珍しいもの・一般的ではないものを表現するときに”変”という漢字を使った表現をすることがある。”変な”とか”変わった”ナントカのような使い方だ。この変という字には可も不可もなくただ単に一般的ではないということを意図する場合と、おかしい・誤っているというようなニュアンスを含めてネガティブな意味合いで使う場合とがあると思う。”変な”も”変わった”も共にどちらの意味合いでも使われることがあるが、個人的には”変な”の方がよりネガティブなニュアンスが強調される特徴があると感じる。例えば「変わったクルマに乗っているね」と言われたら、単にあまり見かけない珍しい車種というように感じる人が多そうだが、「変なクルマに乗っているね」と言われたら、そんなクルマに乗るなんて滑稽だね、もしくはみすぼらしいねと言われていると聞き手が感じる確率が、”変わった”クルマと言われるよりも数段高くなると思う。人とは違うモノを良しとするマニアの中には、逆に”変な”クルマと言われることに喜びを感じる人もいるだろう。珍しいものを表現する際に”変な”という言葉を使うべきではないという話ではない。言葉の持つ微妙なニュアンスの違いに気をつけて、時と場所を考慮した上で適切に自分の心情を表現し、且つ相手にそれが出来るだけ有りのまま伝わる言葉を選ぶのが、上手いコミュニケーションのとり方だということだ。