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「60」を隠そうと躍起になる政府の姿から連想したAKIRAの1シーン


 AKIRAは大友 克洋さんの代表作で、日本を代表するマンガ/アニメの一つであり、国外における、日本のアニメーション=クールというイメージが生まれるきっかけになった作品だ。マンガの連載開始は1982年、アニメ映画が公開されたのは1988年なのだが、今も作品に古臭さは感じられない。2019年の7月には、新たなアニメプロジェクトが進行中であることが発表された(「AKIRA」新アニメ化!新作長編SFも製作、大友克洋がAnime Expoで発表(動画あり) - 映画ナタリー)。

 前述の記事の中には、
なお「AKIRA」のハリウッド実写版は2021年5月21日に全米公開される
という記述もあるが、2000年以降、AKIRAの実写映画化の話は何度も取り沙汰され、監督の名前なども複数回上がったが、その度に頓挫が伝えられ実現には至っていない。実写化を期待する声も多いが、個人的には、ドラゴンボールなどの例もあるので、見たいような見たくないような気分であり、延期や頓挫が伝えられると毎回どこかで安堵していたりもする。
 また、AKIRAは2019年が舞台なのだが、劇中に2020年に東京オリンピックが開催されるという設定がある。来年・2020年4月に4Kリマスター版ブルーレイの発売を予定しており、その告知映像に、これまでDVD版などの告知では恐らく使われてこなかったであろう、それを示唆するカットが使われているのは、十中八九、実際に2020年に東京オリンピックが開催されることになったからだろう。


 
 BuzzFeed Japanは昨日「「桜を見る会」過去の“総理大臣枠“が明らかに。残されていた文書が示す「60」の意味」という記事を掲載した。12/1の投稿でも触れた、マルチ商法を展開し経営破綻したジャパンライフが、元会長宛ての桜を見る会招待状を使って客を勧誘していた問題について、誰がそのような者を招待したのかということを、この約1ヶ月間、野党議員らが内閣府/官房へ、記者らが会見の場で官房長官に対して問いただしているのだが、彼らは「名簿を破棄したので分からない」の一点張りを続けてきた。
 ジャパンライフが配布したビラに掲載されていた招待状には、60-2357という番号が振られており、この60が首相枠ではないか、とこれまで取り沙汰されてきた(「首相の招待状」を信用、戻らない2千万円 桜を見る会:朝日新聞デジタル)。


 以前から、共産党が入手した文書によって60-63は総理、長官等推薦者ということがほぼ明確だったのだが、BuzzFeed Japanの記事は、国立公文書館にある2006年(小泉政権時)の桜を見る会の資料に、総理大臣の招待区分は60、61は自民党、62は公明党、64は官房長官、65は副官房長官とあり、つまり、2015年の桜を見る会の、ジャパンライフへの招待は安倍氏によるものである可能性がかなり高い、ということを示している。


 BuzzFeed Japanが記事を掲載する前日の12/23に、「政府「60番台は首相、与党枠」認める ジャパンライフ問題、野党は追及強化 - 毎日新聞」という報道があった。


政府は、首相枠が60番台に含まれる可能性は認めたが、「招待者名簿はすでに廃棄しており、個別の番号が(誰の枠かは)定かではない」などとし、求められた招待者名簿データの廃棄記録の提出に関しても、「これ以上調査しない」と拒否したそうだ。
 これまでも政府は、例えば「桜を見る会「調査の必要ない」 説明責任を負う側なのに:朝日新聞デジタル」などにもあるように、度々求められた文書/データの提出を拒否してきた。しかし結局は首相枠が60番台に含まれると認めざるを得なくなっている。視点によっては、わざと話を長引かせ、見ている側、つまり有権者の興味を出来る限り薄めようとして、時間稼ぎをしているようにしか見えない。そもそも、求められた文書/データを提出さえすれば疑惑は一気に解消するのだから。12/22の投稿で触れた、憲法学者・木村 草太さんによる政権評
「安倍政権は文書やデータなどを提出しないので、レポートを提出しない、試験を受けない学生のようなもの」「レポートが提出されなければその科目は必然的に不可となる」「その落第必死の学生が「問題はない」と言っているという、よく分からない状況だ」
がまさにそれを指摘している。


 BuzzFeed Japanの記事を読んでいると、AKIRAの1シーンが頭に浮かんできた。超能力に目覚めた鉄雄が、頭の中にチラつくAKIRAの正体を求め、それをつきとめる、というこのシーンだ。


記事を読んで思い出したのは、具体的に言えば、パイナップル頭の男性・大佐の、
その体はありとあらゆる技術で調査実験を受けた。そしてそのなれの果ての姿がそれだ。当時の科学者はその謎を解くことが出来ず、集めたデータと実験サンプルを後世に託す為、冷凍カプセルに保存することにしたのだ。
アキラは既に死んでいたのだ。 どうだ、気が済んだか?テツオ!
という台詞である。今の政府の振舞いを当て嵌めてパロディ化すればこんな感じだろう。
その名簿や記録はありとあらゆる技術で調査を受けた。そしてそのなれの果ての姿がそれだ。 内閣の官僚はそれを説明することが出来ず、集めたデータと名簿のサンプルを後世に残さぬ為、シュレッダーで破棄することにしたのだ。 
お前は既に死んだも同然なのだ。どうだ、気が済んだか?シンゾー!
時間があれば動画化したかったのだが、そんな余裕が今はないので、このブログ投稿を書くにとどめておくことにする。トップ画像で使った大佐の台詞も、まさに内閣府の官僚に向けられるべきものではないだろうか。

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