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12月, 2017の投稿を表示しています
 

年の瀬のテレビ・正義の過信・見出しの重要性

 自分が子供の頃は、テレビが年末年始らしくなるのは大体クリスマスイブ・12/24以降だったように記憶しているが、近年は常日頃から2時間特番なども多く、12/10前後からレギュラー番組の年内最後の通常放送が多くなり、特番・特番・また特番のような状態になる。年の瀬に近づくにつれ、特番の時間はどんどん長くなる傾向で、4時間特番、5時間特番も珍しくなくなる。個人的には、どんなに面白かろうが同じ番組を飽きずに見ていられるのは2時間程度が限度だ。多くの商業映画がこの枠内に収まるように作られているのだから、この感覚は多くの人が持っているものだろうと想像する。  大体4時間特番とか5時間特番と言っても、2時間番組×2とか、1時間番組×3 + 2時間番組×1を連続して放送しているだけで、番組表で枠が大きい方が目立つからとか、一度見始めた人の「最後まで見よう」という感覚に頼ろうという思惑とか、要するに視聴率の為にそんなことをしているのだろうと個人的に想像している。2時間以上は見ていられないタイプの自分からすれば、何週かに分けて放送した方が「また見たい」と思えるだろうし、「わざわざ過剰に長時間番組化して、飽きさせてどうするのか」とも思ってしまう。そんな風に感じながら、年末年始のバラエティなどの特番を見ている。

山梨県警の注意喚起手法について

  山梨県警が投稿した架空請求ハガキへのツッコミが大きな話題になっている 。この手の架空請求は、少なくともネット普及黎明期から存在するもので、当時はそのほとんどが「アダルトサイトを閲覧したからその料金払え」という手法だった。ハガキが届く以外にも、当時流行り始めたばかりのEメールで架空請求が行われるケースも多かった。しかし、公的機関のお知らせや正当な督促はハガキや封書で届くことが当たり前だった(というか、今でも多い)ので、騙すにしてもハガキの方がより説得力があったのではないかと思う。どこで個人情報を入手したのか、自分にもこの手のハガキが届いたことがあるが、当時から自分はネットやPCへの興味が高く「こんなのに騙されて金払う奴いるのか?」と思っていたが、とある飲み会でその件に触れると、同僚の7割程度が「え?そうなの?」と、金額はそれぞれだったが、騙されて支払ったことがあると言い出して、とても驚いた経験がある。

NHKに必要なこと

 今月はNHK受信料に関する判決が2つ報道された。1つは最高裁が12/6に示した、 NHKの受信料支払いはテレビを持つ者の義務。その義務はテレビ設置時点から既に発生している 、とする 判決(リンク先は朝日新聞の記事 )。もう一つは東京地裁が12/27に示した、 ワンセグ機能付き携帯の所持だけでも受信設備の設置に該当するので、受信料の支払い義務が生じる 、とする 判決(リンク先は東京新聞の記事 )だ。  共にNHK側の主張を大筋認める内容で、自分が見る限りネット上では、大小様々、程度や内容に差はあるものの、概ね批判の声が多い判決の内容だ。個人的には、テレビを設置したらNHK受信料の支払い義務が生じるということには概ね異論はないが、現在のNHKの放送・運営には不満に感じるところもあるし、これら2つの判決についても手放しで賛同したいとは思えない。特に後者については、こんな判決が示されたら、ワンセグ機能を搭載している国内メーカーのスマートフォンを、若年層を中心に敬遠する風潮にもつながりかねず、ただでさえ国内メーカーが苦戦している状況なのに、誰も得しないのではないか、という意見もある。

アマゾン二重価格表示について考える

 消費者庁が、 アマゾンジャパンに対して二重価格表示の是正を求める措置命令を出した 、と複数のメディアで報じられている。アマゾンの商品ページには”参考価格”と表記している所謂”通常価格”のような、実際の販売価格がどれくらい割安かをアピールする為の表示があるが、商品の中には、販売価格がメーカー希望小売価格よりも割高なのにも関わらず、参考価格にその数倍の価格を表示して、参考価格の〇〇%OFFなどとすることで、過剰に割安感を煽っていることがしばしばあったようで、今回の措置命令という処分に至ったようだ。  確かに日本では不当な価格拘束は禁じられており、メーカー希望小売価格は、文字通りあくまでメーカー側の希望でしかなく、いくらで販売しようとそれは小売店の自由だし、参考価格とか通常価格と表記する場合、どんな価格であろうが相応の販売実績、売れていなくても、一定期間その価格で商品を実際に販売していることが事実であるならば、メーカー希望小売価格よりも高くても問題ない。しかし、明らかに割安感で消費者心理を煽った販売促進を目的として、元の価格を過大に表示して過剰に割安感を煽る二重価格表示は、消費者保護の観点から法律によって規制されている。要するに今回は、過剰に割安感を煽っている懸念がかなり強いので是正せよ、と消費者庁が措置命令を出したということだろう。

デフレ脱却に関する、副首相の一方的な思いの押し付け

  ロイターの記事 によると、12/26、麻生副総理が会見で「 デフレという経済現象は人災による部分が大きい。政府や日銀の対応が適切ではなかったが故だ 」と述べ、旧民主党による政権運営を批判したそうだ。興味深いのは、この会見については 産経新聞 や 時事通信 も記事化しているのだが、ロイター以外はこの発言に触れていない点だ。どのメディアの記事でも” デフレ ”というキーワードに麻生氏が触れていることは垣間見えるが、メディアによって注目の仕方が違い、 12/3の投稿 でも書いたように、それが”事実の幅”として感じられるという良い例だ。   「デフレという経済現象は人災による部分が大きい。政府や日銀の対応が適切ではなかったが故だ」という発言にロイターしか触れていないということは、ロイターだけが重箱の隅をつついているようにも思えるし、時事通信や産経新聞が麻生氏の立場に寄り添って、今年の流行語で言えば” 忖度 ”していると受け止めることも出来るだろう。しかし、もし前者的な側面が強かったとしても、流石にロイターが全く根も葉もない発言をでっち上げているとは思えず、恐らくそのようなことを麻生氏が実際に口にしたのだと思える。  ロイターは、麻生氏が旧民主党政権の失策でデフレが改善されず、若しくは深刻化させ、今の自分たちの政権は、そのこれまでの5年間の歩みの中でデフレ脱却に取り組み「 少しずつだが確実にそういう流れが進みつつある 」と評価するニュアンスを示したと伝えている。

沖縄・落下事故・スルースキル

 12/11に発生した小学校校庭への米軍ヘリ窓落下事故。米軍は否定しているが、その直前の12/7にも同様の、保育園への部品落下事故(厳密には米軍側が否定しているので”疑惑”)が起きている。11日の事件については、 12/17の投稿 でも触れ、これに関連した BuzzFeed Japanの記事 に、心無い・又は誤った認識に基づいた検討違いの批判的なコメントが寄せられていることを書いた。心無い中傷・批判が7日の事件に関しても、保育園に対して直接行われていることについて 12/13の投稿 で触れた。毎日新聞は、11日の事件で校庭に窓が落下した小学校にも、心無い・根拠の無い中傷・批判が直接電話などで寄せられていることを「 『文句言うな…』被害小学校に続く中傷 」という記事で伝えている。

MeTooの現状

 今年・2017年の10月にハリウッドの大物プロデューサーの信じがたいレベルの恒常的なセクハラ・パワハラが、複数の被害者が声を上げたことで明きらかになり、アメリカに留まらず世界各国で、同じような被害経験を告白するのにMeTooというタグを使用する動きが急激に盛り上がりを見せた。今年日本では、それ以前から伊藤詩織さんがレイプ被害を訴えた事に注目が集まっていたので、MeTooタグへの注目で急にセクハラ・パワハラに対する関心が集まったわけではないが、 12/19の投稿 でも触れたように、 はぁちゅうさんの電通時代の経験を告白する記事 が17日に公開されたことでさらに注目が高まり、その後様々な意見が繰り広げられている。  はぁちゅうさんの記事を掲載したBuzzFeed Japanは、それ以降もいくつか関連する記事を掲載しているが、24日にも、「 #MeToo が嫌いなあなたへ 」と題した元アナウンサーの小島慶子さんが書いた記事と、「 はあちゅうと #metoo への批判 ハラスメント社会を変えるために共感を広げるには 」という見出しの、これまでの流れをまとめた記事を掲載した。

座高測定廃止とブラック校則と憲法改正

 NHKの番組「 チコちゃんに叱られる 」。子供が感じるような素朴な疑問の中から、多くの大人が正確に答えられないようなものを選んで解説する内容の、所謂雑学バラエティだ。最初の放送は2017年の3月だった。12/27に最新の第3弾を放送する予定なのだが、8月に放送した第2弾の再放送が12/23に行われた。恐らく第3弾の番宣的な意味合いもあったのだろう。その第2弾で取り上げた疑問の中に、「 座高は何故測定されなくなったのか 」という疑問があった。  昭和、と言うか、座高測定が廃止されたのは2016年3月だそうだから、2016年度卒の平成中期生まれあたりまでは、学校の健康診断・身体測定で座高測定があるのは当然で、年齢が高ければ高い程、廃止されたという話を聞いて驚くことだろう。座高測定が廃止された理由は、結論から言えば、「 意味があるのか分からない事をしていたから 」ということらしい。要するに座高が測定されていた理由は長い間「ただ何となく」だったということのようだ。

100円ショップと公平な労働対価

 テレビ東京が「 ヒャッキン! 世界で100円グッズを使ってみると? 」という番組を放送している。何回かの単発特番を経て2017年の秋からレギュラー化された番組だ。「 Youは何しに日本へ 」のヒット以降、テレビ東京が力を入れている?、外国人・日本国外からの目線で日本を再確認するタイプの番組で、日本の100円ショップで販売されている商品を海外で紹介し、外国人の反応を取材するという内容のバラエティ番組だ。実はそのような体裁を前面に出して、実のところは100円ショップの商品を宣伝しているという側面がかなり強いようにも自分には思える。別にそれは批判するべきようなことではないし、自分は番組を見る際に多少の演出があることは分かった上で、国外の視点で見るとこのように見えるのかということを興味をもって見ている。

核で挑発する北、金で脅迫する米、不正確な視聴者ツイート、それを拡散する番組

 アメリカ・トランプ大統領が12/6にエルサレムをイスラエルの首都と認め、大使館を移転する意向を示したことを受けて、国連は12/21に緊急特別会合(総会)を開き、 ”エルサレムの地位変更(首都容認)は無効”とする決議案 の採決を行い、賛成128票・反対9票・棄権35票で可決された。数日前に、トランプ大統領のこの表明を受けて開かれた安全保障理事会でも同様の決議が行われたが、アメリカただ1国だけが拒否権を行使した為に決議には至らなかった。この件は今朝のMXテレビ・ モーニングCROSS もトップニュースとして取り上げており、番組によると、トランプ大統領はこの国連の緊急特別会合で採決が行われることを念頭に置いた上で、12/20に行われたホワイトハウスの閣議で、「 アメリカから数億から数十億ドルも受け取りながら反対する国があるのなら好きにさせておけ 」と述べたそうだ。また別のメディアではその後に「 米国は(経済援助を)大幅に節約できる 」と続けたとも報じられている。 要するに、採決の際にアメリカに反対の立場をとる国への経済援助の打ち切りや、決議が可決されれば国連分担金の負担削減を行うという考えを強く滲ませたそうだ。

どこの改憲本部?

 自民党の憲法改正推進本部が12/20の役員会で、改憲項目の論点整理を行ったが、例えば9条に関しても2項を残すのか削るのかなど、まだまだ意見が集約しきれていないという話を、多くのメディアが報じている。これに関して一部のメディアでは” 論点とりまとめ ”とか” 中間とりまとめ ”という表現を用いているが、 まとまっていないのに”とりまとめ”と表現するのも何か変だ と個人的には感じている。また、昨日の役員会で意見を一本化しなかったのは、まとまらなかったのでなく、意図的にまとめなかったという見解も一部にはあるようで、憲法改正の機運を何としてでも高めたいという意図や、更に国民投票で否決される恐れを出来るだけ低くするなどの意図をもって、より強硬な改正案と、それよりは柔らかい改正案を両方掲げることで、「柔らかい改正案ならいいのではないか?」という世論が盛り上がることを狙っているという指摘もある。

年末年始の営業はライフラインではない

 長時間労働が強く問題視され、過労による自殺事件が複数報じられ、団塊世代の引退による労働人口減少・人手不足の深刻化が叫ばれ、数年前には牛丼チェーン店での深夜の所謂ワンオペ状態に不満を表明する為に、アルバイト定員のボイコットが起きたり、一応政府も”働き方改革”というスローガンを掲げていることなどを背景に、小売業界・飲食業界では、これまで巨大チェーンなどを中心に、当たり前になっていた年中無休・24時間営業を見直そうという動きが今年は複数見られた。今は年の瀬が迫る時期でもあり、年末年始の営業に関しても幾つか報道があり、三越は2018年の三賀日の休業を検討したが、結局例年通り営業すると発表したそうだ。一方、定食屋チェーンの大戸屋は、 朝日新聞の記事 によると、直営店のうち半分程度の約80店を2017-18年の大晦日・元日休業すると発表したらしい。2017年の元日に休業した直営店は約40店だったそうで、今年度は休業店が倍増することになる。直営店でない208店舗にも、出来るだけ休む方向での検討を促しているそうだ。同社の窪田社長は「 元日などに高い時給を払って、無理して人を集めるより閉めてしまった方がいい 」と述べたらしい。

誹謗中傷は無視でOK?

 ブロガー・文筆家などとして活躍する、はぁちゅうさんが電通在籍時代に受けたセクハラ・パワハラ被害を告白した。告白は BuzzFeed Japanが取材した記事 という形式で、12/17に同サイトに掲載された。その反響は決して小さくなかったようで、翌18日にBuzzFeed Japanは「 日本でも広がる『#metoo』しかし、勘違いしないでほしい 」という見出しで、はあちゅうさんの記事に続く形で表明された似たような経験談のツイートや、はあちゅうさんの告白に賛同を示したツイートなどをまとめた記事も掲載している。経験を表明した者の中には、現役女子高生で起業したことなどで知られる椎木里佳さんもおり、彼女は、 広告業界に限らずセクハラ・性的要求は世の中に蔓延してる。 断ったら仕事の話が白紙になったこと何回もあるし。 その度に悲しい気持ちになるけど、クズとの仕事未然に防げてよかったと思う。 もしされたら、絶対に要求を呑んではダメ。それを成功体験にしてまた同じことが繰り返されるから #metoo — 椎木里佳 (@rikashiikiamf) 2017年12月17日 広告業界に限らずセクハラ・性的要求は世の中に蔓延してる。断ったら仕事の話が白紙になったこと何回もあるし。 その度に悲しい気持ちになるけど、クズとの仕事未然に防げてよかったと思う。 もしされたら、絶対に要求を呑んではダメ。それを成功体験にしてまた同じことが繰り返されるから とツイートしている。今朝のMXテレビ・ モーニングCROSS にもコメンテーターとして出演し、この件について自分の思いを話していた。

大宮の火災から考える風俗産業

 12/17、 大宮の風俗店が入るビルで全焼規模の火災があり、客・従業員ら4人が死亡した ことが複数のメディアで報じられている。 NHKの記事 によると、火元は2階のごみ置き場だったようで、そこにはタバコの吸い殻も置かれていたかもしれないということだ。また、この建物は2016年6月に行われた消防による立ち入り検査で、消防設備には問題はなかったが、避難経路に障害物が置かれているとして、改善指導がなされていたようだ。このようなNHKの記事をから推測すると、タバコの火の不始末という、とてもあり触れた火災の原因だと想像することが出来る。現場が風俗店だったことは、火災の原因とは直接的な関係がないように思える。  風俗店での火災ということを報道各社が強調していることは、野次馬根性・興味本位的に思え、やや違和感を感じるが、例えば、中華料理屋で火災が起きれば”飲食店での火災”と報じられるだろうから、絶対的におかしいと言えないことも間違いない。少しもやもやした気分になったが、それは自分が、 社会一般に風俗店・性産業を見下す風潮がある と思っている、というか、実際にそのような風潮があることがその理由かもしれない。この火災の報道を見ながら感じたことは二つある。一つ目は前述の、風俗店や性産業を見下す風潮に関する違和感で、もう一つは風俗店の建物に関する話だ。

ネットに投稿される嘘

 先週沖縄で相次いだ米軍機の落とし物。と言っても、2件のうちの1件は米軍が米軍機の落とし物と正式には認めておらず、現時点では、厳密に言えば疑惑と言わざるを得ない状況ではある。そちらの件については 12/13の投稿 で触れたように、落下物が落ちた保育園に対して、デマだの嘘だのと言う電話やメールが複数あった、というか 朝日新聞の16日の記事 によると、その後も続いているそうだ。  Buzzfeed Japanはこれらの件に関連して、翁長・沖縄県知事が日本政府や米大使館に抗議する為に上京したこと、そして彼に対するインタビューの記事を15日に掲載している。「 『何度抗議しても、何も変わらない』と翁長知事が語った沖縄と本土の”溝”とは 」という見出しが示すように、彼の憤りを強く感じさせる内容だ。

共謀罪に関する、副首相の一方的な思いの押し付け

  産経新聞 によると、麻生副総理が15日の記者会見で、テロ等準備罪・改正組織犯罪処罰法に関する麻生氏の発言に対して批判的な態度を示し、記事を書いた東京新聞の記者を念頭に置き、 (東京新聞は処罰法を)やたらと良くないと書いていた。しかしそれは嘘だった。 (処罰法ができ)結果としてよかった。しかし、訂正記事が出ていない。 あおった記事が結果として違ったら、それだけ世の中を騒がせたわけだ。”社会の公器”の責任は?(どうなる) などと述べたそうだ。彼は現政権のNo.2だし、政権与党は一丸となってテロ等準備罪の成立を目指していたのだから、彼にとって同法の成立が”良かった”ことなのは当然だが、テロ等準備罪が出来てからまだ約半年しか経っていないのに、賛否両論あった同法の社会的な評価が確定出来るはずがない。にもかかわらず、勝手に”良かった”という評価があたかも社会一般で確定的な評価であるかのように語り、”良くない”という話は嘘だと断定し、そのような記事を掲載したメディアに謝罪しろというのは、まるで暴力団の因縁の付け方のようで、とても残念だ。彼のような人間が我が国の政治的No.2の立場を担っていることに、恥ずかしさと危うさを感じてしまう。トランプ大統領のことを笑っている場合じゃない。日本も大差ないような状況のようだ。

続・阿蘇山噴火と伊方原発の関係について考える

 昨日・ 12/14の投稿 では、広島高裁が示した伊方原発運転差し止め仮処分を認める決定についての個人的な所感を、その日の朝のMXテレビ・ モーニングCROSS に寄せられていた視聴者ツイートに反論する形式で書いた。今朝のモーニングCROSSでは、コメンテーターの 石川和男氏 が「 司法(裁判官)は”万能”か 」という見出しを掲げ、この件に関する彼の受け止めを論じていた。  その内容は自分の昨日の投稿とほぼ正反対の内容で、阿蘇山噴火で発生する火砕流が伊方原発に到達するかもしれないという、数万年に一度あるかどうかのことが原発の稼働期限までに起こる恐れを考慮して運転を止めるよりも、今は原発を動かすことでコストを圧縮し、その浮いたコストで避難計画を充実させるなどの方が社会全体に有益なのではないか、そして原発再稼働については、原発の地元住民が選んだ周辺自治体の首長(政治・行政)などが容認し、原子力規制委員会(専門家)も調査・研究の結果として再稼働を容認したのだから、原発の専門家でもなく、地元住民でも彼らによって選ばれた代表でもない裁判官(司法)の判断がそれを覆すのは行き過ぎではないのか、というような趣旨だった。

阿蘇山噴火と伊方原発の関係について考える

 12/13、 四国の伊方原発の運転差し止めの仮処分を認めると広島高裁が決定した 。今年・2017年3月の広島地裁の判断を覆した格好になる。四国の原発の話なのに、何故四国の高松高裁ではなく、広島で裁判が行われているのかという点に疑問を感じる人も多いようだが、原発の事故が起これば、影響を受けるのは立地県である愛媛だけ、四国だけとは言えない。そんな観点で広島市民が広島で訴えを起こしたから広島で裁判が行われている。この件については多くのメディアが報じており、その注目度の高さが窺える。今朝のMXテレビ・ モーニングCROSS でも取り上げており、番組の論調は概ね判決を支持するというニュアンスが感じられた。しかし、番組に寄せられていた判決に批判的な視聴者ツイートはかなり酷い内容が多く、画面を見ていて不愉快さすら感じた。

沖縄・米軍・落下物から考える

 12/7、 沖縄・普天間飛行場のすぐそばにある保育園で、米軍機から落下したと思われる部品が屋根の上に落ちてきた という事案が発生したと、多くのメディアが報じた。自分が見たニュース番組では、複数の保育士らが、当時の状況について説明しており、落ちてきたとされる部品は米軍のヘリに用いられている部品の可能性が高いという話が伝えられていた。  11日、米軍は「 普天間飛行場に所属する軍用機から飛行中に落下したものではない 」という調査結果を報告し、保育園の屋根に落ちたとされる部品は、軍用機から落下したものではないという見解を示した。 毎日新聞の記事 によると、米軍は保育園で見つかったものが米軍ヘリに用いられる部品であることは認めたが、普天間基地に所属している同型機の該当部品は全て保管が確認されたとして、米軍機からの落下については否定したようだ。では、保育園の屋根に落ちたとされる部品は一体どこから現れたのだろうか。

熊本市議・子連れ議会参加のその後

 先月、熊本市議会で、ある女性議員が子供を連れて議会に出席しようとしたことが大きな話題になった。この件については 11/23の投稿 で自分なりの所感を書いた。それから約3週間が過ぎたが、彼女の行為を容認する人は、熊本市議会や彼女を批判する人々はこれまでの慣例に固執し過ぎていると感じているようだし、彼女の行為に否定的な人は、議員という立場なのだからまず規則を守れと感じてるように、自分には見える。自分の受け止めは確実に前者なのだが、この件に関連した12/9の朝日新聞の記事を読むと、熊本市議会は子育てする親に対する理解が本当に低かったんだろうなと改めて感じられた。その朝日新聞の記事は「 本会議中に授乳できるように、議長に配慮求める 緒方夕佳・熊本市議 」という見出しだった。

行き過ぎた正義感とスルースキル

 中華航空(台湾)の旅客機内で日本人の乗客が酒に酔って騒ぎを起こし、空港に引き返すという事態になったと、複数のメディアが報じている。自分が最初にこの件を知ったのは ハフポストの記事 で、それによると3人の日本人客が酒に酔って大声を出すなどしたり、それを注意されるとトイレで喫煙するなどした為、安全性を考慮した機長の判断で、この機が出発した桃園空港へ引き返し、日本人客3人は降ろされることになったそうだ。3人には最高で約19万円相当の過料が科されるらしい。  日本の民度もまだまだ低いという悪評が世界中に広まりかねないような話で、同じ日本人として恥ずかしく思うし、二度とこのような過ちを犯さないように、相応の罰を受けて反省して欲しいと思う。

中学教員の不適切ツイートから考える

 埼玉県北本市の公立中学のある男性教員が、男子生徒を装ってある女子生徒について「顔で損しているよな」とか「あの体型、あの嫌われようでよく学校来れると思う」などとツイッターに投稿していたと、複数のメディアが報じている。この件が明らかになった発端は、10月に、同じアカウントに公表前の生徒会役員選挙の結果についての投稿があったことだそうで、そこから教職員が投稿しているのではないかと話題になったそうだ。11/28に、中傷された生徒らから書き込みについて聞かれると、この男性教員ははぐらかしたそうだ。生徒から相談を受けた別の教員が事実関係を確認したところ、それでも否定したそうだ。しかし29日から体調不良を理由に休み始め、その後市教委・校長らが再確認したところ、やっと事実だと認めたらしい。  生徒らは、まず教員の問題行動で落胆させられ、更にその後の往生際の悪さで再び落胆されられたことだろう。個人的にも、あまりのどうしようもなさに驚くばかりだ。

リテラシーとスルースキル

 BuzzFeed Japanが、昨年のWELQ問題で火が付いたネット上に蔓延する不正確な医療情報について、2つの記事を掲載している。一つは12/7に掲載した「 Google検索から不正確な医療情報が消える『前代未聞の規模』 」という見出しの記事で、Googleは日本で表示される健康・医療分野での検索結果において、WELQのような質より量を重視したサイト・言い換えれば情報の正確さが適切に担保されていないサイトの表示優先度を下げ、公的機関のサイトなど正確性が担保されている可能性が高いサイトが、まず検索結果の上位に表示されるようなアップデートを行ったという記事だ。  果たしてGoogleが適切な基準でサイトの評価を行っているのか、という懸念がないわけではないが、明らかな嘘やデマを含むサイトが検索結果の上位に表示されており、そのようなサイトがページビューを集め収益を上げ、それを手本にした同じ手法のサイトが収益目当てで乱立していたこれまでの状況を考えれば、検索結果の上位にそれらのサイトを表示し悪循環の一端を担い、更に場合によってはそれらのサイトに広告を提供する側でもあったネット広告仲介大手という側面もあるGoogleとしては、流石に我関せずでいることは出来なかっただろう。もしGoogleがこの問題に関して消極的な態度を取り続ければ、遅かれ早かれ責任を厳しく追及される破目になっていたはずだ。  BuzzFeed Japanの記事でも指摘しているように、これで「すべてが解決されたわけではない」ことも事実だろうが、以前の状態に比べれば状況がマシになったことは確実だ。

カートにシートベルトは必要か

 ここ数年、東京都心などでは、人気のゲーム・スーパーマリオカートのイメージを模したレンタルカートサービスが訪日外国人を中心に人気を博しているが、今年の夏頃から利用者が事故を起こすなどして、危険ではないのかなどの指摘も強まっていた。この手のサービスで用いられる車両は、レクリエーション・又はモータースポーツ向けのカートにウインカーやヘッドライト、ブレーキランプなどの保安部品を取り付けて、原付バイクの4輪版のような区分・ミニカーとして登録した車両だ。道路交通法上は自動車扱いなので2輪車のようなヘルメットの着用義務はない。  朝日新聞は12/5に「 公道カート、規制強化へ 危険と指摘受け赤尾灯やシートベルトの義務化の方針 」という見出しの記事を掲載し、国土交通省が安全基準の厳格化を進めるということを報じている。

政治家の質を上げるには

 ある石川県・加賀市議が、ネット上で市内の飲食店の衛生管理に問題があるかのように複数回中傷し、その後その店は閉店、経営者の男性が刑事告訴するに至り、市議が名誉棄損罪で略式起訴され罰金30万の略式命令が出された、と12/5に 朝日新聞 が報じた。市議はこれに関して「 立場を忘れ、軽はずみに行動した。個人的なトラブルがあった 」と話し、議員辞職については「 支持者の皆様などと相談、検討した上で考えたい 」という意向を示したそうだ。  トラブルがあったにせよ、根拠のない中傷で他人の人生を左右しかねない、店を閉店に追い込むような結果を招いた代償がたった罰金30万円足らずでは、全然事態に相応しいとは思えない。勿論、当該の飲食店が閉店した理由はこの中傷以外にあるのかもしれないし、市議はこのように報道されるなど社会的な制裁を受けているという考え方もあるかもしれない。市議会はこれから臨時の協議会で対応を決めるそうだが、辞職勧告ぐらい出さなければ、市議会自体の評価を落とすことにもなりかねない、と個人的には感じる。

エルサレム大使館移転と国連決議

  イスラエルの米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転する意向 をトランプ大統領が示したと国内外の報道各社が一斉に報じている。大使館とは、基本的にその国の首都に設置するものだが、一部の報道では大使館をエルサレムに移転するだけでなく、明確にイスラエルの首都をエルサレムだと認める宣言も検討しているとも伝えられている。ただ、いつ移転するかについては詳しい話がまだないようで、本当に実行されるのかはまだ不透明のような気もする。しかし、これによって中東情勢が悪化することはあっても、好転することは決してないだろう。要するに、トランプ氏は5度目の中東戦争の種に水や肥料を与えていることになる。  エルサレムへ大使館を移転すると何が問題なのかについては、まずエルサレムとイスラエル・パレスチナ問題について理解しなければならない。

「おんな城主 直虎」と記録

 NHKの今年の大河ドラマ「 おんな城主 直虎 」の最終回がいよいよ迫っている。1月に始まり12月に終わるのは毎年のことだから、当然と言えば当然なのだが、どう終わらせるのかが個人的に楽しみでならない。  自分は以前は大河ドラマにそんなに興味のあるタイプの人間ではなかった。00年代の殆どの期間、ゲームも映画もPCモニターやプロジェクターで見ていた為、部屋にテレビを置かない生活をしていた。BDの普及やゲームもフルHD解像度対応が増え始め、大きな画面でフルHD解像度のモニターが欲しくなったのが2009年頃だった。特にチューナーのついたテレビである必要性はなかったが、当時は30インチ以上のPCモニターはあまり一般的でなく、テレビの方が選択肢が多く価格も安かった為、当時およそ10年ぶりにテレビを買った。それまでの10年間ほとんど見ていなかったテレビだが、あればあったで見るもので、AV機器が好きな性分でもある為、搭載機能は一通り使ってみる性質で、買ったテレビに付いていたHDD録画機能なども活用し始めた。

平戸市長の”朝日新聞止めた”について

 長崎・平戸市長の黒田成彦氏が「 平戸市長室では朝日新聞の購読を辞めた。 」と 自身のツイッターアカウント でツイートし、大きな話題となっている。特定のメディアを排除するような宣言を市長がすることは言論弾圧の恐れもあるのではないか?というのだ。自分はこの件を他の人のリツイートで知ったのだが、第一印象では、たとえ市長だろうと読む新聞の取捨選択をすることは自由だろうから、取り立てて問題ではないのではないか?というものだった。しかし、黒田氏のアカウントを見てみた後は、この人は特定メディアを排除・攻撃しようとしている恐れが非常に強いという印象に変わった。

”事実”には幅がある

 内閣府が 人権擁護に関する世論調査 の結果を発表したようだ。相変わらず掲載日すら書かれておらず、 お役所のサイトは不親切だ というのがこのページを開いた際の第一印象だった。それはとりあえず置いておくとして、女性・同和地区・障碍者・震災関連・犯罪被害者など様々なジャンルの人権問題に関する調査なのだが、これについて、時事通信とNHKは共に、外国人差別・ヘイトスピーチに関する調査結果に着目している。多岐にわたる調査結果の中で同じ点に注目しているのに、それぞれの記事の見出しには差があり、とても興味深い。  時事通信は   憎悪表現も「自由」17%=人権擁護に関する世論調査-内閣府 という見出しでこの件を伝え、NHKは ヘイトスピーチ「知っている」57%余 内閣府 という見出しを掲げて記事を書いている。記事を書く記者によって、最も重要だと感じる点が異なるということがよくわかる。NHKの記者が注目したのは、 ヘイトスピーチと呼ばれる民族差別的な言動を繰り返す街宣活動やデモを知っているか尋ねたところ、「知っている」が57.4% という点だと記事の見出しから推測できる。この点には当然時事通信の記者も触れている。しかし時事通信の記者が最も注目したのは、その57.4%の人のうち、 17.0%の人が「表現の自由の範囲内のものだ」 と感じている点だったようだ。NHKの記事にも一応これに関する記述はある。  同じ問(厳密には、時事通信が注目したのはNHKが取り上げた問を前提にした関連する問)に注目しているのに、NHKはヘイトスピーチに対して肯定的か否定的かに関わらない回答に注目し、時事通信は肯定的な回答が2割に迫る勢いだということに注目しているのが、自分には対象的に感じられ、とても興味深かった。

悪質クレーマーと殺伐としたネット社会と”正論”

 今朝・12/2のNHK・ 週刊ニュース深読み では、「 もう限界!悪質クレーム お客様は神様?それとも... 」と題して、悪質クレーマーについて特集していた。一応、店や商品の販売元企業などのクレームを受ける側の質が以前より落ちている、質云々ではないにしても、余裕がなく冷たく感じられる対応が増えているのではないか、という懸念もある程度示してはいたが、番組全体の論調としては、もしそうだとしても、必要以上に過大な金銭・見返りの要求をしたり、行き過ぎた暴言・罵倒が許されるはずもない、というものだった。番組に出演していた有識者の見解では、恐喝や脅迫に該当する恐れのある行為に至る悪質なクレーマーの絶対数は、そこまで多くはないということだったが、それに準ずるような、適切とは言えない根拠で同調圧力を一方的に振りかざす人はそれなりに増えているのではないかというような話だった。  あくまで個人的な見解だが、自分がバイトや社員として接客業に携わっていた10-20年前も、一定の割合で理不尽なことを言ってくる客は居たし、中には警察を呼ぼうかと思うほど酷い客もいた。自分が小学生だった頃にも、飲食店などで店員を些細な理由で怒鳴りつけている客を見たことはあるし、悪質クレーマーが増えているのではなく、ネットが普及したことで理不尽なクレームを受けた店員などが、それを外部に伝えやすくなっただけではないのか、言い換えれば、悪質クレーマーの見える化が進んだだけではないのかと感じている。

再び高まる森友問題の議論

 昨日・11/30までの4日間、衆参両院で各2日ずつ予算委員会が開かれた。今国会の予算委員会では、10月末に会計検査院が森友学園の国有地売却額の妥当性に疑義を示したことを受けて、森友学園問題に関する質問が相次いだ。このことに関して、ネット上などでは「 予算委員会なんだから予算の議論をしろ 」とか「 そんなことより、北朝鮮問題とか、もっと議論するべきことがあるだろ 」などと批判する者もいる。  まず前者について、予算委員会とは本質的には”国家予算”の使い道について議論する委員会だが、行政は国家予算によって動いているのだから、行政が適切に運営されているかについての話も扱う話題として妥当という見解を基に、政府や行政に関する話ならどんな話でも扱うことが出来るというのが慣例だ。そして森友学園問題は、国有地売却価格の妥当性に関する問題でもあり、今国会で主に議論されているのは、会計検査院が売却価格の妥当性に疑いがあるという点で議論されているのだから、国家予算と確実に関係のある話ではないだろうか。