠ける報道と、それに乗っかる人々

 昨日の夕方、ツイッターのおすすめトレンドに「枝野」があった(おすすめトレンドは個人の状況によって表示が異なる為、誰にでもこれが表示されていたわけではない)。「何かあったのかな?」と思って覗いてみると、   立憲民主党の枝野幸男代表は9日の文化放送のラジオ番組で、辻元清美国対委員長の関連政治団体が韓国籍の男性弁護士から献金を受けていた問題で、同氏が辞任する必要はないとの認識を示した。「外国籍の方は駄目だと伝えていたのに、勝手に振り込まれた。すぐに返しているので何の問題もない」と述べた。 ( 産経新聞 ) 事への、 ネガティブな反応がズラーっと並んでいた。例えば、 はいー、アウト。弁護士なのに遵法精神なし。 https://t.co/dVeyS1nTDk — 新田哲史 (@TetsuNitta) 2019年2月9日 のような。

「体調が悪いなら休む」の当たり前化が必要ではないのか

 昼のニュースでは、都心でも雪が積もる、既に積もっているという気象情報が報じられている。電車や道路にはまだ影響がないようだが、空路では既に欠航が出ているそうだ。しかし自宅は東京近郊ではあるものの、降っているのは今のところ雨だしこれまでに積もった様子もない。ただそれでも気温が低いのは事実だ。天気予報によると、今のところ今日明日更に雪が降る・積もるの恐れがあるのは、茨城・千葉の太平洋側だけのようだが、月曜日辺りには再び都心でも雪の恐れがあるようで、天気予報の内容が前倒しで訪れるとか、予報が外れるなんてのもよくあることだし、油断大敵であるという事を忘れないように行動しなくてはならない。  雪が降る・積る「恐れ」と書いたが、確かに交通事情等に焦点を合わせて考えれば、雪が降る・積ることは好ましくない事だろうから「恐れ」なのだろうが、降雨・降雪が空気の乾燥状態を少なからず緩和し、火事や風邪を抑制してくれるという点に焦点を合わせて考えれば「恐れ」ではなく、望ましい事が起きそうな時に用いる「可能性」を用いるべきなのかもしれない。

任意・強制・大衆・衆愚

 「 任意 」とは何か。 コトバンク/デジタル大辞泉 によると、  思いのままにまかせること。その人の自由意志にまかせること。また、そのさま。「任意に選ぶ」「任意な(の)行動」「任意の点AとBを結ぶ線」 とある。「無作為に/ランダムに」のようなニュアンスもある表現だが、基本的には「強制」と対をなすような意味の表現として用いられる。例えば、部活への所属は任意としている学校がある一方で、何かしらの部活へ所属することを強制している学校もある。現在の状況はよく知らないが、少なくとも自分が中高生だった頃は部活動参加が任意の学校も強制の学校も存在した。  しかし日本人の一部には、この「任意」の意味を適切に理解出来ない者がいるようだし、個人的にその割合は、決して少ないとは言えないと感じる。

「メディアが報じない○○」がメディアで報じられない理由

 「 マスコミが報じない○○ 」「 メディアが報じない○○ 」。最近、特にネットでよく目にするフレーズの一つだ。場合によっては「 マスコミが報じない ”本当の” ○○ 」などと更に、マスコミは本当の事を報じない、と強調したフレーズになっている事もある。確かに自分も、何で大手メディアはこれをもっと報じないの?と感じる事もあるし、逆に何でこんな事が優先して報じられているの?と感じる事もある。また取り上げるべきだと感じる案件を報じていた場合でも、自分が重要だと思うのとは異なる切り口での取り上げ方をしていれば、実状が適切に伝えられていないのではないか?と感じる事もあるし、メディアが取り上げない事があるんだろうなと感じることもある。そんな風に感じられたことを、直近の投稿、 食品ロスは恵方巻以外でも起きている 女子用スラックスの高評価に感じる違和感 コンビニセルフコーヒー悪用事件から考えるバランス感覚の欠如 実態を伴わない景気回復を「戦後最長」と誇る政府とNHK 政治不信を指摘しているメディアにも、不信感を感じてしまういくつかの理由 「有効求人倍率は過去2番目の高水準、失業率は8年連続の改善」は本当? で触れ、メディアの伝え方に関する疑問などを書いた。

広河隆一氏のセクハラ問題から考える、麻生爺さんの暴言の酷さ

 フォトジャーナリスト・広河 隆一氏のセクハラを最初に報じたのは、2018年12/25の週刊文春の記事「 世界的人権派ジャーナリストに性暴力疑惑 7人の女性が証言 」だった。彼はこれまでパレスチナ問題や薬害エイズ問題、チェルノブイリや福島等原発や核の問題などを取材してきた。所謂人権派と認識されていたことから、この件は大きな注目を浴び、実際にどんなセクハラ行為・加害行為・被害があったのかも、複数のメディアを通じて多く報じられた。  BuzzFeed Japanは昨日「 広河隆一氏の性暴力被害やハラスメント 相次ぐ告発、相談窓口も 」という記事を掲載した。この記事を読んで、勿論これまでのいくつかの報道の内容も勘案して、自分はこんな風に感じてしまった。   なんでこんなに酷いことが起きて、複数の被害者がいたのに、今まで誰も声を上げなかったのだろうか 2017年以降のMeTooムーブメントの中身を勘案すれば、こんな見解はある意味で馬鹿げているということは分かっている。声を上げさせないような心理的な圧力がかけられていたんだろう。しかし率直に「何故…」という感覚に陥ってしまった。

麻生爺さんの問題発言と撤回の問題性と深刻さ

(年を)取ったやつが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるが、それは間違っている。子どもを産まなかった方が問題なんだ 麻生副総理兼財務大臣が2/3に福岡県内での集会でこう述べたそうだ( ハフポストの記事 )。 普通なら「何を言ってるんだこの爺さんは」と憤るところなのだが、この爺さん(この投稿では皮肉を込めて麻生氏をそう呼ぶことにする)がこの手の発言をしても、もう何の驚きもない。 2018年12/12の投稿 でも書いたので詳細は割愛するが、この爺さんはこれまでにも様々な問題のある発言を頻繁にしては、謝罪撤回することを繰り返している。つまり、この爺さんは最早普通じゃないし、謝罪も撤回もポーズだけで同じことを繰り返す、脳のブレーキがぶっ壊れている事が確定的だ。首相はこの爺さんが何を言おうがお構いなしで副首相兼財務大臣に起用し続けるし、自民党の誰もそれに異論を唱えない。他にもいろいろな側面があるのは事実だが、そんな首相や党を国民が選挙の度に信任するようでは、こんな爺さんが反省もなく調子づいて、ふんぞり返るのもある意味では仕方ない。

「有効求人倍率は過去2番目の高水準、失業率は8年連続の改善」は本当?

 今朝のMXテレビ・ モーニングCROSS では「 平均有効求人倍率 過去2番目の高水準 」というニュースを、20代が注目したニュースランキングの4位として取り上げていた。  厚生労働省によると、2018年の平均有効求人倍率は1.61倍と、1973年に次ぐ過去2番目の高水準となった。また総務省が発表した2018年の平均完全失業率は、前の年より0.4ポイント低下の2.4%で8年連続の改善、2018年1年間の就業者数の平均は6664万人と前の年に比べて134万人増加しており、その内訳を見ると男性45万人に対して女性が87万人と大きく上回った と伝えた。  まず、厚労省が毎月勤労統計で不正な調査を行っていたのに、 果たしてこの発表の数字も正しいのか どうか分からないと率直に感じる。厚労省の統計不正を指摘したのは総務省だそうだが、その後総務省の基幹統計でも不正調査が発覚している( 産経新聞の記事 )。勿論どちらの省の発表も、それらの不正を勘案した上で再精査した数字を発表しているのかもしれない。しかし、勤労統計不正に関する厚労省の特別監察委員会の実態調査が、再調査に追い込まれるような杜撰なものだったことを前提に考えれば、本当に適当な再精査が行われているかどうかも怪しい。

正しく・充分に物事を伝えることの重要性

 昨日の投稿「 政治不信を指摘しているメディアにも、不信感を感じてしまういくつかの理由 」、1/30の投稿「 実態を伴わない景気回復を「戦後最長」と誇る政府とNHK 」で、幾つかのメディア報道に対する違和感・不信感を書いた。たて続けに報道批判に関する投稿を書くことで、メディア全体を一括りにして短絡的にマスゴミ・偏向報道などと揶揄するような人間と同類だというレッテルを貼られるのではないかという懸念を感じるし、その手の人達に投稿の内容を恣意的に解釈されて、「マスゴミは偏向している」と彼らが主張する為の材料にされやしないかという懸念も感じるが、彼らと違って自分は合理的な根拠を示した上で批判しているという自負があるし、合理性のある根拠も示さずに大雑把な括りで「マスゴミ・偏向報道」と批判、厳密に言えば批判ですらない単なる中傷は確実に好ましくはないが、どんなメディアも全て正しい報道をするという保証はないので、おかしいことはおかしいと指摘していく必要が確実にあるとも思っている。  それでも「 メディアと一括りにはしてはいないが、お前も前述の投稿で”NHK報道を感じる”とNHKの報道を全て一括りにして論じているじゃないか 」と言われるかもしれないとも感じるが、NHKの報道では概ね記事や原稿を書いた記者の名前を掲載しないので、NHK名義の報道という括りで扱うしかない件が殆どだし、1/30の投稿だけでなく2018年 12/1の投稿 でも触れたように、不信感を抱く報道が多いので「NHK報道全体に問題があるのではないか」と感じるに至っている側面もある。また、2018年12/1の投稿ではNHKの報道以外にはそれ程不信感を持っていないことも表明しており、個人的には充分な配慮をした上で批判していると考えている。

政治不信を指摘しているメディアにも、不信感を感じてしまういくつかの理由

 1/29の政府の発表を受けて、NHKが「 景気回復「戦後最長」の可能性高まる 」と報じた事への違和感を、1/30の投稿「 実態を伴わない景気回復を「戦後最長」と誇る政府とNHK 」」で書いた。正確には違和感というよりも寧ろ不信感と言った方が正しいかもしれない。ただ、この投稿ではNHKの当該報道だけでなく、テニス・大坂 なおみ選手の英語コメントに関して、時事通信や朝日新聞、Yahooなどが明らかに正反対の内容の和訳を伝えた事にも触れ、  政府だけでなくメディアまで恣意的な解釈・言い換え、場合によっては捏造のようなことを始めれば、間違いなく社会は混乱に陥る という個人的な受け止めを示した。  しばしばSNSなどで、マスゴミ・偏向報道などという、メディア全体を乱暴に一括りにした短絡的な揶揄、場合によっては事実と異なるレッテル貼り、扇動のような中傷を目にする。場合によっては国会議員がそんな言葉を使っている事もあるし、明確にそのワードを使ってはいなくても、似たようなニュアンスのコメントを閣僚がしている事もある。しかし前述のような事があれば、その手の人達にメディア自らわざわざ燃料投下をしているも同然だし、メディア全体に不信を感じる人が増えるのも仕方がないことかもしれない。  付け加えおくと、政府寄りのスタンスを示すその手の人達は、NHKの報道に関しては違和感を示さない。 なぜならNHKの報道内容が政府にとって都合がいいからだ。これには大きな矛盾を感じるが、別の視点で考えれば、政府発表・メディア報道の信憑性が下がれば、信じたい事だけを信じる人達が増える、つまり社会が混乱するということの証でもある。

感情的なナショナリズム

 ソウル市議会で、日本の戦犯企業が生産した製品について、市立の小中学校や教育機関での購入を制限する条例案が議会に提出されたと、朝日新聞が「 「賠償がない」ソウル市議会、日本製品を制限する条例案 」という記事で報じている。まだ条例案が提出されただけで可決されたわけではないが、この法案には、定数110人の内の与野党議員31人が関わっているようだ。  個人的には、日韓間の戦時賠償に関しては、1965年の日韓基本条約とそれに含まれる請求権協定で概ね解決済みと考えており、当該議員たちがこの条例の必要性の根拠としてしめした「日本の一部の企業は、戦争物資提供などのため我が国民の労働力を搾取したが、公式謝罪や賠償がない」という見解が妥当とは思えない。ただそれ以前の歴史を勘案すれば、1965年の条約や協定の内容では充分な賠償が行われていない、と考える人がいてもある程度は理解できるので、そのような認識については全面的に否定するつもりはない(勿論賛同はしかねる)。しかし「正しい歴史認識を確立する」のに、「国民情緒を考慮して戦犯企業との随意契約を制限する」という方法が果たして妥当かと言えば、それは感情的なナショナリズムでしかないのではないか?と考える。つまり合理性を欠いていると考える。